病が生じる原因として、過度の情動変化が影響している方はよく来院されます。
特に多いのは怒りの感情。
怒りの対象となる事柄の殆どは他人との係わりによるものです。
この事柄を如何に怒りの対象として捉えないようにするか?
これが出来るようになれば、かなりの体調不良を回避できるようになるのです。
私は日頃、この様なストレスを受けないための考え方について患者さんと話す機会が結構あります。
今日は、安岡正篤氏の著書の中に心の持ち方として良いものを見つけました。
以下引用
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第一に心中常に「喜神」を含むこと。神とは根本に指していった心のことで、どんなに苦しいことがあっても、心のどこか奥の方に喜びを持つということです。実例で言えば、人から謗られたり、あられもないことを言われると、憤るのが人情であるが、たとえ怒っても、その心のどこか奥に、「イヤこういうことも、実は自分を反省し、練磨する契機になる。そこで自分という人間ができてゆくのだ。結構、ありがたいことだ。」と思うことです。人の毀誉褒貶なども、虚心坦懐に接すれば案外面白いことで、これが「喜神」です。
「続経世言」より
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自分の周りに起きる全ての現象に対して「喜神」を含む。
この「含む」という表現が良いですね。
100%ひっくり返して、誰もが不幸と思うような出来事でも幸運と思えるようにするのは理想なのはわかっています。
もちろん、私もこれを理想として色々と提案させていただいています。
しかし、そこをあえて「含む」と控えめに提案している所がとても人間味があり、誰でも実践してみようと思える、手に届く範囲に感じさせてくれる絶妙な表現ですよね。
私も心に留めて実践してみようと思います。