こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る25

2017年05月25日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便

一、小便の原因
水穀が常に胃中にあって、糟粕をなし、大腸から押し出して下焦をなし、
下焦からまた滲んで下ると、受け持つ任務をなし、また別汁を分泌して
下焦について膀胱に滲入する。水液が廻腸から別汁を分泌し、膀胱に
滲み入ると、胞が小便を運化し排出する。
水穀が小腸から蘭門で受けると、その水は膀胱の上口に滲入して小便となる。
このような三説を総合してしてみると、小便は即ち泌別される水が膀胱に
入って出てくるものである。内経に「飲んだものが胃に入って精気を遊溢させ、
上の脾に送ると脾気が精気を肺に伝え、水道を通じて膀胱に送ると小便の
精微な気運が脾肺に上がって運化される。小便というのは水だが、
水が下流するのは、その性質がそのようなものがからである。飲んだものが
胃に入るとその精気はあえて上昇するが、その本体は事実上上昇はしない。
また膀胱は津液をつかさどっているところだが、気が化するとすぐ出る。
また水は気の子、気は水の母で、気が運行し、気がつまると水もつまる。」

二、小便の不利症陰が弱いと小便は困難になる。小便のしにくい証は血が火に因って乾き、
下焦に血がなく、気が下らないので排泄ができなくなった証で、補陰降火
をせねばならぬ。
四物湯に知母・黄柏を使う。
下焦に血がなく、小便が渋く、数は多いが色が黄色い証は四物湯に知母・
黄柏・牛膝・甘草梢を加えて使う。
小便が少なく不利な症には三つある。一つは大便を排泄して津液が渋少なのも
そのひとつだが、これは通じよくさせてやると良くなる。
第二はねつが下焦を摶って津液を通せなくなった症だが、これは必ず排泄させ、
第三は脾胃の気が渋いと水道を通し膀胱に送って運化出来ない症で、これは
茯苓琥珀散を使う。
小便が赤くて渋く、たは淋疾になる憂いがあるときは、清心蓮子飲・導赤散を使う。
腎虚で小便が少なく、淋瀝して自然に滲み出る証は平補元を使う。

万全木通散  膀胱に熱があって小便がしにくく黄色いときに使う。

茯苓琥珀散  小便が渋くたびたびする症を治す。
    処方 沢寫一両、滑石七銭、赤茯苓・白朮・琥珀・猪苓各五銭、肉桂・甘草灸各三銭
       を作末して毎三銭づつ水で一杯調下する。

平補元    小便が滲みもれるときに使う。
    処方 鬼絲子酒製・山茱萸を酒に浸して焙ったもの、当帰・益智仁各五銭、川錬肉・
       牛膝・胡蘆巴紗・杜仲・薑汁紗・巴戟・肉蓰蓉の酒で浸したもの各三銭半、乳
       香二銭を作末し、糯米糊で梧子大に丸め、棗湯または塩湯で五〇丸呑み下
       す。