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『きまぐれ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ』 都筑道夫

2021年08月25日 22時14分00秒 | ■読書
「都筑道夫」の連作時代小説『きまぐれ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ』を読みました。


からくり砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎに続き、「都筑道夫」の作品です。

-----story-------------
江戸は神田橋本町・なめくじ長屋に住む砂絵かきの「センセー」のもうひとつの特技。
それは長屋の大道芸人たちを手足に、鋭い推理で難事件を見事に解決、礼金をせしめること。
その「センセー」が、花見の席で人殺しの下手人に。
大変だ。時代小説と推理小説の醍醐味を同時に堪能できる人気シリーズ、待望の第六弾は全篇落語仕立て。
以後、続々と刊行予定。
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神田の貧乏長屋に巣食う、砂絵師の「センセー」とおかしな仲間たちが、江戸市中で起きた怪事件の謎を解く人気の捕物帳「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズ… 1980年(昭和55年)に刊行された第5作にあたる作品です。

 ■第一席●長屋の花見
 ■第二席●舟徳
 ■第三席●高田の馬場
 ■第四席●野ざらし
 ■第五席●擬宝珠
 ■第六席●夢金
 ■あとがき


落語に材をとった作品で構成されていて、発売当初は『なめくじ長屋とりもの落語』という副題だったようですね… 収録されている6篇が、春、夏、お盆、秋、師走、冬――と江戸の四季、行事の移ろいにぴたりと合せてあるところも作者の拘りのようですね。

飛鳥山へ貧乏花見に繰り出したなめくじ長屋の面々… 水で薄めた酒も底を尽いた頃、花見の趣向でとある一家の酒樽の中身をこっそり水に変えるという、願ってもない儲け話が持ち込まれ、「センセー」が一計を案じてすり替えは成功したものの、、酒樽の水を飲んだ一家が毒死するという事件を描いた『長屋の花見』

勘当されて舟宿で船頭の修行をしている若旦那が、悪戯心でおかみさんに麦藁の蛇を差し出したところ、大の蛇嫌いだったおかみさんは驚いて堀に転げ落ち、熱を出して寝込んだ挙げ句に死んでしまい、その死に様が、蝮の毒にやられたものにそっくりだったという事件を描いた『舟徳』

姉と弟の蝦蟇の油売りに、背中の古傷を見せた老侍… 実はその老侍、姉弟が探し求める親の仇だったことから、翌日高田の馬場で仇討ちが行われることになるが、見物人で大賑わいの高田の馬場にはどちらも現れず――そして老侍は別の場所で殺され、その後、姉と弟も長屋で殺されるという事件を描いた『高田の馬場』

あちらこちらの擬宝珠(ぎぼし)を舐めるという、妙な道楽を持つ若旦那… 浅草寺の五重塔の擬宝珠を舐めたくてたまらなくなり、二百両もの金をかけて五重塔の天辺まで足場を組ませ、願いをかなえたのだが――その若旦那が、橋の上で商売物の鍋をかぶった奇妙な死体となって発見されるという事件を描いた『擬宝珠』

等々、本作もトリッキーなプロットに興味を惹かれましたね… 最初の3篇『長屋の花見』『舟徳』『高田の馬場』が面白かったかな、、、

読みながら、本シリーズの面白さが徐々に感じられるようになったかな… 本シリーズ、あと1冊か買っているので、続けて読んでみようと思います。



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