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『白い悲鳴』 笹沢左保

2024年12月09日 22時37分30秒 | ■読書
笹沢左保の短篇ミステリ作品集『白い悲鳴』を読みました。
笹沢左保の作品は3年近く前に読んだ『お不動さん絹蔵捕物帖』以来ですね。

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陸進不動産の金庫から七百万円が忽然と消えた。
責任を問われ、経理課の酒巻伸次と御木本平吉が解雇される。
金を盗むことができたのは、酒巻含め経理課の六人のみ。
納得いかない酒巻は真犯人を突き止めるべく、巧妙な罠を仕掛けるが―(「白い悲鳴」)。

事件の陰に潜む哀しい人間模様を描いた四篇を収録。
殺人、愛憎、裏切り、復讐…意表を突くどんでん返しのミステリー集。
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2019年(平成31年)に刊行された作品です。

 ■白い悲鳴
 ■落日に吼える
 ■倦怠の海
 ■拒絶の影

昭和の香りが強く感じられる4篇でした……懐かしいサスペンスドラマの雰囲気が漂っていましたね、、、

先が読めない展開で愉しめ印象的だったのは、

未亡人である中塚千秋の住む杉並区下井草のアパートの近所で発生した通り魔的な殺人事件、犯人らしき男が千秋の住むアパートにベランダから侵入後、部屋を抜けて逃走……やがて彼女は休暇先の葉山で、その犯人らしい男・宮武友一郎と再会し、疑心暗鬼になりながらも関係を持ってしまう『倦怠の海』、

オープンしたばかりの京都のホテルで、日本のホテル王と呼ばれる経営者・久保田万造の娘・理江子がボーイフレンドの谷本富士男と喧嘩しして屋上から突き落とし、運悪く下にいた女性をも巻き込んでしまう事件が発生……経営者は関係者の口を封じようと買収するが、目撃者だった宿泊客・宇田川丈二だけはどうしても金を受け取らず、万造は宇田川の真意を測りかね疑心暗鬼に陥っていく『拒絶の影』、

の2作品かな。

あと、会社の金庫から現金700万円が盗まれた事件で、責任を問われ解雇となった経理部の酒巻伸次が真犯人を捕まえるための罠を仕掛ける表題作の『白い悲鳴』と、

大東商事ミュンヘン支店駐在員・戸部秋彦が、自殺したと思われる兄・公平の死の真相を探る『落日に吼える』の2作品は、まずまずだったかな、、、

ミステリとしては弱さを感じるものの……男女の痴情の縺れを絡めた、濡れ場が必須の昭和のサスペンス、大衆雑誌的なノリが許容できれば、それなりに愉しめると覆います。

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