入隊してから5ケ月ぶりの外出に私たち全員が心を躍らせていました。私たち同期は40名でしたが、3つのチームに分かれて目的地に向かいました。1つのチームは教官について行き、私たちのチームは教官には付かず、同期だけで向かうことになりました。「目的地はどこにしようか?」とみんなで相談をした結果、ウォンジュという場所にある故イ.スンマン大統領の別荘に行くことになりました。別荘に着き、いざ無線交信を始めようしたときでした。思いもよらぬ光景が目に飛び込んできました。別荘の敷地内に居合わせたソウルからの観光客10名が牛肉のスープを作って食べようとしていたのです。釜にはご飯もたけていました。そこで同期のひとりがその人たちのところに近付き「こんにちは、私たちは訓練生です」と挨拶をしました。すると観光客の1人が「おつかれさま」と言ってスープとご飯を私たちにごちそうしてくれました。私たちは心から感謝をし、ありがたくいただきました。「本当にありがとうございました。この感謝の気持ちは生涯忘れられないと思います。お礼と言っては何ですが、歌を1曲歌わせていただきます」