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英国の自己査定制度(1)

2023-09-25 | 税制

自己査定制度とは、納税者が1課税年度に所得を英国の歳入関税庁(HMRC)に申告し、所得税を納付することです。自己査定の申告期間は英国の課税年度と同じ、4月6日から翌年の4月5日までです。

 

納税者は収入が雇用による所得のみである場合、税額が自動的に給与、年金又は貯蓄から差し引かれます。納税者は自営業者又は雇用以外から収入を得た場合、所得税額及び(又は)国民保険金の納付義務を果たすために、自己査定申告書(Self-assessment Tax Return)を毎年提出する必要があります。

 

納税者は期限内に申告書を提出せず、所得税を納付しなかった場合、罰金が発生し、未払い税金の延滞金を支払う必要があります。パートナーシップは申告書を期限内に申告書を提出しなかった場合、パートナーは罰金に処します。

 

  1. 自己査定による英国の所得税の課税対象

 

納税者は、紙の自己査定申告書に記入する伝統的な方法、又はオンラインで自己査定申告書に記入する電子方法で、所得税を申告・納付することができます。

 

1.1     個人所得税の課税対象

 

(1)    給与、手当、残業代、退職金、年金、役員報酬、賞与、管理報酬、謝金、退職手当、臨時給与、及び納税者の雇用に関する収入を含む、雇用により得た収入

(2)    ウェブサイト又はアプリを通じてサービスを提供することにより得た収入を含む、自営業者の経営所得

(3)    介護給付金、失業給付金、国家年金等の国の福利厚生費

(4)    コロナウイルスのためにHMRCが自営業者へを支給した助成金(自営業者所得支援制度、コロナウイルス雇用維持スキーム、中小企業ファンド、小売・ホスピタリティ・レジャー助成基金小売・ホスピタリティ産業・レジャー補助金基金を含む)

(5)    イングランドでの検査・追跡支援金、スコットランドでの自己隔離支援金、ウェールズでの自己隔離支援金

(6)    国家年金、企業年金、個人年金、退職年金等の年金

(7)    賃貸収入

(8)    信託からの収入

(9)    利息の年間免税額を超えた利息収入の部分

(10)  配当金の年間免税額を超えた配当金収入の部分

1.2     個人所得税の免税対象

 

(1)    総額が1,000ポンドを超えない自営業から得た所得、臨時及びその他の収入

(2)    総額が1,000ポンドを超えない家賃収入

(3)    個人貯蓄口座(ISA)、国民貯蓄証書などの非課税口座からの収入

(4)    配当金の免税額(2023/24年度は1,000ポンド、2022/23年度は2,000ポンドとなる)

(5)    ユニバーサル・クレジット、年金クレジット、児童手当等の国の福利厚生費

(6)    国債

(7)    当たった宝くじ

(8)    総額が7,500ポンドを超えず、自己用住宅の家具付き居室の貸出により得た家賃

 

  1. 自己査定申告書の提出義務者

 

納税者は雇用による収入のみを有する場合、税金が雇用主に源泉徴収され、「Pay As You Earn」というシステムで納付されます。その納税者は申告書を提出する必要がありません。

 

しかし、個人又は企業は次のの各項の1つ以上に該当する場合、自己査定申告書に記入、提出しなければなりません。

(1)    個人事業主としての自営業者

(2)    パートナーシップのパートナー

(3)    宗教、教団の聖職者

(4)    遺産の受託者又は執行者

(5)    年収10万ポンド以上であること

(6)    年金収入の取得

(7)    家賃収入の取得

(8)    配当金収入の取得

(9)    英国国外の源泉所得の取得

(10)  コロナウイルスの給付金、支援費の取得

 

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