「伊坂幸太郎」のエンターテインメント作品『SOSの猿』を読みました。
「伊坂幸太郎」作品は昨年4月に読んだ『あるキング』以来ですね。
-----story-------------
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?
面白くて考えさせられる、「伊坂」エンターテインメントの集大成。
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「遠藤二郎」の悪魔祓いの話である「私の話」と、「五十嵐真」の株誤発注事件調査の話である「猿の話」が交互に語られる形で進んでいく展開… 本作品は漫画家「五十嵐大介」と「伊坂幸太郎」の競作企画によって誕生したらしく、『エクソシスト』と『西遊記』をかけあわせるという「五十嵐大介」のアイデアをもとに、「五十嵐大介」が『SARU』を、「伊坂幸太郎」が『SOSの猿』をそれぞれ執筆したらしいです、、、
現実と空想、現在と未来が入り混じったような独特の「伊坂ワールド」と呼ばれる雰囲気が満載で、ちょっと理解し難い部分もありましたが、ある意味「伊坂幸太郎」作品らしい魅力のある作品でしたね。
他人の「SOS」を見過ごせない性格の「遠藤二郎」は、家電量販店に勤めつつ、イタリアで修業した「エクソシスト(悪魔秡い)」を副業としていた… その噂を聞きつけた知り合いの「辺見のお姉さん」に、彼女のひきこもりの息子「眞人」の悪魔祓いを依頼される、、、
そして訪問した「辺見家」の「眞人」の部屋で『西遊記』の本を見つける… 一方、桑原システムに勤める「五十嵐真」は、取引先である菩薩証券の20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事件の原因が、自社の納入したシステムにあるのかの調査をしていた。
菩薩証券は、ミスの原因をシステムのせいにしたがっているという… 聞き取り調査を始めた「五十嵐」は、なぜか奇怪な幻想に翻弄されていく、、、
「眞人」の部屋で『西遊記』を発見する「遠藤」… そして「五十嵐」の前には異形の猿が… これは現実か妄想か、、、
二つの物語のゆくえはいかに… 全く無関係と思える「私の話」と「猿の話」が徐々に絡み合い、ひとつの物語に収斂して行く展開は「伊坂幸太郎」作品では伊坂作品でお馴染の構成でしたね。
でも… 結果には必ず原因があるので、ある程度、将来を予見することはできるいえ、「眞人」が半年先のことを都合良く予見する等、非現実的な展開があったり、最後まで解決されない謎が残る等、やや戸惑いを感じる面がありましたね、、、
まっ… その辺りの不可思議さや、奇妙さの残る読後感、読み手の解釈に委ねられる部分が残されているところ等も、「伊坂幸太郎」作品の魅力なんでしょうね。
以下、主な登場人物です。
「遠藤二郎」
「私の話」における主人公。
困っている人を見ると、どうにかしてあげなければという強い使命を感じる一方で、何もできない自分への無力感に苛まれている。
家電量販店で働く傍ら、イタリア留学時代に偶然習得した悪魔祓いの技術で人助けをしていた。
その噂を聞きつけた辺見のお姉さんに、その息子・眞人についての相談を受ける。
「五十嵐真」
「猿の話」における主人公。桑原システムで品質管理の仕事をしている。
菩薩証券の株の誤発注事件の調査をしていくうちに、『西遊記』に登場する妖怪の幻覚を見るようになる。
生真面目で融通の利かない性格。妻とは離婚している。
「辺見のお姉さん」
二郎とは同町の出身で、二郎が中学生のころに結婚して町を出て行った。
二郎が訪問カウンセラーをしていると勘違いし、息子の眞人のひきこもりについて相談する。
母親が二郎の母と仲がいい。
「眞人」
辺見のお姉さんの息子。
専門学校に進学するもひきこもりになり、半年前ほどからは本格的に閉じこもってしまった。
「ロレンツォ」
二郎のイタリア留学時代の隣人。
二郎の性格を見抜き、悪魔祓いの神父を紹介する。
「金子」
眞人が通っていたコンビニの店長。雁子の率いる合唱団の一員。
角刈りに近い短髪に彫りの深い顔、がっしりした体格だが、雁子曰く天使の歌声の持ち主。
「雁子」
金子が経営するコンビニの駐車場で、ゲリラ合唱をしている女性。
二郎を「二郎真君」と呼ぶ。
「田中徹」
菩薩証券の社員で、株の誤発注事件を起こした張本人。
うっかりミスをするために生まれてきたような性格。
「伊坂幸太郎」作品は昨年4月に読んだ『あるキング』以来ですね。
-----story-------------
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?
