2019.6.9 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
最近よく見聞きする「ム~リ~」というやつ。
この世代(ワタシね)では使っている人はいないかも、だけど、SNSとかではときどき、たしかに見る。
「(アイドルの)〇〇ちゃんが卒業しちゃうらしいけど、オレ、マジ、ム~リ~」とか、らしい。
当然、否定的な「受け入れられんよ」という意味かと思いきや、
「このハンバーグ、うますぎて、ム~リ~」とか使うの?って。「うますぎて言葉にできない」みたいな。なるほど。
若い人の言葉、「2年くらいで古くなる?」。
草野「『チョベリバ』とか、今まさに使おうよ。おじさん、ますますついていけなくなって、マジ、ム~リ~って感じですけど」
うまい落としどころ(笑)。
さて、今回のテーマは、「バーミンガムのロックバンドで漫遊記」。
ロックの街と言えば、ロンドン、ニューヨーク、リバプール、マンチェスターなどがあがるけれど、「バーミンガム出身、あるいて由来のロックバンドって結構ある」んだそうだ。
ちょっとマニアックなテーマだけど・・・と。
オンエア曲
01 センチメンタル(スピッツ)
02 Nights In White Satin(The Moody Blues)
03 Never Say Die(Black Sabbath)
04 Confusion(Electric Light Orchestra)
05 Prayer Of A Realist(G.B.H.)
06 The Reflex(Duran Duran)
07 Rain Of Crystal Spires(Felt)
08 Season Train(RAZZ MA TAZZ)
漫遊前の一曲は、スピッツで「センチメンタル」(1998年、8thアルバム『フェイクファー』)。
カッコいいなあ。夏のフェスとかで聴きたいな。
草野「オレの中では、なんとなく勝手にバーミンガムっぽいっつうか、バーミンガム出身のブラック・サバスっぽい曲ということで選んでみました」
1曲目は、「60年代を代表するロックバンド」The Moody Bluesの大ヒット曲、「Nights In White Satin サテンの夜」(1967年、2ndアルバム『Days Of Future Passed』。今回はシングルバージョンで)。
草野くんは、上京した当時、友達もいなくて寂しい夜に、あえてこの曲を聴いていたそうです。もっと寂しくなっちゃう感じがよかったのかなあ・・・。
広がりのあるサウンド。プログレの草分け的・・・と言われているのがうなずける。
個人的には、The Moody Bluesのギタリスト、デニー・レインが、ポール・マッカートニーのThe Wingsの結成から解散までのメンバーだったことが思い出される。
下の映像で、ダブルネックギターを演奏している人。
Paul McCartney & Wings - Band On The Run (Rockshow) [HD]
なぜ、この特集を企画したのか。
ディレクターの竹内氏からもらったマンチェスター由来のバンドのコンピレーションアルバム『Manchester; A City United In Music/マンチェスター、音楽に育てられた街〜イワン・マッコールからオアシスまで』(コチラ)を聴いたことがきっかけ。
草野「60年代のthe Holliesから、10CC、パンクのBuzzcocks、ダンスロックのパイオニアthe Stone Rosesから、Oasisまで。マンチェスターはロックの街だな、とため息が出た」
普通の人は、ため息をついて終わりなんだろうけれど、草野氏はさすが・・・。グラスゴーとかダブリンとか思い浮かべて、「バーミンガムはロックの街としてはおもしろいんじゃないか」と。
草野「バラエティに富んでいて、いろんなバンドが時代ごとにきらめいている」
そして、60年代の代表として、The Moody Bluesなんですね。
そして、2曲目は、Black Sabbathの「Never Say Die」(1978年、8th『Never Say Die』)。
力強く、「オレ的には、バーミンガムのロックバンドと言えば、Black Sabbathなんですね!」。
前にも書いたけれど、草野+田村でBlack Sabbathについて熱く語っている番組ありましたよね。2000年代?
一昨年イギリスに行ったときに彼らのファイナルツアーのライブを見たそうで、「工業都市の鋼鉄を切る音がバンドサウンドに生きている。それがヘビーメタルサウンドだ」と、モーターヘッドのレミーがどこかで言っていたそうだ。
バーミンガムは産業革命以降工業都市として発展した都市だから、「工業から出たザクザクした音が活きている」と。
ところで、Black Sabbathは本当に活動を終えたと解釈してよいのでしょうか?
