こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る39(大便4)

2017年09月06日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(四)

<飱泄>
飱泄という症は米穀が消化されず排泄される症をいう。俗称水穀痢というもので加減木香散が主治剤である。
飱泄の症勢は食べないと止まるが、食べるのを止めるのは胃が弱いか、消化されないためである。だが食べるとまた下痢をする。一体食べないと何が下るのか? これは当然薬で治すべきで養元散八仙糕の類で元気をつけ、下痢が収まると少しずつ食べる。
飱泄には防風芍薬湯・蒼朮防風湯を使う。

加減木香散   飱泄と水穀痢を治す。
     処方 木香・良薑・升麻・檳榔・人蔘・白朮各二銭半、神麹炒二銭、肉豆蔲        ・互茱萸湯洗・乾薑炮・陳皮・縮砂各五分を粗末して毎五銭を水で煎        じて空腹時に服用する。また腸風飱泄を治す。

八仙糕 脾胃が虚損し下痢が止まらない症を治すが、老人と小児に最も良い。
     処方 枳実麩炒・白朮土炒・山薬各四両、山楂肉三両、白茯苓・陳皮炒・蓮
        肉各二両、人蔘一両を作末し、粳米五升、糯米一升半をくだいて蜜三
        斤を入れて薬末でまぜてつき、焙って乾かして湯水で飲む。

防風芍薬湯 飱泄でねつがあり脈がゆるく腹の痛いときに使う。
     処方 防風・白芍薬各二銭、黄苓一銭を水で煎じて服用する。

蒼朮防風湯 水が飲めず食べた物がそのまま出る症を治す。
     処方 黄朮六銭、麻黄二銭、防風一銭、薑七片を入れて水で煎じて服用する。

<痰泄>
または下りまたは下らず、或いは多く或いは少なく、こういうときに二陳湯に乾葛・
白朮・神麹を加える。重いと海青丸、軽いと六君子湯を使う。
痰泄で脈が沈むとき万病二陳湯を使う。

海青丸 痰積下痢を治す。
     処方 海粉一両、青黛三銭、黄苓二銭、神麹五銭を作末し、別途に神麹糊で
        梧子大に丸め空腹時に白湯で二〇~三〇丸呑み下す。

万病二陳湯   痰温下痢を治す。
     処方 半夏・陳皮・赤茯苓・白朮・蒼朮・山薬各一銭、縮砂・厚朴・木通・
        車前子炒・肝臓灸各五分、薑三片、鳥梅一、燈心を入れ水で煎じて服
        用する。

<食積泄>
下痢で腹痛がひどく、出ると腹痛が少しなおり、匂いが卵の腐ったようで、このときは
平胃散に香附・縮砂・草呆・山楂子・麦芽を加えて煎じて服用する。
腹痛が酷く下痢すると痛みが減り、脈がゆるいときは香砂平胃散から枳実を抜いて白朮・
白茯苓を加える。
積滞下痢は腹が痛んで下痢し、または腹がつっぱる症には神麹・麦芽・山楂類を使って
消化させる。
数日間食べなかったあと下痢したときは枳朮丸を使う。

<酒泄>
飲食と酒で身体をこわして骨だけ残り、食べられず、ただ酒を一~二盃だけ飲んで
長年治らないとき香茸丸を使う。
酒泄は飲酒したあと、よけいひどくなるのだが、平胃散に丁香・縮砂・乾葛・麦芽・
神麹を作末したものを加え、空腹時に米飲で二銭を服用する。
酒で身体をこわし、朝方必ず下痢をするときには理中湯に生薑を加えて使い、
乾葛煎じた水で酒蒸黄連丸を空腹時に二銭呑み下す。

香茸丸     酒泄を治す。
     処方 乳香三銭、鹿茸燎去を酥灸黄五銭、肉豆蔲一両、麝香二銭を細末にし
        て陳米飲い梧子大に丸め米飲で五〇丸呑み下す。