第3章で紹介した足が不自由な夫が持っていた「妻が浮気をしているかもしれない」という思い込みや、赤ちゃんを殺した母親が持っていた恐怖心は何の根拠もないものです。つまり事実ではありません。ですから少しだけ考えてみれば正しい判断ができて、事実を知ることで違って考えからすぐに解放されたはずでした。これらは悪霊による作り話に巻き込まれて冷静に考える力を失ってしまった結果です。足の不自由な夫の妻に対する疑いは、自分1人が悩んだところでどうすることもできない状態にまで陥っているわけですから、思い切って膝を交えて妻と会話をすれば妻の本心が分かり、自分の間違った考えの渦から簡単に解放されたはずです。そしてもっと仲の良い夫婦になれたことでしょう。ところが悪霊の考えに引き込まれ、その考えの渦に巻かれるようにして心の余裕を奪われてしまいました。