2019.10.27 21:00~
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
at TOKYO FM
ニューアルバム『見っけ』のリリースから少し時間がたって、「聴いていただけてますでしょうか?」
はいはい、いつものことながらヘビーローテーション状態であります。
話題は、サイトで著名人が語る「スピッツと私」のこと。ココですね。
草野「ハライチの岩井くんが前からスピッツを推してくれてて」
そこで、ここで彼の新著『僕の人生には事件が起きない』(新潮社)を「ここで推薦しましょうか」(笑)。
草野「シニカルなエッセイ集で、すごくおもしろかったです」
インタビューを読むと(ココ)、なかなか一筋縄ではいかない人物のようで、こういう人にスピッツを「推してもらえる」のは、ちょっと満足。
今夜は、「名古屋のロックバンドで漫遊記」。
10月4日にフラワーカンパニーズの30周年のイベント(よかったら、ココです)に参加したり、今回のプロモーションでFM愛知に行ったり、「何かと縁のある名古屋です。名古屋には、なかなか個性的なバンドが多いんですよ」。
「名古屋で結成されて名古屋での活動期間がある」という括りだそうです。
オンエア曲
01 ありがとさん(スピッツ)
02 恋をしましょう(フラワーカンパニーズ)
03 Open The Attack(Sniper)
04 FREE LANCER(THE STAR CLUB)
05 左ききのBaby(BLANKEY JET CITY)
06 Puzzle(04 Limited Sazabys)
07 未完成ワールド(クアイフ)
08 N.E.O.(CHAI)
09 ハレーション(たむらぱん)
漫遊前の一曲は、スピッツで「ありがとうさん」(2019年、ニューアルバム『見っけ』)。
前回、「大人の恋の歌には聴こえない」「『化けてでも・・・』から死んだ恋人の視点で歌われた曲と言われても・・・」と書いたけど(ココです)、今ぼんやり聴いていたら、昔見たアメリカ映画(『ゴースト』ではなく、もっともっとず~っと昔の映画)で、亡くなった人がこの世をさまよっていても誰にも気づいてもらえないというシーンに幼心が耐えきれなくなったことを思い出した。あれはなんという映画だったんだ?
なんだか違った曲に聴こえてきて、それもまたおもしろい。
リクエストされた方からのメッセージ。
2005年のライブで銀テープが舞い(普通のツアーライブで銀テープって見たことないから、夏の主催イベントかな?)、会場を出るときに落ちたテープを見たら、「ありがとさん」というサインがあったとか。
「スピッツらしいなと思いました。そして14年後、この言葉がステキな曲になったのですね」
へ~、知らなかった。
草野くんも「オレ、これ全く覚えてないわー」(笑)
スタッフのアイデアではないか?と。「予言者かもしんないね」と。
さてさて、最初の曲は、「オレたちからすれば、名古屋のバンドといったらこのバンド!」、フラワーカンパニーズの「恋をしましょう」(1996年、ミニアルバム『恋をしましょう』)。
これ、この前の30周年イベントで、2バンドのセッション曲としてスピッツが選んだ楽曲。
Aメロのラップ風のところが、「難しかったね。そういうラップとか喋りっぽい歌い方の素養がまったくないからね」
「あと、『色目をむいて~』の高いところ、あれも大変だったね」
でも最近はそういう「困難」が伴うような曲をカバーするのが「楽しい」と。「前前前世」もそうだったしね。スピッツ、50代に入って、攻めてるね。
フラカンは、全員名古屋出身の同級生バンド。グレート前川さんは「筋金入りの中日ドラゴンズファン」だそうで、「名古屋!っていうバンド」と。
次の曲は、Sniperで「Open The Attack」(1984年、1stアルバム『Open The Attack』)。
草野少年が中学生のころ、「名古屋のバンド」として初めて意識したバンドだそうだ。
当時の『ロッキンf』という音楽雑誌で、「メタルバンドで、名古屋にすごいバンドがいる!」という紹介のされ方をしていたとか。カセットでよく聴いていたとか。
今回、入手困難な音源を、Sniperのギター、日下部BURNY正則さんからいただいたそうだ(スピッツのライブスタッフが親しくしている)。
BURNYさんは今でも吉井和哉ソロライブなどで、「バリバリ現役で」演奏している。
80年代当時、アームやエフェクターに頼らないむき出しの演奏が「とってもかっこよかった。ちょっと憧れていたんですけど」と。
OPEN THE ATTACK SNIPER ジャパメタ お宝映像
いやいや、理屈なくカッコいいではありませんか。
草野「ボーカルのKINNYさんの歌声もすばらしいです。好きです」
次は、THE STAR CLUBの「FREE LANCER」(1986年、メジャーデビューアルバム『Final Count』)。
草野「THE STAR CLUBは、80年代の日本のパンクロックを代表するバンド」
友人にもファンがいて、その影響で聴くようになったとか。
「ボーカルのHIKAGEさんがかっこいいんですよね。当時のパンクロック界のカリスマと言われていました」と、うれしそう。
草野「曲のほうは疾走感があって、パンクロックの暗さはそれほど感じられないけれど、ラジカルさが前面に出ている」
下は、『Final Count』のジャケット。HIKAGEさん、たしかに雰囲気があってステキだ。
次は、BLANKEY JET CITYで「左ききのBaby」(1997年、10thシングル)。
