2018年もはやいもので、あと1ヶ月と9日ですね........
➡ 今年の出題は”水”という自然物でしたが、あなたはこういう言葉を聞いて
具体的にさまざまな、水のイメージを思い浮かべたと思いますが、それではあなたそういう頭の中に浮かんだイメージを、実際に正しく正確に遠近法などの基礎造形知識の元に、鉛筆という白黒の用具で、具体的に自由にどのような出題でも視覚表現ができますか?
➡ 「あなたは自分のイメージをデッサンあるいは素描・ドローイングを描くことができますか?」
これは実際に目の前の建物や室内をデッサンするという、3次元空間や具体的なさまざまな自然物や工業製品、人物など野イメージを正確に客観的描写力を持ち、紙という平面的な素材にその想像した豊かな発想とイメージを、正しい空間性を表現できる造形知識をベースに正確に立体的な意識を持ち、描けるかどうかが出題されているからです。つまり想像画であり想定デッサンだからです。
過去歴代のルネサンスの建築家はみんな、画家で彫刻家であった理由がその秘密です。画家や彫刻家は自由に自分のイメージを遠近法や、光、あるいは季節、材質感や色彩の調和を統合して、新しい創造物を創る事ができるからです。ギリシャの彫刻家やルネサンス期の天才のダビンチ、ミケランジェロ、ラファエロなども建築や建築外観、内観などの意匠を絵で描く事ができました。
スペインのガウデイのさまざまな美しく力強いドローイングから、あのサクラダファミリア、数々の美しいアパートや庭園が生み出されたのです。それは図面の美しさを見てもとても感動する絵画表現といえます。そして20世紀建築を牽引した3人の偉大な建築家の一人である、フランク・ロイド・ライトの美しい平面図面の数々
や、NYグッゲンハイム美術館の美しい完成予想図は何と美しい”建築芸術絵画”でしょう。いまは、そういう美しい手描きのドローイングや完成予想図を描ける建築家はあまり見当たりません。みんな、パソコンのソフトで描いているために”心の奥深い魂”までは表現できないからです。パソコンとソフトは建築に必要な道具ですが、やはり最初の自分のアイデアや完成予想図は建築家本人が描くべきであると、私は思います。理論や理屈だけでは偉大な独創的な創造はできません。最初のアイデア・直感を形にしなければなりません。ダビンチの人体比例と北斎のトンボの中に正円があるという眼は二人とも、水や波の動きを静止画像で見えたそれを線描で描いたのです。
➡ 21世紀建築の革新はフランク・ゲイリーとザハ・ハデイットの革命的な建築家が創造的想像力を具体的建築で表現しました。二人とも革命家精神をもつ建築家であり芸術家です。ザハ・ハデイットはロシア・アバンギャルドの革命的な魂と精神を受け継ぎ、フランク・ゲイリーはフランスに滞在した時に、詩人や彫刻家、あるい
は日本の文学や文化などから影響を受け自分独自の視覚言語とポジショニングを確立した、やはりだれも見た事のない自由で豊かな、イメージの建築を表現している彫刻的建築であり革命家と言えます。だから、仲良しの、やはり20世紀彫刻に革命をもたらしたオルデンバークとなかよしなのもうなずけます。子供のように自由で豊かな発想と純粋な眼をもっている作家だからです。
功名心や権利主義、金銭欲などとは無縁な、自分独自の人生を自分の好きなように建築と言う立ち位置で、建築という仕事の表現手段で自己表現し、トラック運転手から始まり、カレッツジや大学の夜学に通い、ハーバードの大学院で都市計画を学ぶ。南カリフォルニア大学で建築学士習得はずいぶん後だ。そういう常に高きをめざし自己発展しながらその都度自己表現と言うチャレンジは、後に自己実現し現在は90歳目前で世界最前線の現役前衛建築家という、立ち位置を不動にした。
そして言えることは、彼のマスタードローイングは最高に自由な、今まで見たこともない自由な独自の表現だということだ。でも、彼は自分の手で自分独自のアイデアを直接、紙に書いているという事実だ。あれこれと部下に伝えて、ソフトで描かせ、模型も外注しているのではなく最初は自分で必ず制作している。
だから、やはり自分の作品は自分のオリジナルのアイデアであれば、過去にもないのだから、自分で描くのが当たりまえであり、そういう意味でドローイングという大きな立体構造である、建築芸術は美術における、造形表現なのだから単に受験と
いう範疇ではなく、一生の自己表現というスキルの大事な建築表現スキルと言えるのではないだろうか?大学側の先生はそこで入試における対策は不要という立場と思うが、何もアイデアも浮かばず、描け蹴れば入学後もひたすらネットでのコピー
&ペーストで、折衷された出来損ないのものしかできないと思われる。独創的な高度なイノベーションの付加価値表現しか、この21世紀中盤から後半は生き残る事はできないと思う。発展途上国も後進国も現在進行形で新しい人材が生まれている。
大国の中国もインドも、また中南米もその次のアフリカもみなライバルであるのだから、