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シンガポール税務上の居住者と非居住者(下)

2020-12-04 | 税制

シンガポール税務上の非居住者

 

1. 非居住者の判定

 

1賦課年度以内にシンガポールに滞在・就労する日数が183日未満の外国人は、税務上の非居住者と判定されます。その後の特定の賦課年度に、当該外国人は税務上の居住者の判定要件を満たしましたら、税務上の居住者として納税する必要があります。  

 

税務上の非居住者は1暦年のシンガポール就労日数が60日未満の場合、取得した給与所得については免税となります。但し、当該課税免除規定は会社の取締役、芸能関係者及びプロフェッショナル(専門家、コンサルタントなどを含む)に適用されません。取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用され、且つタックスリベートを享受できません。

 

税務上の非居住者は1暦年のシンガポール滞在日数が61~182日の場合、そのシンガポールで得た所得が課税対象となり、且つタックスリベートを享受できません。その給与所得は15%の税率、または税務上居住者の累計税率のいずれか高い方に準じます。取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用されます。

 

外国人が税務上の非居住者と判定される税務影響

 

就労日数60日以下:
 以下の場合を除き、短期の給与所得が免税の対象となります。
1、会社の取締役、芸能人及びプロフェッショナル
2、シンガポールにおける雇用契約書に基づきシンガポールを離れる。この場合、シンガポール国外でのサービス提供により得た収入を含んでいる全ての収入はシンガポールにおいて全額が課税対象となる)。
3、取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用される。
4、タックスリベートが享受できない。

 

就労日数61日~182日:
 1、給与所得は15%の税率、または税務上居住者の累計税率のいずれか高い方に準ずる。
2、取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用される。
3、タックスリベートが享受できない。

 

2. 税務上の非居住者から居住者となる場合

 

外国人は税務上の非居住者と判定されると、その後の特定の賦課年度において、当該外国人が税務上の居住者の判定要件を満たせば、税務上の居住者として納税する必要があります。税務上の居住者の判定基準は以下のとおりです。
(1) 年間183日以上シンガポールに居住する(会社の取締役を除く)
(2) 連続した2年度内に183日以上シンガポールに居住し、かつ当該2年度をまたぐ関連雇用契約書を持つ
(3) シンガポールに継続して3年間居住する

 

実際の操作において納税者は初めて確定申告を行う時に、当該外国人は前課税年度でシンガポールで滞在・就労する日数が183日未満の場合、税務上の非居住者とみなされて確定申告を行います。それ以降の年度に滞在日数などが税務上居住者の判定基準を満たせばIRAS(シンガポールの税務署)に対して税務上居住者の身分として納税することを申請しなければなりません。納税者は、過年度の課税額についてIRASに訴え、過去にさかのぼって更正の請求を行い、払い過ぎた税金を取り戻すことができます。

 

3. 所得税の税率

 

取締役の報酬:22%

 

プロフェッショナル(コンサルタント、トレーナー及びコーチなど)が非居住者身分としてサービス提供により得た収入:総収入の15%又は純収入の22%

 

文化芸術関係者(俳優、音楽家、スポーツ選手など)が非居住者身分として活動に従事することによる収入:10%の軽減税率

 

退職年金:22%

 

シンガポール市民ではない者が補足退職スキーム(SRS)から引き出した収入:22%


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