1.増値税の定義
中華人民共和国国内において商品又は加工、修理補修役務(以下「役務」という)、サービス、無形資産、不動資産、輸入品を販売する単位及び個人は、増値税の納税義務者であり、法律に従って増値税を納付しなければなりません。
2.税率
中国の増値税の各課税項目及び各納税義務者により、当事務所は増値税の税率を以下の4つの種類に分類し、4種類の課税項目及び税率について詳しく説明します。
第1種類は商品の販売、輸入及び役務の販売における増値税率です。税率は13%、9%または6%であり、一般納税者に適用される。
第2種類は商品、サービス及び無形資産の輸出における増値税率です。税率は0%または免税であり、全ての納税者に適用される。
第3種類:増値税の還付率です。税率は9%、10%であり、農産物を購入する一般納税者に適用される。
第4種類:増値税の徴収率です。税率は3%、5%であり、小規模納税者及び簡易課税方式を使用することが承認された一般納税者に適用される。
3.税額
増値税の納税義務者には、一般納税者及び小規模納税者の2種類があります。
3.1 小規模納税者の税額の計算式
小規模納税者が課税対象となる場合は、売上高及び徴収率に基づいて税額を計算する簡易課税方式で計算し、且つ仕入税額控除が認められていません。税額の計算式は以下の通りです。
税額=売上高×徴収率(2009年1月1日以降、3%の徴収率が実施されている)
3.2 一般納税者の税額の計算式
税額=当期の売上税額-当期の仕入税額
3.3 仕入税額
仕入税額とは、商品、役務、サービス、無形資産及び不動産の購入によって支払われる又は負担される増値税額です。通常、一般納税者が中国国内の仕入先から商品を仕入れる場合、仕入税額は増値税専門発票に表示されます。納税者が外国の仕入先から商品を輸入する場合、仕入税額は税関輸入増値税専用納付書に表示されます。
但し、以下のいずれに該当する場合、仕入税額控除が認められていません。
(1) 増値税専門発票など、有効な証憑を取得していない場合。
(2) 会計処理が不健全であり、正確な税務情報が提供できない場合。
(3) 一般納税者資格を取得していない場合。
(4) 仕入れた商品、役務、サービス、無形資産及び不動産は簡易課税方式、免税項目、集団福利厚生又は個人消費に適用される場合。
(5) 仕入れた商品、関連する役務及び交通運送サービスは「非正常」損失である場合。
(6) 仕掛品、製品の製造用に仕入れた商品(固定資産を除く)、役務及び交通運送サービスは「非正常」損失である場合。
3.4 売上税額
売上税額とは、役務やサービスの提供、及び商品、無形資産や不動産の販売の際に納税者が支払う増値税額です。
売上税額の計算式は、売上税額=売上高×税率。売上高は、納税義務者は課税行為が発生される際に取得した全ての代価及び関連費用です。
4.輸出増値税還付の会計処理-免税・控除・還付
輸出増値税還付の会計処理は非常に複雑です。輸出増値税還付とは、増値税が免除されること、又は支払うべきもしくはかかった増値税を輸出業者に還付することを指します。当該還付は、「輸出増値税の免税・控除・還付」(中国語は「出口免抵退税」という)と呼ばれます。要するに、「免税・控除・還付」において、増値税の一般納税者が支払うべき増値税額は以下の計算式で計算されます。
税額=売上税額-(仕入税額-還付対象外の税額)
還付対象外の税額=(輸出売上高-保税輸入額)X(増値税率-還付率)
保税輸入とは、輸出品の製造に使用される原材料又は商品の輸入を指します。一般的に、保税輸入には関税及び輸入増値税が課されません。
一般納税者の現在の増値税率は13%ですが、還付率は商品ごとに異なります。
上記の計算式により、企業の輸出した商品がより高い還付率を享受する場合、より低い還付対象外の税額をもたらします。上述により、支払うべき増値税額が減額されます。支払うべき増値税額がマイナスの場合、適用される限度額に基づいて増値税還付を申請することができます。
実際に、輸出増値税の免税・控除・還付の計算は、企業が工場譲渡及び間接輸出販売を行う可能性があるため、上記の計算式より複雑です。工場譲渡及び間接輸出販売において、商品は実際にさらなる処理のために中国における別の事業体に移られますが、税関目的で輸出されると見なされます。行政の観点から、輸出増値税還付の申請は、中国の税関、税務、外国為替の法律規制を遵守し、必要な書類を取得する必要があります。さもなければ、商品が実際に輸出されたとしても、輸出増値税還付政策を享受することができません。