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『朱色の研究』 有栖川有栖

2021年04月30日 22時12分00秒 | ■読書
「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『朱色の研究』を読みました。


虹果て村の秘密孤島パズルに続き「有栖川有栖」の作品です。

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過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する依頼者が推理作家「有栖川」と犯罪社会学者「火村」を訪れた

“2年前の未解決殺人事件を再調査してほしい”臨床犯罪学者「火村英生」が、過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子「貴島朱美」から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった――。
さっそく「火村」は友人で推理作家の「有栖川有栖」とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、「火村」宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った……。
現代の「ホームズ」「ワトソン」が解き明かす本格ミステリの金字塔。
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探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの長篇5作目にあたる作品… 名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズ第1弾『緋色の研究(原題: A Study in Scarlet)』を意識したタイトルのようですね。

 ■プロローグ――夕景
 ■第一章 幽霊マンション
 ■第二章 疑惑の男
 ■第三章 二つの灯
 ■第四章 枯木灘を望む家
 ■第五章 朱色の悪夢
 ■終章 遠い太陽
 ■エピローグ――落日
 ■あとがき
 ■文庫版あとがき
 ■解説 朱色の研究者たちあるいは『本格推理の悲しみ』について 飛鳥部勝則


臨床犯罪学者「火村英生」は教え子の「貴島朱美」から、2年前の未解決殺人事件について捜査依頼を受けた… 2年前の6月末、被害者である「大野夕雨子」は周参見の別荘近くの浜辺で、後頭部を鈍器で殴殺された状態で発見された、、、

被害者と恋人関係にあった「山内陽平」が疑われたが、物的証拠がない上に、アリバイが成立したことで迷宮入り… 遺体の背後にある高さ5メートルの崖から、大きな石が落とされていた点も捜査を難航させたという。

依頼を受けた「火村」は、当時の事件関係者に事情を聴取しに向かった… その足で友人である推理作家「有栖川有栖」を訪ねた「火村」、、、

翌朝、「アリス」の元へ不審な電話が入る… 「今すぐにオランジェ夕陽丘の806号室に行け、と火村先生に伝えてくれればいい。そうだ、あなたも一緒に行ってもらおう」、、、

そのマンションは前日、「火村」が事情聴取のために訪れた建物である… 訝しがりながらも指定された806号室へ向かった二人は、浴室で絞殺された男性の遺体を発見する。

被害者は2年前の「大野夕雨子」殺しの関係者「山内陽平」だった… 6年前の深夜の放火(殺人?)、2年前の「大野夕雨子」殺し、そして今回の「山内陽平」殺し、、、

3件の事件の真相を、「火村」「アリス」は紐解いていく……。


それぞれの動機と犯人… 3件の事件がパズルのピースを嵌めるように繋がっていく終盤は一気読みでしたね、、、

事件に至る男女の思惑の微妙なズレは、現実世界でもありそうですね… 2年前の「大野夕雨子」殺しの殺害時間を特定する推理、「山内陽平」殺しのトリックよりも、その目的を明らかにする推理、これが冴えていましたね。

本シリーズは、「有栖川」「火村」二人のコンビが、丁寧に事件を解決してくれるので、わかりやすくて愉しみやすいですね。



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