ブランキーは浅井さん、照井さんは名古屋出身だが、メンバー3人が東京で結成したバンド。
だから名古屋のバンドとは言えないのかもしれないけれど、
〇浅井さんは名古屋弁のイメージがある。
〇浅井さんの名古屋愛発言をきいたことがある。
の2点から、「今回、名古屋のバンドに入れちゃいました」。
単に「ブランキーの曲をかけたかった」んだな。
草野「ブランキーは歌詞がすげーなといつも思ってました。危険な匂いと切なさが同居している、ブランキーでしかありえない」
草野くんは今でも、作詞で煮詰まったときには、脳みそを解放させるべく、BLANKEY JET CITYや浅井さんソロの曲を聴くこともあるそうだ。
(この曲は歌いだしから刺激的な歌詞で、浅井さんの濃い世界が味わえる)
ここからは、「ちょっと新しめなバンド」をご紹介。
まずは、04 Limited Sazabysの「Puzzle」(2019年、5thシングル『SEED』)。
草野「個性的なハイトーンのボーカルとスピード感あふれるバンドサウンドが気持ちのいいバンド」
スピッツ30周年のスペシャの番組で、「コメントをくれたんだよね。その節はお世話になりました」。
ココで、思いがけず04 Limited Sazabysの話題が。
そして、「Squall」のMV。
04 Limited Sazabys「Squall」(Official Music Video)
次は、クアイフの「未完成ワールド」(2016年、2ndミニアルバム『Life is Wonderful』)。
2012年結成のギターレスバンド。
草野「このバンドの楽曲は、オレの持っていない要素でできあがった感じ・・・。おもしろい曲が多いです」
ロックだけじゃなく、ジャズとか・・・、クラシック以外の要素も多い曲、とか。
草野「材料に何使ってんのかわかんないけど、めちゃ旨いスープ」
(さすがの言葉選び)
クアイフの森彩乃さんも感激しています。
https://twitter.com/moriayano/status/1188445262240333824?s=11
この曲も、ポップなのに転調につぐ転調で「プログレっぽさがわくわくする」と。
(ピアノボーカル、ベース、ドラムのスリーピースバンド。才能が溢れている感じの眩しいバンドだ)
最後は、CHAIで「N.E.O.」。
今年の夏は、VINTAGE LEAGUEで、OKAMOTO'Sを3バンドで共演。
初めてCHAIを知ったときは、聴いたことのない世界という感じで「なんじゃ、コレ!」と思ったそうだけど、「リピートしちゃうんだよね」。
「不思議な中毒性のある曲」と。
海外での評価が高いのは、「日本語なのにワールドな感じがするのかな。これからも頑張ってほしいバンドです」。
特集終わりに。
このほかにも名古屋のバンドとしては、SPYAIR(2005年結成)、Coldrain(2007年結成)、「スピッツがインディーズのころ対バンした」The原爆オナニーズ、などがあり、「スキマスイッチはバンドじゃないんで、今回は外させてもらいました」。
草野「勝手な印象だけど、名古屋のバンドって、しっかりコア、というか芯になるものをもっている人たちが多い。(名古屋の)街に強烈な個性というのが薄いぶん、それに頼れないのかなあ」
「リバプールのバンド」などという括りだと、「ああ、リバプールね~」というイメージを抱いたりするけれど、名古屋のバンドはそれぞれの個性は強い!と草野氏。
最後は、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
今夜は、たむらぱんで「ハレーション」(2008年、10thシングル、これ以前はすべて配信のみ)。
名古屋のお隣の岐阜県出身だそうだ。
「新木場サンセット」にも一度出演。
草野「聴いてて落ち着く歌声と、独特のメロディーセンスを持ったシンガーソングライター」
最近は、アイドルへの楽曲提供やプロデュース、声優やアートコラージュなど、「音楽以外にも多才な活動」をしているそうだ。
たむらぱんさん、喜んでる・・・。
https://twitter.com/tamurapan_ayumi/status/1188478019268014081
(オリジナルアルバムをもっていないのでファンとは言えないけれど、ベスト盤『tamuLAPIN』はときどき聴く。
キャッチーなようで普通の日常言語の羅列がふっと突き刺さって、おばさんの気持ちを洗ってくれることがあります。(笑)
力の抜けた声が好きです。)
来週は、「ラジオにまつわるナンバーで漫遊記」。
ニューアルバムには「ラジオデイズ」というラジオ愛を歌った楽曲があるしね。
ラジオにまつわるロックナンバーって、結構あるそうです。
そういえば、洋楽にも邦楽にもありますね~。
ロックかどうかはおいておいて「壊れかけの~」とか、あ、カーペンターズとかジュディマリとか、コステロにもあったっけ。
どんな曲がセレクトされるか、楽しみです。
「平等」なんて絵空事で、みんなそれぞれの「不平等」に押しつぶされそうになりながら闘ったり抗ったり、ときには屈したり諦めたりする毎日を送っている。
そんなことはわかっているし、こういうことを言っていいのかわからないけれど、だから人生は味わい深いしおもしろい。
古い人間だから、ちょっとは苦労している人のほうが気持ちをわかってくれそうな気がしたりする。
だけど、政治家が「与えられた環境に甘んじて、それなりにがんばれよ!」は絶対に言ってはいけないし、その前に、そういう考え方の人に政治を担ってほしくないと、強く思うのです。