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『大川契り―善人長屋―』 西條奈加

2021年07月12日 21時32分00秒 | ■読書
「西條奈加」の連作時代小説『大川契り―善人長屋―』を読みました。


善人長屋閻魔の世直し―善人長屋―に続き、「西條奈加」の作品です。

-----story-------------
母が明かした秘密。
大川の端で交わした父との約束。
そっと寄り添う家族に涙、涙、涙!

掏摸(すり)に騙(かた)りに美人局(つつもたせ)。
住人が全員悪党の「善人長屋」に紛れ込んだ本当の善人「加助」が、またしても厄介事を持ち込んだ。
そのとばっちりで差配母娘は盗人一味の人質に。
長屋の面々が裏稼業の技を尽して救出に動く中、母は娘に大きな秘密を明かす。
若かりし頃、自らの驕(おご)り高ぶった態度が招いた大きな罰のことを――。
流れゆく大川が静かに見つめた、縺(もつ)れた家族の行方を丹念に描く人情時代小説。
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『善人長屋』シリーズの第3作にあたり、2014年(平成26年)に刊行された作品です。

 ■泥つき大根
 ■弥生鳶
 ■兎にも角にも
 ■子供質
 ■雁金貸し
 ■侘梅
 ■鴛鴦の櫛
 ■大川契り


長屋の平和を守るため、悪党たちしぶしぶ大奮闘! スリに詐欺師に美人局、実は凄腕ばかりの善人長屋に迷い込んだ人助けが生き甲斐の真の善人「加助」、、、

あふれる善意で人助けに燃え、減らず口の不良娘やケガをした当たり屋、不審な傷だらけの男児など、面倒の種をせっせと連れ帰り、そのたび騒動に巻き込まれる住人たちは戦々恐々。

しかも拾った行き倒れが西国の盗賊一味と判明… とばっちりで差配の母娘が囚われて―!? 長屋の知恵を結集し、二人を無事に救い出せ!


本シリーズは安定の面白さですねー 第2作の長篇も良かったですが、短篇の連作の方がテンポが良くて愉しめますね、、、

本作では、差配「儀右衛門」の娘「お縫」に纏わるエピソードが多かったですね… 茶問屋玉木屋に婿に入った兄「倫太郎」や長屋を極端に嫌う姉「お佳代」、母「お俊」の過去など、長屋に関わる人間模様が知れて物語の幅が広がってきた感じです。

「お縫」「お俊」が捕らえられ、「儀右衛門」「お俊」の馴れ初めが明らかになる『鴛鴦の櫛』『大川契り―』は感動できましたね、、、

「お縫」「文吉」の恋の行方も気になるところですが、本シリーズは、現時点本作までしか執筆されていないようです… 続篇を読みたいなぁ。



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