前記事、はじめて撮ったカナトコ雲を撮る約一週間前、双子のようなキノコ雲を見かけたので写真に撮った。その後この2つの雲は全体がカナトコ雲のような形になり、やがて上空に層状に広がっていった。その光景は自分にとっては衝撃ではあったが写真を撮ることなどすっかり忘れていた。前記事でも書いたように、それまで小学生の頃見た図鑑にあった入道雲にキノコのように生えたカナトコ雲しかカナトコ雲と認識しかできなかったこともあり、それがカナトコ雲であることはにわかには信じられなかった。それと同時にひょっとして、上昇気流が圏界面に届き向きが横に変わり広がることで出来るのがカナトコ雲なのではないか?という仮説を自分の中で立て、家に帰ってからネットで調べることになした。結果その仮説は正しかった。これが私が積乱マニアになる最初のきっかけであった。
高校の地学では上昇気流により積雲が発生することは学んだが、その後どうなるのかまでは教科書でも授業でも触れられてはいなかった。もっとも対流については小学校で既に習っていたのでちょっと考えれば分かりそうなものなのだが。
この日カナトコ雲をみて気づいたこと、何故今までカナトコ雲を見ることが出来なかったのかについて、一つには図鑑で見た形のものしかカナトコ雲だと思えなかったことも一つの理由ではあるが、それよりカナトコ雲がカナトコ雲の形をしているのが非常に短いことも大きな理由であることが解かった。
なおこの写真では、既に一部カナトコ雲が出来ているので、前記事のはじめて撮ったカナトコ雲というのは嘘ということになるが、これを取った時点ではカナトコ雲という認識はなかったので、初めてカナトコ雲という認識で撮ったのは前記事の雲という意味で前記事の写真を初めて撮ったカナトコ雲にしてあります。
これははじめて撮ったカナトコ雲と同じ日2007.8.22.に撮った積乱雲。このあと見事なカナトコ雲になったのだが惜しくもその時の環境が写真を撮ることを許さなかった。これは上の写真とは違いカナトコは確認できない。これが積雲か積乱雲かはじめは判断に迷った、というか積雲ではないかと思っていたのだが、キノコ状に上部が広がるのは圏界面に頭を押さえつけられていることが原因と考え積乱雲であると認定しました。このような無毛のキノコ雲が出来るのは上昇気流の勢いが強いこととジェット気流が弱いことが考えられる、というか私は勝手に考えてます。もしかしたらこっちから向こう側にジェット気流吹いてるため、こうみえるのかも知れませんが。
ちなみに積乱雲が成層圏に入れない理由は、今日現在のウィキペディアによれば、積乱雲の記事では「温度差」、かなとこ雲の記事では「ジェット気流」によるそうです。
小学生の時に見た気象の図鑑、見開き2ページに10種類雲形と一部の種などの絵がすべて描かれていた。その絵の中に「積乱雲」と書かれた入道雲の横からキノコのように生えている「かなとこ雲」の絵が描かれていて、「積乱雲が発達すると出来ることがある」と書かれていたような記憶がある。小学生向けの図鑑だから、カナトコ雲ができる原理などは書かれていなかった。発達すると何故、入道雲とは質感の異なる雲が出来るのかななどと思いつつ、図鑑にある状態以外のものはカナトコ雲とは認識できないまま、カナトコ雲を見るというか認識することなく長い歳月が過ぎていた。
これを撮る数日前に、図鑑で見たものとはタイプのカナトコ状の雲をみる機会があり、それは横から生えるのではなく全体がカナトコ雲になるタイプで、その時初めて対流によってこうなるので、これはカナトコ雲に違いないという「仮説」を立て、家に帰ってからネットで調べてみた。初めて見たというか認識したカナトコ雲はそれが最初だったということになる。
この日は33℃を超える暑い日で、雄大積雲が発達していたのでもしかしたらカナトコ雲が見られるかもしれないと期待していたらこれを見つけた。そらは小学生の時に図鑑で見たタイプのものだった。
これが初めて撮ったカナトコ雲
カナトコ雲が成長してくる
カナトコの割合が多くなり
入道雲の雲頂の高さは下がってきた
家から出ると妙な雲の一部が見えた。もしかしてと思って全体が見える場所に移動すると、それは何とかなとこ雲だった。早速携帯で撮影。かなり近いためアングルに全容がおさまらない。家のすぐ近くなのだからデジカメを取りに帰ればよかったかもしれなかったが、私は写真マニアではなくかなとこマニア、積乱マニア。画質のはこだわらず、記録だけ残せばいいと考えてます。電柱、電線も気にしないということで。
他のブログを見てると、まず「カナトコ雲」とは何かとか、その前に「カナトコ(金床)」とはなにかを説明しなければいけないのかなとも思う。ただネットならググればすぐわかることなのでそれは省略して、積乱雲とかなとこ雲、さらにはラッパ雲やアサガオ雲との関係や違いを考えてみる。
ラッパ雲やアサガオ雲は積乱雲の中でも形がラッパやアサガオに似ているもののことをいう。カナトコ雲はどうなのかというと、必ずしも「カナトコ」に似てなくてもラッパ雲やアサガオ雲も含め、更に広がったものや多毛雲もひっくるめてカナトコ雲と呼ばれているみたいだ。学術的にどうなのかは知らないです。
とりあえず、これらは対流雲と呼ばれるもので、はじめは上昇気流によって作られ、上に成長している段階が積雲で、雲頂が成層圏との境である対流圏界面に届いて横に広がりはじめた時から「積乱雲」と気象学上は呼ばれているようです。(広がりはじめれば圏界面に届かなくても積乱雲になるという説もある・どちらもウィキペディアによる)この広がりはじめというのがまた色んなパターンがあって、どの段階から積乱雲かというのは、色んなパターンを知らないと結構判断は難しいです。