じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『夏の沈黙』 ルネ・ナイト(著),古賀弥生(翻訳)

2019年05月13日 21時56分00秒 | ■読書
イギリスの作家「ルネ・ナイト」の長篇ミステリ作品『夏の沈黙(原題:Disclaimer)』を読みました。


「アンソニー・ホロヴィッツ」に続き、イギリス作家の作品です。

-----story-------------
あなたはこの結末に驚愕する!
全世界に衝撃を与えたデビュー作

テレビのドキュメンタリー制作者の「キャサリン」は、仕事でも家庭でも、順風満帆の生活を送っていた。
しかし、そんな彼女の人生は一瞬で暗転した──引っ越し先で手にした見覚えのない本を開いた、その瞬間に。
その本は、20年間隠しつづけてきた、あの夏の秘密を暴こうとしていたのだ! 
新人の作品ながら刊行前に25ヶ国で出版が決定し、世界で旋風を巻き起こした驚異の長編ミステリ。
解説=「三橋暁」
-----------------------

テレビドキュメンタリー番組のディレクター「キャサリン・レーヴンズクロフト」、49歳の彼女は順風満帆の生活を送っていた… 手がけたドキュメンタリー番組が賞を獲得、出来がいいとはいえない25歳の息子「ニコラス」が就職して独立したことを契機に、弁護士の夫「ロバート」とともにこじんまりとしたメゾネットでの二人暮らしを始めたばかりだった、、、

その引っ越し先で手にした見覚えのない本を開いた瞬間、彼女の人生は暗転した… その本は「E・J・プレストン」という著者の小説『行きずりの人』、登場するのは「キャサリン」自身で、しかもその本は、20年にわたって隠してきた、あの夏の秘密が暴かれていた。

その本を送りつけたのは元教師で独り暮らしの老人「スティーヴン・ブリグストック」『行きずりの人』は誰が何の目的で描いたのか?老人が本を送った目的は?そして20年前に起きた忌まわしい事件とは?

序盤は、本の具体的な内容が明かされないまま、「キャサリン」の視点と「スティーヴン」の視点で交互に描かれ、しかも、二人の視点は時間軸が2年くらいズレているので、ややもどかしさを感じながら読み進める感じでしたが、本の内容が次第に明らかになり、二人の視点から描かれる物語がシンクロする中盤以降は、一気に読み進める感じでしたね。

20年前、「キャサリン」「ロバート」、そしてまだ5歳だった「ニコラス」が、バカンスでスペインのリゾート地を訪れ、仕事の関係で「ロバート」だけが先に帰国… 残された「キャサリン」「ニコラス」は、旅行中の若者「ジョナサン・ブリグストック」と偶然出会う、、、

そして、数日後、「ジョナサン」は海岸で溺死… その間に三人の間に発生した悲劇、そして、残されたフィルムから「ジョナサン」の死の原因が「キャサリン」にあると信じた「ジョナサン」の両親「スティーヴン」「ナンシー」の行動は。

徐々に具体性を高めて興味を持続させ、そして終盤に至っての見事な逆転劇… キャラクターの心理も深いところまで抉り込んでおり愉しめましたね、、、

ミステリというよりは、過去の悲劇に立ち向かう二つの家族の物語… って感じで、悪人になり切れない「スティーヴン」が、ちょっと可哀想な感じがしました。

発売を前に25ヶ国で発売が決定した大型新人… というキャッチコピーに期待していたのですが、、、

それほどの凄さは感じなかったなぁ… 面白かったけど、まずまずという印象ですね。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バランス カベルネ・ソーヴィ... | トップ | 『松本清張特別企画 共犯者... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読書」カテゴリの最新記事