カリフォルニア州(State of California)の会社コンプライアンスを詳しくご紹介します。
年次更新
1. Statement of Information(情報報告書)
カリフォルニア州で設立された全ての株式会社又はLLCは、毎年または2年ごとにカリフォルニア州の州務長官にStatement of Information(情報報告書)を提出しなければなりません。
2. 年次フランチャイズ税申告
カリフォルニア州で設立され、または事業を運営する全ての会社は、最低800ドルのフランチャイズ税を申告・納付しなければなりません。期限は会計年度末から3ヶ月目(LLCの場合)または4ヶ月目(株式会社の場合)での15日目す。
3. 登録住所と登録代理人
カリフォルニア州の法律に基づき、全ての会社はカリフォルニア州における登録代理人を有しなければなりません。当該登録代理人はカリフォルニア州の物理的な住所(郵便物を受け取る住所)を有しなければなりません。
4. ビジネスライセンス更新
カリフォルニア州会社は一つまたは複数の規制業務に従事するために、連邦または州政府が発行したビジネスライセンス・許可証を持っている場合、毎年当該ライセンス・許可証を更新しなければなりません。
法人所得税申告
1. 連邦法人所得税申告
全ての会社は課税所得の有無を問わず、暦年を課税年度とした場合、毎年3月15日(LLC)または4月15日(株式会社)までに法人税申告書を提出しなければなりません。LLCは連邦法人所得税を申告する必要がありますが、税金を納付する必要がありません。なぜかというと、LLCはPass-through entity(パススルー企業)であるからです。
2. カリフォルニア州法人所得税申告
カリフォルニア州で事業活動を行う全ての会社は、課税所得の有無を問わず、カリフォルニア州政府へ法人税申告書を提出しなければなりません。カリフォルニア州株式会社の法人所得税は会社の税引前利益の8.84%、または800ドルのいずれか高い方が課税されます。
売上税・使用税(Sales or Use Tax)
会社はカリフォルニア州で小売業・卸売業を行い、または課税対象となるサービスを提供する場合、カリフォルニア州の税務当局に登録の手続きを行い且つ売上税を支払わなければなりません。カリフォルニア州の売上税および使用税は、州税(6.00%)、地方税及びその他発生する可能性がある地方税によって構成されます。
給与税
1. 連邦の給与税
米国に従業員を雇用し且つ給与を支払う場合、定期的に内国歳入庁(IRS)に源泉徴収した給与税を報告しなければなりません。会社は従業員の医療保険税(Social and Medicare)の雇用主負担分および連邦失業保険税を申告・納付する必要もあります。
2. 州の給与税
米国に従業員を雇用し且つ給与を支払う場合、カリフォルニア州の関係部門に登録の手続きを行い且つ源泉徴収口座を開設しなければなりません。カリフォルニア州の給与税は、失業保険税(Unemployment Insurance: UI)、雇用開発税(Employment Training Tax: ETT)、障害者保険(State Disability Insurance: SDI)及び個人所得税(Personal Income Tax: PIT)という四つの部分から構成されます。
3. 米国非居住者の米国源泉所得(U.S. Source Income)
米国非居住者(外国人)の米国源泉所得は税金が天引きされる必要があり、且つ源泉徴収義務者(Withholding Agent)は内国歳入庁(IRS)に源泉徴収した税額(もしあれば)をタイムリーに報告しなければなりません。
海外(米国以外)の銀行及び金融口座の申告
1. 外国金融口座報告書(FBAR)
カリフォルニア州会社は、海外金融口座の合計金額が暦年中に10,000ドルを超える場合、毎年FBARを提出する義務があります。
2. 特定外国金融資産報告書(FATCA Form 8938)
カリフォルニア州会社は、その特定外国金融資産の年度末残高が50,000ドルを超える場合、特定外国金融資産報告書(FATCA Form 8938)を毎年提出する義務があります。
財務諸表
1. 財務諸表
カリフォルニア州会社は、財務諸表、銀行取引明細書及び領収書などのビジネス書類を適正かつ正確に保存しなければなりません。
2. 年次財務諸表監査
証券取引所に上場している上場会社を除く、その他全ての会社(株式会社もLLCも含む)は、会計監査人の任命が不要であり、年次財務諸表に対する監査も不要です。