兵頭 正俊さんより。
今日は、参議院選挙の真っ最中ですので、政治の話をします。
それも他の人とは違った角度から。
皆さんは、政治家と小説家とを比べて、どちらが世の中に絶望していると思いますか。
わたしは学生時代に、小説家の方がはるかに政治家よりも絶望していると思っていました。しかし政治的青春を知ることで、政治家の方が作家よりも絶望していることを知りました。これはわたしの人生においては衝撃的な事件でした。
わたしの学生時代といえば、キャンパスに立て看が溢れ、どの党派かがアジテーションをやっており、連日のようにデモが繰り出される、といった時代でした。それも日共系のデモと反日共系のデモとが別々に繰り出され、他大学のデモもあるという具合で、街はシュプレヒコールでにぎやかだったのです。
時代もメディアも今のように腐っていませんでした。体験からいえば、左翼的なものと、知的なものとは、同時に退潮するようです。
右翼的な世界がいかに知的なものに無縁であるかは、石原慎太郎や日本維新の会が、主張に<共同幻想>なる吉本隆明のキーワードを使っていることにも表れています。表現する言葉を持たないのです。
これは安倍晋三や自民党が<階級>なる言葉を自己主張として使うのと同じです。無理ですよね。慎太郎は吉本隆明をまともに読んでいないのです。
政治家は作家よりも絶望している。これは政治家の方が作家よりも状況をよくつかんでいる、と同義です。
例えば対米隷属の絶望から、2種類の政治家が生まれてくる。 ひとつは自分の栄達のためにその状況をうまく活かす政治家です。自民党や民主党のA級戦犯たちは、ほとんどこのタイプの政治家です。新自由主義とかいっていますが、根底にあるのはうまくやろうということです。
この亜流として、絶望とは無縁の、ただ職業選択のひとつとして、気楽に政治家になったような人も出てきました。風が吹いたときはこういう、にわか政治家が大量に生まれます。いわば政治家のB層なのですが、まったく勉強もせず、国会議員になってもほとんど政治の話もしないタイプです。
もうひとつのタイプは対米隷属の絶望から、対米自立の国家へ、この国の仕組みを根本から立て直そうとするタイプです。この生き方は自己犠牲を伴うので、少数派です。わたしが、作家よりも絶望している政治家、といったのはこのタイプです。
したがって既得権益支配層は、このタイプを袋叩きにします。わたしたち国民にできることは、そのような政党・政治家を支援することです。国民まで諦めて、長いものに巻かれてしまったら、ひどすぎますよね。
メディアは自・公の圧勝を伝えて、浮動層の棄権を誘導しています。最近は、投票率の低さを予想する新たな戦術も駆使してきました。 「皆が投票しない、それるならわたしも」といった劣情を組織しているのです。
投票には必ずいきましょう。わたしたちよりも絶望し、そこから反転して希望ににじり寄っている政治家を国会に送るために。
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さすが兵頭さん。 いつものコメントはカミソリだったけど、
今日の長文はまるで日本刀のようだ(❍ʻ◡ʻ❍)
今日は、参議院選挙の真っ最中ですので、政治の話をします。
それも他の人とは違った角度から。
皆さんは、政治家と小説家とを比べて、どちらが世の中に絶望していると思いますか。
わたしは学生時代に、小説家の方がはるかに政治家よりも絶望していると思っていました。しかし政治的青春を知ることで、政治家の方が作家よりも絶望していることを知りました。これはわたしの人生においては衝撃的な事件でした。
わたしの学生時代といえば、キャンパスに立て看が溢れ、どの党派かがアジテーションをやっており、連日のようにデモが繰り出される、といった時代でした。それも日共系のデモと反日共系のデモとが別々に繰り出され、他大学のデモもあるという具合で、街はシュプレヒコールでにぎやかだったのです。
時代もメディアも今のように腐っていませんでした。体験からいえば、左翼的なものと、知的なものとは、同時に退潮するようです。
右翼的な世界がいかに知的なものに無縁であるかは、石原慎太郎や日本維新の会が、主張に<共同幻想>なる吉本隆明のキーワードを使っていることにも表れています。表現する言葉を持たないのです。
これは安倍晋三や自民党が<階級>なる言葉を自己主張として使うのと同じです。無理ですよね。慎太郎は吉本隆明をまともに読んでいないのです。
政治家は作家よりも絶望している。これは政治家の方が作家よりも状況をよくつかんでいる、と同義です。
例えば対米隷属の絶望から、2種類の政治家が生まれてくる。 ひとつは自分の栄達のためにその状況をうまく活かす政治家です。自民党や民主党のA級戦犯たちは、ほとんどこのタイプの政治家です。新自由主義とかいっていますが、根底にあるのはうまくやろうということです。
この亜流として、絶望とは無縁の、ただ職業選択のひとつとして、気楽に政治家になったような人も出てきました。風が吹いたときはこういう、にわか政治家が大量に生まれます。いわば政治家のB層なのですが、まったく勉強もせず、国会議員になってもほとんど政治の話もしないタイプです。
もうひとつのタイプは対米隷属の絶望から、対米自立の国家へ、この国の仕組みを根本から立て直そうとするタイプです。この生き方は自己犠牲を伴うので、少数派です。わたしが、作家よりも絶望している政治家、といったのはこのタイプです。
したがって既得権益支配層は、このタイプを袋叩きにします。わたしたち国民にできることは、そのような政党・政治家を支援することです。国民まで諦めて、長いものに巻かれてしまったら、ひどすぎますよね。
メディアは自・公の圧勝を伝えて、浮動層の棄権を誘導しています。最近は、投票率の低さを予想する新たな戦術も駆使してきました。 「皆が投票しない、それるならわたしも」といった劣情を組織しているのです。
投票には必ずいきましょう。わたしたちよりも絶望し、そこから反転して希望ににじり寄っている政治家を国会に送るために。
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さすが兵頭さん。 いつものコメントはカミソリだったけど、
今日の長文はまるで日本刀のようだ(❍ʻ◡ʻ❍)