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『忍び寄る牙』 ロバート・B・パーカー(著), 菊池光 (翻訳)

2018年11月07日 21時49分00秒 | ■読書
アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『忍び寄る牙(原題:Trouble in Paradise)』を読みました。


「ロバート・B・パーカー」作品は、今年の6月に読んだ春嵐以来ですね。

-----story-------------
刑務所を出たプロの犯罪者「マクリン」は、塀の中で面白い話を聞き込んでいた。
パラダイス港に浮かぶ小島、スタイルズ島のことだ。
島には金持ちの高級住宅と銀行があり、一本の橋で本土とつながっている。
警備は民間の警備会社のみ。
この島を襲い、すべての金品を丸ごと強奪してやろうというのだ。
自信満々の「マクリン」は恋人の「フェイ」に、こう言い放った。
「世紀の強盗になるぞ」着々と準備を進める「マクリン」は、資金を調達し、凄腕の仲間を揃える。
殺し屋の「クロウ」、爆破屋の「フラン」、エレクトロニクスの専門家「JD」、水路に詳しい船主の「コスタ」
町へ下見に来た「マクリン」はパラダイス警察の署長「ジェッシイ・ストーン」を訪れる。
たかが田舎町の警察と侮っていた「マクリン」だが、応対に出た相手にただならぬものを感じた。
いっぽう百戦錬磨の「ストーン」も、多忙な日常業務をこなしながら、密かに「マクリン」に探りをいれはじめる。
平和な町に忍び寄る影―二人の対決の日は、目前に迫っていた。
ニュー・ヒーロー、警察署長「ジェッシイ・ストーン」に、強敵が迫る。
巨匠「パーカー」が贈る、男気満載のアクション巨篇。
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マサチューセッツ州の小さな町パラダイス(現実のマサチューセッツ州スワンプスコットにおおよそ基づいた架空の町)の警察署長「ジェッシィ・ストーン」を主人公とするシリーズ全9作品の第2作にあたり、1998年(平成10年)に発表された作品です、、、

刑務所で知り合った仲間たちが、出所してからその道のプロを集めてひと仕事… それに気付いた警察が事件を阻止しようとするが、というメインのストーリーがわかりやすく、テンポも良かったので読みやすかったですね。

「ジェッシィ」の女性観や付き合い方は、ちょっとどーかな… と思いますが、ハードボイルド作品だから許されるのかな。


刑期を終えたばかりの「ジミィ・マクリン」が恋人「フェイ」と再会… 根っからの犯罪者であり、犯罪を犯すことにスリルを感じる「マクリン」は新たなターゲットとしてリタイヤした金持ちたちが住んで贅沢な暮らしをしているスタイルズ島を選ぶ、、、

スタイルズ島はパラダイスの町と一本の橋で繋がった小さな島、周囲が岩礁に囲まれており船は桟橋を利用しないと近付けない… その橋と桟橋を破壊として、島を孤立状態にすれば警察が手を出すのが非常に難しくなる、その間に金目のものをまとめて奪って、海側から逃げてしまおうという強盗作戦を考え出したのだ。

そのスタイルズ島を管轄区に持つパラダイス署長「ジェッシィ・ストーン」は元はロサンゼルスの敏腕刑事だったがテレビ業界で生きて行こうとする妻「ジェン」とうまくいかず、一時は酒浸りの生活に… だがパラダイス署を任され町の腐敗を一掃したことから、周囲からも信頼され、自身もまた自信を取り戻しつつあった。

「マクリン」は殺人機械のようなインディアン「クロウ」を副参謀に招き入れ、エレクトロニクスのプロ「JD」、爆破のプロ「フラン」、船を使った移送のプロ「フレディ・コスタ」を仲間に引き入れ計画を進める… 「マクリン」と出会った「ジェッシィ」は危険を察知し独自の調査を始めるが、すでに行動は起こされた後だった、、、

スタイルズ島内を警備する警備会社スタッフは全員射殺され、パラダイスと島を結ぶ唯一の橋と桟橋は爆破されてしまい島は完全に孤立する… 住民全体が人質となった状況で「ジェッシィ」は潜水用具をつけて単身、島に潜入する。

「ジェッシィ」はこの凶悪犯罪を阻止することが出来るのか?

仲間割れの予兆はありましたが… まさか、こんな展開とは、、、

「フェイ」から、女性弁護士「アビイ・テイラー」を救った女性署員「モリイ・クレイン」の活躍も良かったですね… 脇を固めるキャラも、なかなかイイ感じです。

これから「ジェン」「ジェッシィ」の関係はどうなるのか… サイドストーリーの展開はシリーズならではの楽しみですね。



以下、主な登場人物です。

「ジェッシイ・ストーン」
 パラダイスの警察署長

「ジェン」
 ジェッシイの別れた妻

「スーツケース・シンプソン」
 パラダイス警察の署員

「アンソニイ・デアンジェロ」
 パラダイス警察の署員

「ピーター・パーキンズ」
 パラダイス警察の署員

「モリイ・クレイン」
 パラダイス警察の署員

「ジェイムズ(ジミイ)・マクリン」
 犯罪のプロ

「フェイ」
 マクリンの恋人

「クロウ(ウィルソン・クロマティ)」
 マクリンの仲間

「JD」
 マクリンの仲間

「フラン」
 マクリンの仲間

「フレディ・コスタ」
 マクリンの仲間

「アレックス・カントン」
 パラダイスの住民

「ハワード・ブラウン」
 パラダイスの住民

「アール・ホプキンズ」
 不良少年

「ロビイ・ホプキンズ」
 不良少年

「スナッパー・ジェンクス」
 不良少年

「ケイ・ホプキンズ」
 アールとロビイの母親

「カールトン・ジェンクス」
 スナッパーの父親

「マーシイ・キャンブル」
 不動産屋

「アビイ・テイラー」
 弁護士

「トニイ・ソルト」
 ニュース・キャスター

「モリス・コムデン」
 パラダイスの行政委員長

「ニック・ペトロセリ」
 パラダイスの法律顧問



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