気の向くままに junne

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その様な人生を追及しています

'16. 『ホテル・カリフォルニア』に見る詩の世界

2016年01月10日 | 下町放送局

皆さんこんばんわ。真夜中の音楽の時間がやって来ました。                  今日は70年台を代表するバンド、EaglesHotel Californiaを、その詩の世界からお届けいたします。

この詩を読み解いていくには、先ず60年代後半から70年代初めのアメリカの時流を理解しておく必要性が有ります。しかし、今ここでそれ等を事細かに説明しては居られないので、ごく簡単に要点だけを挙げておきます。先ずベトナム戦争が泥沼化していた事、ウッドストック・コンサートが開かれた事、伝統的にプロテスト・ソングが定着していたという土壌が有った事(古くはブルースに端を発していますが、ウッディ・ガスリーやジョーン・バエズ、そしてボブディランなどが一般的)、ヒッピー文化(?)の衰退、ベトナム戦争の敗戦(アメリカは何も結果を出せなかった)…などからこの間の価値観や文化的風潮の変化(精神主義的なものから物質的なものへ)と云う移行が為されていた。そのようなアメリカ国内での時代背景・変貌(変質)がこの曲を生み出す一つの要因になっています。                                                         それが歌詞の中の一節に凝縮した形で表現されています。                                                                       

1969年以来、そんな酒(精神)は置いてございません」、とか                     「私達は昔、自分の企みのせいで囚人となったのです」                                           「落ち着け、われわれはここで生きていく運命なのだ」                                                          「いつでもチェック・アウトは出来るが、ここから逃げ出す事など出来ない」                                             などと云った個所に見て取れます。つまりこの曲は見方に依ってはプロテスト・ソングとも言えるわけです。全体を通して見てみると詞と云うよりは詩と呼ぶ方が正確でしょう。                                                                                                                                          この曲が発表されたのは76年で、ロック・ミュージックが詩的要素を含有し始めていた時期に当たる事を思うと、その先駆的な作品であったと認めざるを得なく、彼等イーグルスの才能を改めて認識出来ます。勿論、詩のみならず、高い音楽性やテクニックに付いては誰もが認めるところのものでしょう。.尚、余談では有りますが、この曲が書かれたのはアメリカ建国200年でした。

 

Hotel Califonia   by  Eagles   1976.

夜の砂漠のハイウェイ 涼しい風がそよぐ  

コリタス草の甘い香りが 立ちこめて来る

はるか前方に 揺らめく光りが見える  

俺の頭は重くなり 目はかすむ

ここに泊まらねばならない様だ

呼び鈴が鳴ると 戸口に女が立っていた

俺はつぶやいた ここは天国か地獄か

彼女はろうそくをともし 部屋へ案内した

廊下の奥から ささやく声がした

俺には こう聞こえた

   ホテル・カリフォルニアへようこそ 

   とても素敵な所です みんないい人ばかりです

   ホテル・カリフォルニアへようこそ

   一年中 いつでもお泊り出来ます

彼女はティファニーに夢中で ベンツを乗り回す

「友達」と呼ぶ たくさんの美少年をはべらす

彼等は中庭でダンスする 甘い夏の汗をかいて

思い出の為に踊る人 忘れる為に踊る人

給仕長に「ワインを持って来て下さい」と電話した

彼は言った「1969年以来、そんな酒(精神)は置いてございません

そしてまだあの声が 彼方から呼んでいる

真夜中に目覚めさせる あの声が聞こえる

   ホテル・カリフォルニアへようこそ

   とても素敵な所です みんないい人ばかりです

   ホテル・カリフォルニアでは 楽しく暮らせます

   アリバイを作って下さい 素晴らしい驚きが味わえますよ

鏡張りの天井 氷で冷えたピンク・シャンパン

彼女は言った 「私たちは昔 自分の企みのせいで囚人になったのです

そして彼等は宴の為に 支配人の部屋に集まった

スティーリー・ナイフで突き刺しても 獣すら殺す事が出来ない

最後に俺が覚えているのは 出口を探して走り廻った事だ

元にいた場所に戻る通路が きっと何処かに有る筈だ

すると夜警が言った「落ち着け、我々はここで生きていく運命なのだ

いつでもチェック・アウトは出来るが、ここから逃げ出す事など出来ない

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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