隠れ家-かけらの世界-

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「たまに原点回帰したくなる」~バズコックスで漫遊記

2022年03月15日 12時37分32秒 | スピッツ

2022.03.13
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO



 3月3週目。
 少し前の録音なので、世の中の状況と少しずれているところがある、という前振りのあとで、「不安なニュースの中、余裕のある方も、ギリギリの方もちょっとした息抜きにしていただけたら」。

 草野くんが少し前に行ったズーカラデルのライブでの、ベーシスト 鷲見くんのMCでの「フェイク食材」に言及。
 「偽物の食品」という意味ではなく。
 例えばスーパーで、肉と豆腐と白滝をかごに入れてレジに行って「ああ、この人の夕食はすき焼きなんだな」と気づかれるのが恥ずかしいから、わざと微妙に関係ないトマトやチーズなども買う・・・というときの「トマトやチーズ」の類を、こう言っている。
 草野くん自身は、あ、なんかわかるな、と思ったそうだけど、「人によっては、なんでそんなことを気にするの?ってことになるのかな?」。
 草野「これって、自意識過剰の度合いによるのかな。実際にレジで働いている人たちはこんなこと気にしていらっしゃらないでしょうし」と。
 (うーん、個人的なことを言えば・・・、気にしたこと、ないかなあ。あ、でも遠い昔、好きな役者(ちょっとアイドルっぽい売り出し方だった)の特集雑誌を買うとき、それと一緒に、硬派なノンフィクション的な内容の文庫本をレジに持って行ったことあったな。書名は忘れちゃったけど。あれと同じような気持ちなら、少し理解できるかも)

 そして、今日の特集は、【バズコックスで漫遊記】。
 70年代後半のUKパンクシーンから活躍するバンドで、その後のポップなパンクロックにも多大な影響を与えている。
 草野くん自身は、インディーズ時代の初期のころ、曲作りをするうえで影響を受けていた。
 草野「今日は、ロックバンドのバンドマンとして初心を取り戻すべく、このバンドを特集したいと思います」


 オンエア曲
 01 メモリーズ(スピッツ)
 02 I Don't Mind(Buzzcocks)
 03 Boredom(Buzzcocks)
 04 Orgasm Addict(Buzzcocks)
 05 Ever Fallen In Love(With Someone You Shouldn’t’ve)(Buzzcocks)
 06 Autonomy(Buzzcocks)
 07 Thunder Of Hearts(Buzzcocks)
 08 Wish I Never Loved You(Buzzcocks)
 09 Recoil(Magazine)
 10 YELLOW MAGIC CARNIVAL(MANNA)


 漫遊前の一曲は、スピッツの「メモリーズ」(2000年、22thシングル/2004年、スペシャルアルバム『色色衣』)。
 「(スピッツの曲の中で)なんとなくバズコックスの曲のイメージに遠くないかな」ということで。
 (『ハヤブサ』に収録されたアルバムバージョンも好きだけど、バズコックスのイメージとか考えると、よりシンプルなこちらがたしかにふさわしい)

 最初の曲は、「バズコックスの代表曲かな」、Buzzcocksの「I Don't Mind」(1978年、3rdシングル/1978年、1stアルバム『Another Music in a Different Kitchen』)。
 (大好きだー。すごく懐かしいけど。)
 「バズコックスってどんなバンド?」と聞かれたら、「とりあえず、これ聴いて」という曲。
 スピッツが今の4人になる前、ブルーハーツに出会う前は、「バズコックスの主にこの曲を参考にして、曲作ったりしてました」。
 「今聴いても、メロディアスなのにパンクロックで、いい曲だなと思います」と。
 (ZO-3で歌ってくれたフレーズ。歌い方が若くて、ちょっと笑ってしまった)


 バズコックスとは・・・。
 1975年、イングランド北西部マンチェスターの都市ボルトンの工業大学に通っていたハワード・ディヴォートとピート・シェリーが、音楽を通して知り合う。
 2人は翌年の2月、ロンドンでセックス・ピストルズのライブを見て大感動! そこで、マンチェスターに彼らを呼んでジョイントコンサートを企画。
 そこでメンバーを組んでライブをしたら、「目指していたパンクロックのサウンドにならなかったので、メンバーを入れ替えたり、すったもんだのあげく」、76年7月に、マンチェスターでセックス・ピストルズの前座としてデビュー。その後、マンチェスターのロックシーンを牽引する存在となっていった。「マンチェスターのロックシーンを語るには外せないバンド」


 次の曲は、「『I Don't Mind』より前の、初期の曲」、Buzzcocksの「Boredom」(1977年、EP『Spiral Scratch』)。

 今日かける曲の中でも「雰囲気がちょっと違う」。
 ボーカルのハワード・ディヴォート時代は短いけれど、「いかにもUKパンク!という感じ。歌い方もセックス・ピストルズのジョニー・ロットンさんに寄せた感じ。曲も全然メロディアスじゃなく、どっちかって言うと若者が怒っている感じが伝わってくる」。

