過去数年間、シンガポールがアジアで最も重要な金融センターとなるに伴って、各主要な国際金融機関もシンガポールに拠点を設置しています。会社は特定の要件を満たせば、シンガポールで法人口座を開設する過程がとても簡単です。
会社の取締役および署名権限者はシンガポールに出向かずにテレビ会議を通じて銀行員と面談し、法人口座開設の手続きを終わらせることができます。
シンガポール法人口座の特徴と要求
(1) これは多通貨に応じたプレミアムの法人口座です。通貨種類はシンガポール・ドル、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、日本円、人民元、香港ドル、ノルウェー・クローネ、カナダドル、スイスフラン、ニュージーランド・ドル及びスウェーデン・クローナを含みます。
(2) オンラインバンキングと多通貨の小切手帳が利用可能です。
(3) 事業用の口座を開設する費用は最低500Sドルです。株式投資用の口座を開設する費用は最低1,000Sドルです。実際の費用は会社の組織、バックグラウンド、業務の種類及び実質的支配者のバックグラウンドの複雑さによります。
(4) 事業用の口座は、日間平均残高が最低50,000Sドルまたは50,000米ドルであり、残高が最低預入金額を下回ってしまうと、80Sドルまたは80米ドルの口座管理手数料を取られてしまいます。
(5) 株式投資用の口座は、日間平均残高が最低100,000Sドルまたは100,000米ドルであり、残高が最低預入金額を下回ってしまうと、160Sドルまたは160米ドルの口座管理手数料を取られてしまいます。そのほかにも、銀行により2,400Sドルの年間管理料が取られます。
法人口座遠隔開設の手順
(1) 口座開設申請に必要な情報及び書類を銀行に提出する。
(2) 銀行の初歩的な審査を通過すると、口座開設に使う追加情報が銀行により要求される。
(3) テレビ会議を準備し、会社のいずれかの2人の取締役及び全ての署名権限者と銀行員との面談を予約する。
銀行員とのテレビ会議には以下の手続きが行われます。
(a) 銀行員がクライアント様に会社の業務内容を詳しく聞く。
(b) 本人確認のために取締役及び署名権限者が必ず銀行員に対してそのパスポート又はシンガポールの身分証明書を提示しなければならない。
(c) 取締役及び署名権限者が銀行員の目の前に銀行口座開設の書類及びデューデリジェンス書類に署名する。
(4) 署名完了後、銀行員が口座開設の申請手続きを処理する。
(5) 口座開設に成功したら、銀行レター及び小切手帳を取得する。
法人口座遠隔開設の必要時間
一般的に、法人口座をリモートで開設するには2~4週間かかります。銀行側が追加情報・書類を要求する場合、時間はより長くかかるかもしれません。
必要な書類
以下の書類をご用意ください。
(1) 署名権限者リスト
(2) サインについての取り決め(Singly/Jointly)
(3) 署名権限者が現任取締役又は株主でなければ、その認証済み(注1)の身分証明書(シンガポール市民又は永住者の場合)または最低6ヶ月以上有効期間のあるパスポートのコピー(外国人の場合)及び認証済み(注1)の直近3ヶ月以内の住所証明書類(公共料金の領収書又は銀行取引明細書など)
(4) 会社の実質的支配者(法人の株式の25%を直接・間接的に有する者)の履歴書、ウェブサイト、個人プロファイル、またはLinkedIn(リンクトイン)の個人プロファイル
(5) 会社業務運営の証明書類(顧客またはサプライヤーの請求書または商業契約書など)
(6) 認証済み(注1)の会社設立の証明書類(設立証明書、在職証明書、定款、プロファイル、株主名簿及び取締役名簿など)
(7) 認証済み(注1)の取締役、個人株主及び実質的支配者(法人の株式の25%を直接・間接的に有する者)の身分証明書(シンガポール市民又は永住者の場合)または最低6ヶ月以上有効期間のあるパスポートのコピー(外国人の場合)及び認証済み(注1)の直近3ヶ月以内の住所証明書類(公共料金の領収書又は銀行取引明細書など)
(8) 株主が法人である場合、認証済み(注1)の会社設立の証明書類(設立証明書、在職証明書、定款、プロファイル、株主名簿及び取締役名簿など)をご提供ください。
注1:
(a) 以上の書類は公証人、公認会計士、弁護士によって認証されなければなりません。
(b) 以上の書類は英文書類、又は公式に英文に翻訳された書類でなければなりません。
注意事項
銀行は会社の組織、バックグラウンド、業務の種類及び実質的支配者のバックグラウンドによって申請を承認するかどうかを判断します。口座開設が成功するかどうかは銀行の決定によります。