「アガサ・クリスティ」の冒険ミステリー『NかMか(原題:N or M?)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びた「トミー」は、妻の「タペンス」には内緒で任地へと赴いた。
だが、「タペンス」とて一筋縄でいく女ではない。
騙されたふりをして先回り。
かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに…スリル満点の冒険ミステリ。
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1941年に発表された「トミー」と「タペンス」シリーズの3作目となる作品、、、
『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』を読んで、「ボビイ」と「フランキー」のコンビが素人探偵として活躍する姿が、おしどり探偵コンビ「トミー」と「タペンス」の姿と重なり、久しぶりに「トミー」と「タペンス」シリーズを読みたくなり、本書を選びました。
「トミー」と「タペンス」シリーズは、5年前に読んだ『親指のうずき』以来ですね。
ナチスドイツの脅威が強く感じられる時代、国のために役立ちたいと考えて「トミー」と「タペンス」のところに軍需相に勤めているという「グラント氏」が訪ねてくる、、、
「タペンス」が外出したタイミングで、「グラント氏」は「トミー」に対し、「タペンス」にも極秘にという条件付きで、ナチスドイツの大物スパイ(男女二人)とされる“NとM”の正体を突き止めるるための任務を言い渡す… ところが、「タペンス」は外出したふりをして、そのことを聞いており、変名の「ブレンキンソップ」を名乗り、「トミー」の任地である下宿屋「無憂荘」に先回りしていた。
「トミー」は驚くが、すぐに二人で協力して任務を遂行することにして、夫婦であることを悟られぬよう、それぞれ「男漁りをする未亡人」と「その餌食となるかわいそうな男」を演じることとにした、、、
いやぁ、巧い… 序盤から物語に引き込まれる展開でしたね。
二人は「無憂荘」の女主人とその娘、個性的な宿泊客一人ひとりの動向を探り、あの手この手で容疑者を探し出そうとしますが、なかなかスパイをみつけ当てることができません、、、
そんな中、「タペンス(ブレンキンソップ)」の手紙(軍の秘密が書かれている息子からの手紙という罠なんですが…)が部屋に忍び込んだ何者かに見られたり、「シーラ・ペレナ」と懇意にしていたドイツからの亡命者「カール・フォン・ダイニム」が逮捕されたり、「無憂荘」の周辺に謎の外国人女性が現れ、その女性が「スプロット夫人」の娘「ベティ」を誘拐し、大掛かりな捜索劇の末に「スプロット夫人」が誘拐犯を殺害(銃殺)したり… と複数の事件が起こり、そして「トミー」が偶然から「密輸団の巣窟」に住む「ヘイドック」の悪事を知ってしまい軟禁されてしまいます。
このあたりの中盤から終盤にかけては、どんどん先を読みたくなるようなスリリングな展開、、、
「トミー」が行方不明となり心配しつつも「タペンス」は新たな任務として、ナチスドイツの女スパイに成りすまし、スパイのアジトに乗り込むが、そこには「タペンス」の変装を見抜いた「ヘイドック」が待ち受けていました… そこから、クライマックスへの怒涛の展開は面白かったですねぇ。
もしや… とは思っていましたが、「無憂荘」の宿泊客のうち、最もスパイらしくない女性が大悪人でしたね、、、
狙撃の腕や子どもを連れてカモフラージュしているところが怪しかったんだよなぁ。
中年夫婦「トミー」と「タペンス」の冒険劇… それを全く知らず、二人が退屈な生活を送っていると信じ込んでいる、双子の息子と娘も可愛いもんですね。
『親指のうずき』と同様に、、、
「タペンス」直観力と行動力には本当に脱帽し、「アルバート」が目立たないところでイイ味を出していたのが印象に残りました。
以下、主な登場人物です。
「トミー・ベレズフォード」
主人公である探偵会社の経営者。
変名で「無憂荘」に来ていた。
「タペンス・ベレズフォード」
トミーの妻で、変名で「無憂荘」に来ていた。
子どもたちにはおばのグレーシーの家に訪れていると知らせたが…。
「デリク・べレズフォード」
トミーとタペンスの息子。
「デボラ・ベレズフォード」
デリクの双子の妹。
「アルバート」
パブの主人
≪「無憂荘」の関係者≫
「ペレナ夫人」
「無憂荘」の女主人。
「シーラ・ペレナ」
ペレナ夫人の娘。
「カール・フォン・ダイニム」
ドイツからの亡命者である英国の科学研究所の職員で、「無憂荘」の客。
「スプロット夫人」
「無憂荘」の客。
「ベティ・スプロット」
スプロット夫人の娘である幼女で、タペンスになついている。
また、マザー・グースの絵本が大好きでその中でも「があがあがちょうさん(英語版)」がお気に入り。
「オルーアク夫人」
「無憂荘」の客。小山のようと喩えられる大柄な老婦人。
「ケイリー夫妻」
「無憂荘」の客。
「ヘイドック」
海軍中佐。
「ブレッチリー少佐」
「無憂荘」の客。
「ブレンキンソップ婦人」
「無憂荘」の客。タペンスの変名。