 このころのバズコックスは、「自分たちでレーベルを立ち上げて、インディーズで録音してリリースして人気を得る手法の走り」。
 ハワード・ディヴォートはのちに、Magazineというバンドを結成、「このバンドもいいんですけど」と。

 次の曲は、Buzzcocksの「Orgasm Addict」(1977年、1stシングル)。
 再び、ハワード・ディヴォートが抜けたあとのバズコックスの曲。
 草野くんが初めて買ったバズコックスのアルバムは初期のベスト盤で、「そのA面1曲目がこれで、すごく勢いのある曲」。
 バズコックスは「ドラムがすごい特徴的で大きな魅力。はっきり言って、あんまりうまいドラマーではないが」。
 スネアを細かく聴かせる、おかず的な、のちのドラムンベースにつながるような手数の多いプレイが、「初期パンクの切羽詰まった雰囲気を出している」。
 このドラムが嫌でバズコックスを聴かないという友達もいたけれど、「オレは結構好きなドラムです」。
 (記憶に間違いがなければ、この曲はBBC?で放送禁止になった?)

 次は、「最も商業的な成功をおさめた楽曲」、Buzzcocksの「Ever Fallen In Love(With Someone You Shouldn’t’ve)」(1978年、6thシングル/1978年、2ndアルバム『Love Bites』)。
 パンクロックのジャンルなのに切ないメロディーの曲で、「やっちゃってもいいんだ~」という「目から鱗な曲でした。なので、ブルーハーツに出会う前は、福岡のアンジーとこのバズコックスが、曲作りの上で教科書的な存在でした」。
 パンクの激しさと屈折感にキャッチーなメロディーが乗っかってる・・・という音楽を目指していたので、「これもお手本的な曲でした」。
 バズコックスの曲の中でいちばんヒットした曲というのも「うなずけますね」。
 (疾走する感じと、変化にとんだ流れるメロディーが、パンクからはちょっと距離を保つ)
 草野「(With Someone You Shouldn’t’veは)『君さ、ほかのだれかとは恋に落ちないでよね』という意味でしょうか」
 Buzzcocks - Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn’t’ve?) (TOTP, 1978)


 次の曲は、Buzzcocksの「Autonomy」(1978年、3rdシングル「I Don’t Mind」のカップリング曲)。
 ハードロックなアプローチで、ライブで盛り上がっただろうな、と想像できる。
 (スピッツの切ない系のシングル曲のカップリングに、「船乗り」なんかがくる感じ? 違うか)


 メッセージコーナー。
 WOWOWの『優しいスピッツ』で横からのメンバーの映像を見て、イヤモニに興味を持ったリスナーさん。
 「あまりにぴったりしてるけど、デスマスク作るときみたいに耳に液体を入れて型を取ったのかな?」
 「外の音はどんなふうに聴こえるのかな?」
 「あんなにぴったりはまってて、気持ち悪くないのかな?」
 「耳はかゆくなったりしないのかな?」
 などなど。
 粘土のようなもので型を取るので、「ビタッとフィットしています」。
 スピッツが使っているのは、もともと補聴器などの医療関係のメーカーの製品。
 肌の弱い人は夏に汗をかいたりしてかゆくなるかもしれない、と。
 大音量で演奏するロックのミュージシャンは「イヤモニにしたほうが、鼓膜とかを保護する意味で、耳にはいいそうです」。
 「オレみたいなエッジのないボーカリスト」は、足元のモニターからだと聴こえにくいので、イヤモニにしたことで格段にモニターしやすくなったそうだ。
 会場の声は集音マイクで録っているので、ちゃんと聴こえている、と。
 (10年くらい前、息子たちに医療メーカーの高価なイヤホンを作ってもらって、粘土で型をとったのですが、こんなに細くてまっすぐな耳穴は例がないと言われ、3回くらい型を取り直すはめに。別にプロでもないのに、なんで?というくらい不思議な体験でした。ちなみにあの頃なのでコードレスではないのですが、人生で初めて「イヤホンって耳にフィットするんだ~」と思えた製品でしたよ。)

 「憧れの名前ってありますか?」
 草野くんは、むしろ「草野」ではない姓を考えたことがあるそうだ、「鈴木」とか「佐藤」とか。
 またアニメの『マジンガーZ』に出てくる早乙女研究所から、「『早乙女』ってカッコいいな」とか、『仮面ライダー』に変身するおにいさんの「一文字隼人」から、「『一文字』っていいな」とか。
 調べてみたら、「一文字さん」は全国で240人くらいいらっしゃるそうだ。
 草野「『一文字マサムネ』・・・、ちょっとキャラ立ちすぎかな」
 また、特に禅宗のお坊さんの名前、「一休」「良寛」「沢庵」など、物語が浮かぶような名前もいいな、と。
 草野「ないものねだり、というか、人の名前が羨ましくなるって、みなさん、ありますよね」
 (あるある。でも草野くん、「正宗」はきっと気に入ってるんだろうな)


