特に明記しない限り、以下の内容で紹介される「マレーシア会社」及び「会社」とは、マレーシアの会社法に基づき設立された非公開株式会社です。
会社は設立後、資本金を預け入れ、日常の取引(送金や着金等)に使用される銀行口座を開設することができます。また、法人口座に提供される機能は会社の業務及び財政状況をより適切に管理することに役に立ちます。その機能には海外銀行業務、小切手の発行、当座貸越が含まれます。
- 適切な銀行の選び方
マレーシアには、メイバンク、パブリック銀行、RHB銀行、CIMB、ホンリョン銀行等の地方銀行から、OCBC、HSBC、UOB、スタンダードチャータード銀行、中国銀行等の外国銀行まで、選択できる商業銀行は多いです。会社は以下のポイントに基づき適切な銀行を選択することができます。
(1) 銀行の信用
(2) 口座開設の要件
(3) 支店と銀行業務の便利さ
(4) 銀行のカスタマーサービス
(5) 月額料金
(6) 提供するサービスと施設
(7) オンラインバンキングの可用性
(8) 口座の最低預入残高
- マネージャー
各銀行の法人口座開設の要件は異なります。啓源は銀行口座開設サービスを提供しています。一般的に、会社は銀行に以下の書類を提供することができます。
(1) 記入済み口座開設申請書
(2) 法人口座開設に関する取締役会の決議書
(3) 紹介者からの推薦状(全ての銀行の要件ではない)
(4) 会社書類(スーパーフォーム、定款、会社設立証明書・登録通知書、定款、取締役届出書、株主名簿等)
(5) 株主の書類(パスポート、住所確認書類、履歴書、財産の証明書類)
(6) 取締役の書類(パスポート、住所確認書類、履歴書)
(7) 署名権者と実質的支配者の書類(パスポート、住所確認書類)
(8) 事業計画書、営業所の賃貸借契約書、主要顧客、仕入先、財務諸表(ある場合)等その他の会社書類
- 銀行のKYC
近年、マレーシアのほとんどの銀行は、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策に従い口座開設申請の審査を厳しくしており、特に外国人の申請に対してより慎重になります。
銀行は必要書類を取得した後、潜在顧客に対して「あなたの顧客を知る(Know-Your-Customer:KYC)」という本人確認を行います。新型コロナ感染症が発生した後、一部の銀行は流れを加速・簡素化するためにe-KYCを行っています。但し、銀行は、銀行口座開設申請が承認する前に、口座の署名権者、取締役又は実質的支配者に口座開設の手続きを行いに銀行へ行かせる権利を留保します。
- 口座開設の所要時間
口座開設の所要時間は必要なKYC手続きの複雑性によって異なります。一般的に、全ての手続きが完了するには約2~3週間かかります。
口座の署名権者がマレーシアにいない場合、より長い所要時間はかかりそうです。従って、遅延を避けて口座開設の成功率を高めるために、口座の署名権者が自ら銀行に出向き、口座開設の手続きを行うことをお勧めします。
- 口座開設が失敗した理由
会社は、銀行に要求される全ての書類が提供できる場合、口座開設の手続きがより簡単になります。但し、全ての銀行口座開設申請は承認されるわけではありません。口座開設が失敗した一部の理由は以下の通りです。
5.1 清潔でない利害関係者
銀行は身元調査を行うにはパスポート、身分証明書が必要です。利害関係者のいずれかは、マレーシア中央銀行の宣言により破産又はブラックリストの一員となる場合、又はFATFの高リスク国・地域からの者、政治的に露出した人物(PEP)もしくは特別受益者(SIP)の場合、口座開設申請が拒否される可能性があります。
5.2 説得力のない事業計画書
事業計画書は説得力がない場合、銀行はさらなる調査を行い、又は口座開設手続きを中止します。
5.3 銀行の手続きの違反
e-KYCは銀行口座開設の最も重要な手続きの1つです。会社はe-KYC手続きの進捗を遅らせ、又は銀行に要求される証明書類を提供しなかった場合、銀行は利害関係者の協力度が低いと判断し、口座開設手続きを中止する恐れがあります。
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