■帰りたい場所と 帰れない季節
帰りたい場所と 帰れない季節
ブランコが揺れた 胸の奥で
あの扉を開けると 海が見えて
白い砂浜に よじれた足跡が流れた
手のひらから落ちていく 記憶の数を
いつの頃からか 数えている
逆立ちの言葉で キミを誘って
帽子の中に 景色を閉じ込める
いくら叫んでも もう誰も来ない
隠した言葉を 早く返して
ブランコの向こうで 世界が揺れる
昨日と明日が 行ったり来たりして
スピードをあげて 逃げ回っても
約束とさよならが 泣いたり笑ったり
春の匂いと 手を振るキミを
季節のこっち側で 見送るボク
ただそれだけで ちゃんと目に映る
帰りたい場所と 帰れない季節
思い出したよ。
湘南の、そう、西湘バイパスを走っていた。夏だった。
思い出を振り切ろうと思って走っていた。
でも、涙で前が見えづらくなって、パーキングに車を止めた。
そのパーキングから、海岸に降りて、
ポツリ ポツリ と 僕は泣いた。
帰りたい場所と帰れない季節。
また来ます。
そう思ってしまった。
夏はいつも、せつないですね。
大好きな季節なんだけど。