 次は、Buzzcocksの「Thunder Of Hearts」(1999年、6thアルバム『Modern』)。
 バズコックスは、1981年に一度解散し、8年後の89年に再結成し、現在に至る。
 「Thunder Of Hearts」は、1999年の作品。
 90年代、バンドとしてはベテランに域に入っていたが、ロマンチストの悪ガキのバズコックスの持ち味はそのまま。「ただ、サウンドはちょっとモダンになったかな」

 次は、Buzzcocksの「Wish I Never Loved You」(2006年、8thアルバム『Flat-Pack Philosophy』)。
 2006年の作品。
 このあたりの曲は、草野くんは最近になってサブスクで聴き、ずっとポップなパンクロックにこだわって活動していたのだと知って、「ちょっと感動してしまいました」。
 このアルバムのジャケットに「必要な時にご覧頂けるように、この情報を保管しておいて下さい」という謎の日本語があり、意図するところは不明だけれど、草野くんは「ずっとバズコックスのことを忘れるなよ」というメッセージだと受け取っているそうです。
 


 最後は、Magazineの「Recoil」(1978年、デビューアルバム『Real Life』)。
 Magazineは、結成当時のメンバーだったハワード・ディヴォートがバズコックスを抜けたあとに結成したバンド。
 あまり知られていないけれど「なかなかいいので」、ここで紹介。
 (Wikipediaには、「『評論家の選ぶバンド』とも言われ、歌・演奏・歌詞ともに同時代のバンドの中では異色の存在感だったが、商業的には成功しなかった」などと。ただし、「後年、Radioheadが『影響を受けた』と語っており、再評価された」と)

 バズコックスは、2018年に、結成以来の中心メンバーだったピート・シェリーがな心臓発作で亡くなったが、その後もオリジナルメンバーのスティーヴ・ディグルを中心に活動を続けている。
 ただいま、UKツアーの真っ最中で、夏にはニューアルバムリリースの予定、「楽しみですね」と。
(以下は、最新アルバムからの1stシングルのMV。)
Buzzcocks - Senses Out Of Control [Official Video]


 そして、特集の最後に。
 スピッツはもともとパンクロックの影響で始めたバンド。その後いろいろな要素を吸収して今があるが、「たまに原点回帰したくなる」。
 草野「今日はバズコックスの曲を聴いて、そんな初期スピッツのころの気分を取り戻しました。さすがに膝が割れたGパンはもう履けないですけどね」
 (原点回帰。それも実は楽しみだけど・・・。)


 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 (イントロは、お、「ジェット」だ)
 曲は、MANNAの「YELLOW MAGIC CARNIVAL」(1976年、デビューシングル/オリジナルはキャラメルママ時代の細野晴臣さんの作品)。
 MANNAさんは、「すごいシンガーで、もっと知名度が上がってもいいのでは?」と。
 草野くんは世代的に、のこいのこさん、藤本房子さんらとともに、昭和のCMソング、アニメソング、ポンキッキの歌などで、「メチャメチャ聴いていた歌声」。
 有名なところでは、MANNAさんはドラゴンボールのエンディングの「でてこいとびきりZENKAIパワー!」。
Dragon Ball Z ending: 1 detekoi tobikiri zenkai power! でてこい とびきり zenkai パワー !

 草野「個人的には、この三人のベスト盤とか出てほしいなあ」

 ちなみに、「YELLOW MAGIC CARNIVAL」は、のちにYellow Magic Orchestraで活躍した細野晴臣さんの作品。「当時、細野さんの中ではYELLOW MAGICという言葉がマイブームだったそうです」。
 曲終わりで、「今の流行のシティーポップとベストマッチングな感じの曲」。アレンジは鈴木茂さん。


 そして来週は、【美メロのナンバーで漫遊記】。
 「年度末で忙しいし、不安なニュースもあるし、花粉も飛んでるし」ということで、美しいメロディーの曲で「1時間ごゆるりと過ごして」と。
 以前にも、このテーマで過ごしましたね(ココ)。
 草野「あくまでも、草野の好みのうえでの美メロです。そこんところ、よろしく」

 「草野さん、カーリング、体験してきました」
 (相方は、パラリンピックのカーリングに興味を持っていたけれど、日本チームが出ないので放送されず、残念がっていたなあ)

 リクエスト募集は、「スピッツの曲と、それにまつわるエピソード」。
 「『ロビンソン』を聴くと、テツヤさんに似ていた元カノを思い出します」
 「エクアドルに赴任していたとき、持って行ったCDで『空も飛べるはず』をよく聴いていました。今もこれを聴くと、エクアドルの空を思い出す」(先週は「タンザニア」でした~)
 などなど。
 「これ、スピッツの歌い手としてもわがまま、というか、ほとんど老後の楽しみ的なリクエスト」ということで、「スピッツ曲リクエスト、思い出エピソード添え」。


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