その他、リーハンプトンの住民など複数の人間が登場する。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びた「トミー」は、妻の「タペンス」には内緒で任地へと赴いた。
だが、「タペンス」とて一筋縄でいく女ではない。
騙されたふりをして先回り。
かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに…スリル満点の冒険ミステリ。
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1941年に発表された「トミー」と「タペンス」シリーズの3作目となる作品、、、
『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』を読んで、「ボビイ」と「フランキー」のコンビが素人探偵として活躍する姿が、おしどり探偵コンビ「トミー」と「タペンス」の姿と重なり、久しぶりに「トミー」と「タペンス」シリーズを読みたくなり、本書を選びました。
「トミー」と「タペンス」シリーズは、5年前に読んだ『親指のうずき』以来ですね。
ナチスドイツの脅威が強く感じられる時代、国のために役立ちたいと考えて「トミー」と「タペンス」のところに軍需相に勤めているという「グラント氏」が訪ねてくる、、、
「タペンス」が外出したタイミングで、「グラント氏」は「トミー」に対し、「タペンス」にも極秘にという条件付きで、ナチスドイツの大物スパイ(男女二人)とされる“NとM”の正体を突き止めるるための任務を言い渡す… ところが、「タペンス」は外出したふりをして、そのことを聞いており、変名の「ブレンキンソップ」を名乗り、「トミー」の任地である下宿屋「無憂荘」に先回りしていた。
「トミー」は驚くが、すぐに二人で協力して任務を遂行することにして、夫婦であることを悟られぬよう、それぞれ「男漁りをする未亡人」と「その餌食となるかわいそうな男」を演じることとにした、、、
いやぁ、巧い… 序盤から物語に引き込まれる展開でしたね。
二人は「無憂荘」の女主人とその娘、個性的な宿泊客一人ひとりの動向を探り、あの手この手で容疑者を探し出そうとしますが、なかなかスパイをみつけ当てることができません、、、
そんな中、「タペンス(ブレンキンソップ)」の手紙(軍の秘密が書かれている息子からの手紙という罠なんですが…)が部屋に忍び込んだ何者かに見られたり、「シーラ・ペレナ」と懇意にしていたドイツからの亡命者「カール・フォン・ダイニム」が逮捕されたり、「無憂荘」の周辺に謎の外国人女性が現れ、その女性が「スプロット夫人」の娘「ベティ」を誘拐し、大掛かりな捜索劇の末に「スプロット夫人」が誘拐犯を殺害(銃殺)したり… と複数の事件が起こり、そして「トミー」が偶然から「密輸団の巣窟」に住む「ヘイドック」の悪事を知ってしまい軟禁されてしまいます。
このあたりの中盤から終盤にかけては、どんどん先を読みたくなるようなスリリングな展開、、、
「トミー」が行方不明となり心配しつつも「タペンス」は新たな任務として、ナチスドイツの女スパイに成りすまし、スパイのアジトに乗り込むが、そこには「タペンス」の変装を見抜いた「ヘイドック」が待ち受けていました… そこから、クライマックスへの怒涛の展開は面白かったですねぇ。
もしや… とは思っていましたが、「無憂荘」の宿泊客のうち、最もスパイらしくない女性が大悪人でしたね、、、
狙撃の腕や子どもを連れてカモフラージュしているところが怪しかったんだよなぁ。
中年夫婦「トミー」と「タペンス」の冒険劇… それを全く知らず、二人が退屈な生活を送っていると信じ込んでいる、双子の息子と娘も可愛いもんですね。
『親指のうずき』と同様に、、、
「タペンス」直観力と行動力には本当に脱帽し、「アルバート」が目立たないところでイイ味を出していたのが印象に残りました。
以下、主な登場人物です。
「トミー・ベレズフォード」
主人公である探偵会社の経営者。
変名で「無憂荘」に来ていた。
「タペンス・ベレズフォード」
トミーの妻で、変名で「無憂荘」に来ていた。
子どもたちにはおばのグレーシーの家に訪れていると知らせたが…。
「デリク・べレズフォード」
トミーとタペンスの息子。
「デボラ・ベレズフォード」
デリクの双子の妹。
「アルバート」
パブの主人
≪「無憂荘」の関係者≫
「ペレナ夫人」
「無憂荘」の女主人。
「シーラ・ペレナ」
ペレナ夫人の娘。
「カール・フォン・ダイニム」
ドイツからの亡命者である英国の科学研究所の職員で、「無憂荘」の客。
「スプロット夫人」
「無憂荘」の客。
「ベティ・スプロット」
スプロット夫人の娘である幼女で、タペンスになついている。
また、マザー・グースの絵本が大好きでその中でも「があがあがちょうさん(英語版)」がお気に入り。
「オルーアク夫人」
「無憂荘」の客。小山のようと喩えられる大柄な老婦人。
「ケイリー夫妻」
「無憂荘」の客。
「ヘイドック」
海軍中佐。
「ブレッチリー少佐」
「無憂荘」の客。
「ブレンキンソップ婦人」
「無憂荘」の客。タペンスの変名。
その他、リーハンプトンの住民など複数の人間が登場する。
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