2013.9.30(月)
パンドラ ザ・イエロー・モンキー
PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE
at 渋谷シネクイント
THE YELLOW MONKEY
吉井和哉/菊地英昭/廣瀬洋一/菊地英二
監督 高橋栄樹
http://theyellowmonkey-movie.com/
117本という驚異的な本数のライブを敢行したPUNCH DRUNKARD TOUR(1998-1999年)。
前半はホール72本、後半はアリーナ41本を1年かけて回るという驚異的なツアーのようす(ライブ+移動やオフ)を、当時のスタッフの証言、そしてメンバーそろっての現在のやりとりで振り返る。
事務所の社長をはじめ、スタッフたちの証言には、このバンドへの愛と、過酷なツアーへの自負がさりげなくこめられていて、それもいい。
それにしても、「かっこいい」という陳腐な表現がこれほどぴったりなバンドはないような気がする。ライブのときにかっこよくないバンドは問題外だけど、ステージをおりても華がある人たちなんだなあ。
117本は彼らを疲弊させ、肉体的にはアニーは腰痛でステージに上がる寸前まで横になっていたこともあるというし、エマは膝を痛めたというし(あの演奏スタイルだしね)、ロビンは実際に疲れた表情をしていた。
それでも、カメラが回っているときの彼らは冗談を言い合い、笑い、おどけて、爆笑したりしている。ロビンの妻が精神的にきつくなりツアーに同行していたこともあると明かされる。
「あと100本」「あと75本」「あと・・・」というカウントダウンの先にもちろんラストライブがあるのだけれど、こちらも一緒に達成感を感じるというより、その先に彼らには何が見えたんだろう・・・という、問いかけの言葉が浮かんでしまった。
こんなふうに1年を過ごして、家族も含めて自分たちを追い込んで・・・、さあ、何が?
活動休止~解散は、さほどの時間もたたずに訪れたことになる。
それでも、十分納得できるほどに、彼らのステージはすさまじく激しく個性的で、美しかった。
バンドははかない・・・という。
THE YELLOW MONKEYは、そのはかなさと強さを背中合わせにして、終わったんだ。
長く続けることも美学なら、自分たちの手で終わらせることもバンドの真っ当な形なんだと、昨夜は帰り道を歩きながら考えていた。
それにしても、柔和な表情でじゃれあうようにして当時を振り返る今のメンバーたち。
多少は老けたけど、だれも太らず(笑)、相変わらず華のある四人組。
「洋楽っぽいのを目指してたことあったじゃない(笑)」
「ああ、あったあった(笑)」
「ま、(洋楽バンドみたいに)解散しちゃったけどね」
なんて言えちゃうところが、悲しいような、でもほっとするような・・・。
濃密な日々があったからこその、笑顔なんだろう。
THE YELLOW MONKEYが迎える終焉の一歩手前にあった、一年の記録。
1998年、1999年、私もあそこにいました・・・。
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