有名な話だけれど、ギターのトニー・アイオミは10代の頃に板金工として働いていたときに仕事中の事故で指の先端を失い、「その後、独自の奏法でギターヒーローにまでのぼりつめた」。
次は、Electric Light Orchestra(ELO)の「Confusion」(1979年、8thアルバム『Discovery』)。
「日本では、『電車男』の音楽で有名かな。前身のThe Moveもバーミンガム出身のバンドだけれど,ELOになってからヒット曲連発」と。
草野「オレがロック大陸に上陸したときには結構大スターバンドだったけど、ブラック・サバスに比べると、ちょっと爽やかというか、音がキラッキラで、これも機械的というか工業都市バーミンガムサウンドと言えるのでは?」
自分で「ちょっとこじつけになりますが」と付け加えてたけど。
久々に聴いたけど、やっぱり爽やかだ~。シャカシャカした金属音的なサウンドを、騒音と荒くれ男なイメージの工業都市と連動させるのはちょっとム~リ~?
YouTubeでよくこれを聴いていたっけ。
こんなきれいに整った「Roll Over Beethoven」!
Electric Light Orchestra - Roll Over Beethoven
次は、G.B.H. の「Prayer Of A Realist」(1982年、デビューアルバム『City Baby Attacked By Rats』)
正式にはCharged G.B.H.というそうだ。「いわゆるハードコアパンクのさきがけ」
草野「だけど、ほかのハードコアパンクバンドの比べて暗さがなく、竹を割ったようなパッキリとしたサウンドが特徴」
最初はセックス・ピストルズのようなパンクロックバンドだったようだけれど、出身地の先輩ブラック・サバスのエッセンスをとりいれて独自のサウンドを確立。そのあたりがのちのハードコアパンクやスピードメタルにもつながっていく、という「非常に重要なバンド」。
草野「G.B.Hはルックスもかっこいいんだよね。今も続けていらっしゃいますが、すごいカッコいいパンクのおじさんって感じ」
ここ、重要・・・。
ホントだ! 尖ったままのおじさんたちだ!(ココ)。ライブ映像は見つからない。残念・・・。
この歌の歌詞がいいんだ、という草野氏。
“My god, your god, whose god, there is no god ?”
「『オレの神様、お前の神様、誰の神様? 神様なんていねーじゃねーかよ』と歌ってらっしゃいます」
(アルバム名もすごい?)
たしかに、重くなくて、なんだか気持ちがすっきりするサウンドですね~。
メッセージコーナー。
学校の校舎や制服や体制などが激変真っただ中にいて、ちょっと寂しいな、ついていけるかな、というリスナーさんから。
草野くんもずっと聴いていたラジオ番組が終わってしまって(あちこちで語っていますよね)、寂しい思いをしている最中。
ラジオ聴こうと思って、ああ、もう終わっちゃったんだ~、とかね。
草野「時間が解決してくれるか、何か新しいものに愛着をもつかしかないのかな。亡くなったものへの記憶はずっと自分の中にあるので、感謝の気持ちだけは持ち続けたいと思います」
そうだなあ、やっぱり時間かな。
失ったものや人、そして受け止める個々人によって、消えていく時間の長さはいろいろだったり、苦しさの深さもさまざまなんだろうけど・・・。
夏のフェスの話題。「草野さん流の楽しみ方は?」
大きなフェスではやたら緊張するので、出演前はおとなしくしているらしい(笑)。
だけど、オーディエンスとしての野外フェス体験はないそうで、「フジロックとかライジングサンとか、キャンプサイトで泊まれるようなフェスには参加したい」と。
うん、参加させてあげたい。きっと気づかれないんじゃないかな。
海外のフェスにも興味があるし、「体力があるうちに参加したい!」。
草野「そういうときには、予習せずに、バンドや音楽とも偶然の出会いを求めて参加したい」
ああ、そういうの憧れるけど、限られたチャンスだとやっぱり「誰が出るの?」が重要になってしまうなあ(これはワタシのことです)。
次は、「80年代の大スターバンド」、Duran Duranの「The Reflex」(1984年、11thシングル)。
草野くんは、小林克也さんの「デュラ~ン、デュラ~ン」という紹介の仕方が記憶に残っているとか。
当時は、ニューロマンティックというムーブメントで語られることも多かったとか。
人気あったなあ。世代ではないけれど、好きだという後輩連中がたくさんいます。
当時、80年代のメジャーなカルチャーに「スゲー嫌悪感を持っていた」草野少年にとって、Duran Duranは「ちょっとチャラい感じで苦手だった」と。
ところがこの「The Reflex」だけは当時からカッコいいと思っていたそうだ。この曲は、彼も好きなバンドChicのナイル・ロジャース(彼がプロデュースしたINXS(インエクセス)の曲も好き。ココでも取り上げていましたね)のプロデュースだとあとから知って、そういうことか~と納得したとか。
全米・全英で1位の大ヒット曲!
