東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(七)
三、眼
二、眼が肝の穴になる場合の続き
撥雲退瞖晴丸 内傷に常服すると良い。
処方 黒脂麻五両、密豪花・木賊・白蒺藜・蟬退・青塩各一両、薄荷・白芷・防風・川芎・知母・荊芥穂・枸杞
子・白芍薬・生甘草各五銭、甘菊六銭、当帰酒洗三銭を作末して蜜で丸め、一丸づつ食後かみ下す。
内傷には円瞖・氷瞖・渋瞖・散瞖・滑瞖・横開瞖・浮瞖・沈瞖・偃月瞖・棗花瞖・黄心瞖・黒花瞖・胎
患・五風変・雷頭風・驚振・緑風・鳥風・黒風・青風・肝虚省目・高風雀目・肝虚目暗の二三種ある。
補肝散 円瞖(黒目に白点のあること)を治す。
処方 柴胡一銭半、白芍薬一銭、熟地黄・白茯苓・甘菊・細辛・甘草各七分、柏子仁・防風・各五分を水で煎じ
て服用する。
補腎元 円瞖(黒目に白点のあること)を治す。
処方 肉蓯蓉・枸杞子各一両、巴載・山薬・破古紙炒・茴香・牡丹皮各五銭、青塩二銭半を作末して蜜で梧子大
に丸め、空腹時に塩湯で三〇~五〇丸呑み下す。
空青元 沈瞖(白点が黒水下にあること)を治す。
処方 防風・生乾地黄と知母を各二両、車前子・石決明・細辛各一両、空青二銭を作末して蜜で梧子大に丸め、
一〇丸を茶漬けで飲む。
通肝散 氷瞖(これは肝臓の病である)を治す。
処方 山梔子・白蒺藜・枳殻・荊芥・甘草各五銭、車前子・鼠粘子炒各二銭半を若竹葉煎じて湯で調服する。
八味還晴散 内傷諸般の障瞖昏花を治す。
処方 草決明一両、白蒺藜・防風・木賊・梔子仁・甘草各五銭、蟬殻・青箱子各二銭半を粉末にして毎二銭を麦
門冬湯で服用する。
羚羊角散 緑風の内傷昏花を治す。
処方 甘菊・防風・川芎・羌活・車前子・川鳥・細辛各五銭、半夏麴・羚羊角・薄荷各二銭半を作末して毎二銭
を生薑・荊芥煎湯で服用する。
羚羊角丸 緑風の内傷昏花を治す。
処方 羚羊角屑一両、、石決明・草決明・車前子・犀角屑各七銭半、独活・防風・蔓荊子・甘菊・梔子・甘草各
五銭を作末して蜜で梧子大に丸め温水で三〇丸呑み下す。
寫肝散 鳥風の昏暗を治す。
処方 大黄・甘草各五銭、都李仁・荊芥穂各二銭半を空腹時に水で煎じて服用する。
蛤粉丸 雀目を治す。
処方 蛤粉・黄蠟を等分にして蠟をとかして粉をまぜて棗子大に丸め、猪肝二両を割って薬をその中に入れてゆわ
き、水一杯で煎じて熱いうちに取り出して目をくぶし、さまして飲む。
風疳丸 小児の肝疳雀目を治す。
処方 青黛・黄連・天麻・五霊脂・夜明砂・川芎・蘆薈各二銭、草竜胆・防風・蝉殻各一銭半、全蝎二枚、乾蟾頭
三銭、を作末して猪肝汁で麻子大に丸め薄荷油一〇丸呑み下す。
雀盲散 雀目で夜目が効かない症を治す。
処方 雄の猪肝を竹刀で割って、夜明砂を少し入れてゆわき、水に漬けて七分ぐらいして取り出して細かくかんで
汁を飲む。
還晴丸 高風雀目で内障になりかける症を治す。
処方 石決明煆・覆盆子・芨蔚子各二両、槐実炒・人参・細辛・防風・ソロ茯苓・甘菊・柏子仁・川芎各一両を作
末し蜜で丸め。温水で三〇丸呑み下す。