面白くて考えさせられる、「伊坂」エンターテインメントの集大成。
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「遠藤二郎」の悪魔祓いの話である「私の話」と、「五十嵐真」の株誤発注事件調査の話である「猿の話」が交互に語られる形で進んでいく展開… 本作品は漫画家「五十嵐大介」と「伊坂幸太郎」の競作企画によって誕生したらしく、『エクソシスト』と『西遊記』をかけあわせるという「五十嵐大介」のアイデアをもとに、「五十嵐大介」が『SARU』を、「伊坂幸太郎」が『SOSの猿』をそれぞれ執筆したらしいです、、、
現実と空想、現在と未来が入り混じったような独特の「伊坂ワールド」と呼ばれる雰囲気が満載で、ちょっと理解し難い部分もありましたが、ある意味「伊坂幸太郎」作品らしい魅力のある作品でしたね。
他人の「SOS」を見過ごせない性格の「遠藤二郎」は、家電量販店に勤めつつ、イタリアで修業した「エクソシスト(悪魔秡い)」を副業としていた… その噂を聞きつけた知り合いの「辺見のお姉さん」に、彼女のひきこもりの息子「眞人」の悪魔祓いを依頼される、、、
そして訪問した「辺見家」の「眞人」の部屋で『西遊記』の本を見つける… 一方、桑原システムに勤める「五十嵐真」は、取引先である菩薩証券の20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事件の原因が、自社の納入したシステムにあるのかの調査をしていた。
菩薩証券は、ミスの原因をシステムのせいにしたがっているという… 聞き取り調査を始めた「五十嵐」は、なぜか奇怪な幻想に翻弄されていく、、、
「眞人」の部屋で『西遊記』を発見する「遠藤」… そして「五十嵐」の前には異形の猿が… これは現実か妄想か、、、
二つの物語のゆくえはいかに… 全く無関係と思える「私の話」と「猿の話」が徐々に絡み合い、ひとつの物語に収斂して行く展開は「伊坂幸太郎」作品では伊坂作品でお馴染の構成でしたね。
でも… 結果には必ず原因があるので、ある程度、将来を予見することはできるいえ、「眞人」が半年先のことを都合良く予見する等、非現実的な展開があったり、最後まで解決されない謎が残る等、やや戸惑いを感じる面がありましたね、、、
まっ… その辺りの不可思議さや、奇妙さの残る読後感、読み手の解釈に委ねられる部分が残されているところ等も、「伊坂幸太郎」作品の魅力なんでしょうね。
以下、主な登場人物です。
「遠藤二郎」
「私の話」における主人公。
困っている人を見ると、どうにかしてあげなければという強い使命を感じる一方で、何もできない自分への無力感に苛まれている。
家電量販店で働く傍ら、イタリア留学時代に偶然習得した悪魔祓いの技術で人助けをしていた。
その噂を聞きつけた辺見のお姉さんに、その息子・眞人についての相談を受ける。
「五十嵐真」
「猿の話」における主人公。桑原システムで品質管理の仕事をしている。
菩薩証券の株の誤発注事件の調査をしていくうちに、『西遊記』に登場する妖怪の幻覚を見るようになる。
生真面目で融通の利かない性格。妻とは離婚している。
「辺見のお姉さん」
二郎とは同町の出身で、二郎が中学生のころに結婚して町を出て行った。
二郎が訪問カウンセラーをしていると勘違いし、息子の眞人のひきこもりについて相談する。
母親が二郎の母と仲がいい。
「眞人」
辺見のお姉さんの息子。
専門学校に進学するもひきこもりになり、半年前ほどからは本格的に閉じこもってしまった。
「ロレンツォ」
二郎のイタリア留学時代の隣人。
二郎の性格を見抜き、悪魔祓いの神父を紹介する。
「金子」
眞人が通っていたコンビニの店長。雁子の率いる合唱団の一員。
角刈りに近い短髪に彫りの深い顔、がっしりした体格だが、雁子曰く天使の歌声の持ち主。
「雁子」
金子が経営するコンビニの駐車場で、ゲリラ合唱をしている女性。
二郎を「二郎真君」と呼ぶ。
「田中徹」
菩薩証券の社員で、株の誤発注事件を起こした張本人。
うっかりミスをするために生まれてきたような性格。
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