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『メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス』 加藤実秋

2021年06月21日 21時35分00秒 | ■読書
「加藤実秋」の連作ミステリ小説『メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス』を読みました。


ここのところ国内ミステリ作品が続いています。

-----story-------------
その事件、俺たちに解決させろ! 連作ミステリ!
柳町北署の新人刑事「牧野ひより」は、念願かなって刑事になったものの、仕事はお茶汲みやコピー取りばかり。

そんなある日、所轄内で殺人がネットで生中継されるという事件が発生。
どうやら四年前に起きた事件の模倣犯らしい。
ひよりは上司の刑事から、四年前の事件を担当していた元刑事「夏目惣一郎」の話を聞いてこいと命じられる。

メモの住所を頼りに辿り着いたのは、蔦で覆われた大きな三角屋根の古びた洋館だった。
その門前で掃き掃除をする「惣一郎」に声をかけるが、「惣一郎」「断る」の一点張り。
すると謎の老人が現れ、「まあお入り。ちょうどお茶の時間だ」と告げて洋館に「ひより」を招き入れた。
そこはなんと、退職刑事専用のシェアハウス<メゾン・ド・ポリス>だった!

元熱血刑事、元科学捜査のプロ、元警視庁幹部、元事務員。

老眼、腰痛、高血圧だが、腕は一流のくせ者おじさんたちと事件を追うと、思いもよらぬ真相に辿り着き――。
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角川書店発行の小説誌『小説屋Sari-sari』に掲載された2作品に、書き下ろしの3作品を加えて文庫化された作品… 2019年(平成31年)1月から3月にTBSテレビ系で「高畑充希」主演でテレビドラマ化された際、愉しく観ていたので原作を読んでみたくなったんですよね、、、


「西島秀俊」「小日向文世」「野口五郎」「角野卓造」「近藤正臣」等、脇を固める退職刑事役のキャスティングもなかなか良くて、印象に残るドラマでしたからね… 期待して読みました。


 ■第一話 新人女子刑事vs.くせ者おじさん軍団
 ■第二話 犯罪ウィルス!? 連続暴行事件の謎
 ■第三話 科学捜査が迫る 密室OL自殺の真相
 ■第四話 ペンキ事件と犯行声明文の秘密
 ■第五話 重なり合う過去 さらばおじさん軍団!?


柳町北署の新人刑事である「牧野ひより」は、念願叶って刑事課に配属されて2年目でやる気に満ちていた… そんなある日、動画配信サイトに人が焼かれる映像が投稿されるという事件が発生する、、、

5年前の殺人事件とやり方が似ており、模倣犯と睨んだ捜査本部は捜査を開始する… そんな中、「ひより」は5年前の殺人事件を担当していた元刑事である「夏目惣一郎」がいるという高級住宅街にある古びた洋館を訪れる。

この洋館には館のオーナーであり元警察庁のキャリアの「伊達有嗣」、現場主義の元所轄刑事である「迫田保」、元科学捜査のプロである「藤堂雅人」、管理人として家事全般を請け負う元警務課事務員である「高平厚彦」、そして「高平」の下で雑用係を担う「夏目」の5名が暮らしている… ここは退職した警察関係者のみが暮らすシェアハウスだったのである、、、

「夏目」に5年前の殺人事件のことを聞きに来た「ひより」ではあったが、当の「夏目」は頑なに口を開くことを拒み、元科学捜査のプロである「藤堂」や現場主義の元刑事である「迫田」のペースで話が進んでいく… 既に一線を退いて久しい、謂わば一般の方々が物騒な事件に首を突っ込むことに「ひより」は大いに慌てるが、「伊達」「上にはひと声掛けておきましょう」という謎の言葉と共に話はトントン拍子に進んでいってしまう。

こうして、新人刑事「ひより」と退職した元警察関係者たちとの何とも不思議な捜査会議が始まる… 退職したとはいえ、捜査の腕は超一流の「おじさま」たちに導かれ、「ひより」は事件を追っていくことになる、、、

失踪した「ひより」の父の謎、おじさんたちの過去も徐々に明らかになり……。


動画配信サイトにより中継された焼殺事件、ウィルスのように連鎖的に広がるバットでの暴行事件、OLの密室自殺(殺人)事件、黒いペンキを公共施設の看板に浴びせかける事件… それらの事件を解決しながら「ひより」の父親の失踪や「夏目」が刑事を辞めるきっかけとなった公共事業に絡む収賄事件の真相究明にも携わることに、、、

ドラマを観ていたので登場人物の特性が掴みやすかったし、読みやすい文体だったので、サクッと読めちゃいましたね… 面白かった! 第6作まで刊行されているようなので、機会があれば続きを読んでみたいですね。



以下、主な登場人物です。

「牧野ひより(まきの ひより)」
 柳町北署の刑事課に配属されて2年目の新人女性刑事。
 シェアハウス「メゾン・ド・ポリス」の面々には「ひよこ」と呼ばれている。

「夏目惣一郎(なつめ そういちろう)」
 5年前の殺人事件を担当していた元警視庁捜査一課の刑事。
 シェアハウス「メゾン・ド・ポリス」では使用人を任されている。

「高平厚彦(たかひら あつひこ)」
 元警務課事務員。
 シェアハウス「メゾン・ド・ポリス」では管理人を務めており、家事全般を担当している。

「迫田保(さこた たもつ)」
 現場主義を貫いてきた元所轄の刑事。
 熱血漢であるが、定年退職と同時に妻から離婚を迫られている。

「藤堂雅人(とうどう まさと)」
 元科学捜査研究所勤務の博士。
 白衣がトレードマークだが、時折ひよりにキザな口調で近寄ってくる。

「伊達有嗣(だて ありつぐ)」
 元警察庁のキャリアで、シェアハウス「メゾン・ド・ポリス」の管理人兼オーナー。
 白髪と笑顔が似合う好々爺。






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