今の時期、一般入試に向けてがんばってる受験生にアドバイス!
1. 学科の予備校や芸美大受験予備校などで、早稲田建築科をはじめとして建築実技試験がある東京芸大や多摩美環境デザイン(教授・伊藤豊雄)や武蔵美の建築なども併願で受験を考えている人もいると思います。早稲田はAO入試と同様に問題文に対して作文とドローイング(想定デッサン)、東京芸大は上野の国立博物館をはじめとする建築物を、実際に屋外で
冬の寒い中で屋外写生デッサンに着彩などを行います。防寒(ホカロンほか)対策を始めとして長時間の集中力が必要です。風邪やインフルエンザ対策は必須です。美大建築・立体デザイン系入試もまた教室内での多摩美などの想定デッサンをはじめとして、実際に支給された素材を使ったり想定デッサンや立体構成を制作しますので、想定デッサン対応と立体造形制作をふだんからかなりの練習量をこなさなければなりません。早稲田のAO入試の難易度とは全く異なる戦術が必要になります。
2. 美大のこれらの武蔵美建築科あるいは多摩美環境デザイン科を受験する人は、それぞれの大学へ必ず事前に過去問題集(実技と学科試験の解答と参考作品が掲載)を請求して購入してください。各美大の学科試験(国語と英語他)はセンター試験での受験等も必ず要項等で確認しておくこと。
3. 早稲田建築一般入試や多摩美環境デザイン系などでは、室内空間における状況描写がある場合があるので、全て一点透視投影図法だけでは解答できないので、必ず二点透視投影図法をマスターして屋外と屋内での人物や家具、植栽(早稲田建築一般入試)など自由に描けるようにしておいてください。
4. 元旦や大晦日に神社や海岸での初日の出で合格祈願に行く受験生も多いと思います。予備校等で正月特訓などない人は、ただ神社や海岸に行って合格を祈るのではなく、必ずスケッチブックと3Bとかの濃い鉛筆を持参し、海岸での水平線と自分の目の高さが、連動することをしゃがんだりすることで確認してください。水平線上の自分の立ち位置を画面に描き、自分の周りの人の背の高さと距離を確認して理論と実際に人を描いて確認してください。
神社などに参拝する人は祈願の後で、少し離れ対置から参拝した神社を一点透視ではなく、左右の側面が入るようにして簡単に線でデッサンして太陽に対してどのように影が出ているかも確認して、影の角度と太陽の位置と方位を確認すると一度で、遠近法と陰影(量感描写に必要)が理解できて腑に落ちます。
頭で理解できても美術の場合は、実際に自分の目で見て描かないと完全に理解できないからです。フランク・ロイド・ライトやコルビジェが自然を描けという意味や安藤忠雄も実際に10代から数多くのデッサンを描いています。最近終了した圧巻の印象があった安藤忠雄展(新国立美術館)を観た人は、それがどれほど大切かが分かったと思いますがいかがで感じましたか?
本当の才能とは自分を信じ、自分の人生の全ての長い時間をかけてつくり上げることであり、
ただ一度の「人生は知識を知恵にする、ただ一度の時間芸術」であると、私は思います。
現役の人だけでなく、浪人の人もいると思います。自分の志望校に合格できなかった人はつらい浪人生活を歩んでいると思います。そういう私もかってそういう暗いトンネルを歩んだことがあります。私の時代は第一次ベビーブーム世代で、1浪2浪は当たり前の空前の倍率でした。美大の同期もほとんどが浪人で親友もまた1浪、2浪がおおく今でも長い付き合いがありますが、自分を鍛えて集中力と忍耐力、そして目標設定と自分を信じる信念が持てたことを宇宙の叡智に感謝しています。
失敗は永遠ではなく、それを自分が受け入れなければ一時的な挫折ですので、また再び軌道修正すれば良いだけです。天は再び立ち上がるかどうか見ていると思います。エジソンの電球も1万回も失敗しても諦めず挑戦をやめませんでした。だから、決して自分が諦めてはいけません。最終的に建築家として独自な世界観を建築という表現手段で自己表現することが目標ですので、特定の大学が人生の最終目的ではありません。
安藤忠雄さんは高校卒業でミースも同様です。コルビジェも建築科で学んだのではないのに20世紀を代表する偉大な建築家になった意味を考えてください。
それでは、風邪を引かないように自愛し、実技と学科の勉強を人とではなく、自分に負けないように頑張ってください。