草野「今聴くと、さらにカッコいい!」
これは、ほぼ最近の彼ら。
Duran Duran Wild Boys Lollapalooza Argentina 2017
最後は、Feltの「Rain Of Crystal Spires」(1986年、6thアルバム『Forever Breathes the Lonely Word』)。
Feltは、Aztec Cameraなどと同様、「ネオアコースティックを代表するバンド」。
当時の草野少年は、「Aztec Camera同様、こういうバンドも聴かなきゃいけないんだろうな、と思って聴いていた」。でも、「おっさんになってからのほうがしみるね、Feltのサウンドは。エレキギターのクリーンな音。いいです」と。
いろいろなバンドに影響を与えているそうで、「最近では、BELLE AND SEBASTIANなどにも」。
あえて、影響を受けたというBELLE AND SEBASTIANの映像を。
Belle And Sebastian - Funny Little Frog - 2006-03-01
特集の最後に、MagnumとかOcean Colour Sceneとか、ほかにもさまざまなバーミンガム由来のバンドがあって、「1時間じゃ足りないな」。
「勝手に縁を感じちゃって、いつかバーミンガム、行ってみたい」と。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、「ネズミの進化」ではじまり~。
今週は、RAZZ MA TAZZで「Season Train」。
RAZZ MA TAZZ、「世代的にはスピッツに近いんだけど、接点はまったくなかった」そうだ。
「この曲には思い出があって」、1996年に鳥取で行われたイベント「ガッツな息子でキラリ」(奥田民生+ウルフルズ+スピッツ)での「セッション曲の候補だった」とか。
結局、「スリル」(布袋寅泰)と「太陽が燃えている」(THE YELLOW MONKEY)になったんだけど、事前の会議ではこの曲の名前もあがって、草野くんは「旬だし、案外盛り上がるんじゃないかな」と思ったそうです。サビでお客さんがステージを指さす光景とかが浮かんでいたんだと。
草野「『スリル』では民生さんが布袋さんそっくりの歌唱を見せてくれて盛り上がったんで、それでよかったのかなと思いましたけど」
(私も行きました。三者三様の特徴が赤裸々にあからさまに繰り広げられて、スピッツファンとしては、うれしくもショックだった記憶あり)(笑)
曲紹介では、「この曲はアコギの音も気持ちいい」と。
私の記憶に間違いがなければ、「ポストミスチル」とか「歌詞はスピッツの作品をわかりやすくした感じ」とか言われていたこともあったような。
三木さんが病で亡くなったというニュースには衝撃を受けたおぼえがある。
髪が長めでギターを弾いているのが三木さんです。
LOVE Re-Do/RAZZ MA TAZZ
来週の予告!
古い音楽雑誌を地図に漫遊・・・のテーマで、「『ロッキンジャパン』2001年12月号で漫遊記」。
草野「恥ずかしながら、ワタクシ草野が表紙をつとめさせていただいてますが・・・。2001年の日本のロックシーンは?ということでお届けしたい」
「夢追い虫」のあと、「さわって・変わって」のリリースがひかえている時期。
中身の撮影は高級ホテルのスイートルームで行われたらしいけど、イエモンならこういう画像にはしないんだろうな、と思わせる「学生の部屋呑み」みたいな雰囲気になっている(笑)。
短髪草野マサムネです。
日本のロックはどんな時代だったのでしょうか。
そうそう、リリース直前ですけど、「優しいあの子」のカップリング「悪役」もオンエアされるそうですぞ。
「ロックロックこんにちは」情報解禁!
http://www.plumchowder.com/rockrock/23/
思いがけないところで、「夜を駆ける」が話題になっているそうだ。
https://mora.jp/topics/osusume/spitz-yoruwokakeru/