2018.05.13 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
http://www.tfm.co.jp/manyuki/
オープニングは、「緑も濃くなってきた今日この頃」からプロ野球の話題へ。
ラジオできいていたら、「三拍子の斬新な応援歌が流れてきた。これで選手は気合が入るの?」と思っていたら、受信状態が悪くてなぜかノイズが三拍子だった・・・ということらしい。さすがの緩めの導入。
今夜のテーマこそ、「斬新!」。
草野「オレらの世代では、洋楽情報のバイブルともいえる『ミュージック・ライフ』(MUSIC LIFE)」
その1969年9月号を傍らに置き、それを見ながら気になる曲をかけちゃおう!という企画。
草野「記事はやっぱりビートルズが多くて、表紙はエリック・クラプトン、ジミヘン、ジム・モリソンなんですけど、その超有名どころは微妙に外してオンエアしたい」
本人も「『ああ、やっぱりな』というリスナーの声がきこえてきそうですが」と言っているが、そんなの最初からわかっていますよね。
「『ミュージック・ライフ 1969年4月号』で漫遊記」! 始まるよ~。
オンエア曲
01 スパイダー(スピッツ)
02 Those Were The Days(Mary Hopkin)
03 キサナドゥの伝説(Dave Dee Group)
04 Hurdy Gurdy Man(Donovan)
05 In-A-Gadda-Da Viva(Iron Butterfly)
06 あなたのとりこ(Sylvie Vartan)
07 Race With The Devil(The Gun)
08 京都(ピロカルピン)
漫遊前の1曲は、「リクエストの多かった」スピッツの「スパイダー」。
1曲目は、「ミュージック・ライフ」、表紙をめくって最初のグラビアを飾っている女性シンガー、Mary Hopkinの「Those Were The Days」(1968年、シングル)。
大ヒット曲で、当時ラジオとかで流れすぎて、幼心に聞き飽きた記憶さえある。カバーしたシンガーも多くて、「悲しき天使」の邦題名のほうが馴染んでるかも。
それにしても、きれいな声だ。草野くん曰く、
「乃木坂48にいてもおかしくない美少女」
「全英1位、全米2位、日本でも1位を獲得した楽曲」
20世紀初頭のロシアの原曲があるそうで、これ自体がカバー曲。ロシア民謡っぽいアレンジかと思っていたら、ロシアの曲だったんですね。
ビートルズが作ったアップルレコードの第一弾アーティストとしても話題になる。
次の曲は、Dave Dee Groupの「キサナドゥの伝説」(1968年、全英1位)。『ミュージック・ライフ』では、メリー・ホプキン、ストーンズのあとのカラーグラビアを飾っているそうだ。
この当時、このバンドは来日していたようで、雛祭りの顔出し看板や餅つきの写真、はっぴ着てレコード会社訪問のようすなんかが載っている。
草野「当時、外国から来たスターたちにこういうことやらせてたんですね。びっくりというか、ほほえましいというか」(ほほえましいか??) そういえば、ビートルズ来日時もはっぴ着てタラップ下りてきたっけ。
イギリスのポップロックバンド・・・。スピッツメンバーの琴線には触れなかったんだろうなあ。
草野少年はテレビ番組のオープニングで、この曲をきいた記憶があるそうで、イントロのリフから「お~、愛に生きて 死のう♪」をZO-3を弾きつつ歌ってくれた。たしか、「あなたをつれていこう はるかなキサナドゥ♪」と続くんだ。すごい歌詞だな。訳詞なのかな、もう創作なのかな。
GSのジャガーズのおじさまたちが2000年代に演奏している映像を見たことあるなあ。
草野「スピッツでカバーしようと思ってデモテープを作ったけど、即却下された」そうだ。あらら・・・。
ここで「ミュージック・ライフ」について。
1946年、戦前からの雑誌を改名して「ミュージック・ライフ」として創刊(ふる~い!)。
50年代はジャズや日本の流行歌も扱っていたが、60年代にビートルズを特集して話題に。現在は評論家として活動している星加ルミ子、水上はる子、東郷かおる子という名物女性編集長が有名。
草野少年は東郷かおる子編集長の時代の愛読者で、「めちゃめちゃ影響を受けた」と。
「同じシンコーミュージックの雑誌の表紙ごっこで、スピッツも『ミュージック・ライフ』の表紙になったことがあった」と。あったあった! ツイッターで、この表紙を見せてくれている方がいらっしゃいますよ。ここで紹介していいのかな?? 探してみてください。
1969年といえば、夏にウッドストックもあってロックの重要な年ではあるんだけれど、「今と比べて、世界の情報が日本に伝わるのにタイムラグがあったのかなという気がします」と。
タイムラグ、めちゃくちゃありました。新譜のリリースや映画の公開なども、ずいぶん遅れていた気がするし。
草野「1968~72年というのは、ロックミュージックは豊作だなとオレは思っていて。思春期に80年代のノリが苦手で・・・。だから憧れていましたね。15年くらい前に生まれていたらな、と思っていました」
でも今思うに、「自己満足な発想だったのかな」ということです。
注目記事として、「解散説を吹き飛ばすビートルズの団結力」・・・、「このあとすぐに解散しちゃうんですけどね」(笑)
「バーブラ・ストライザンドのグラビア。若いですね」
「中古レコード屋『ハンター』の広告。メンバー募集や『レコード売ります』には住所や電話番号がしっかり書いてある。個人情報の意識とか・・・」、薄かったどころか皆無だったかも?
1969年はどんな年?
● ベトナム戦争真っただ中
● 夏には中津川フォークジャンボリー開催
● アポロ11号月面着陸
●『男はつらいよ』『8時だよ全員集合』、アニメ『サザエさん』が始まった年(へ~、知らなかった)
● 日本では、「夜明けのスキャット」「365歩のマーチ」「長崎は今日も雨だった」が流行っていた
だそうです。
続いては、スコットランドのミュージシャン、Donovanで「Hurdy Gurdy Man」(1968年『Hurdy Gurdy Man』)。
フォークのイメージがあるけれど(若いときはアイドルっぽい扱いも)、サイケな曲も多くて、「この曲はレッド・ツェッペリンがバックで演奏しているんじゃないか!といううわさもある。聴いてみるとそんな気もしてくる」。
噂じゃなくて、そうだ!という具体的な情報もあとできいたような気がするなあ。ギターやドラム、ベースが独立して主張している感じがいい。
ドノバン・・・、好きな子もいたなあ。
メッセージ。
70年代前半、洋楽ばかり聴いていて「ミュージック・ライフ」も読んでいたという。何年か前に家の解体で手放した、という話に・・。
「あー、もったいない! 一声かけていただければ(笑)」
古い音楽雑誌を読んでいるとタイムスリップできる。いいツールなので「できるだけとっておきたい」という草野くんでした。
そうですよね、雑誌ってそういう要素があると思うけれど、たしかに古い音楽雑誌には頭も体もどこかに引き戻す特有の匂いがあるような。
(当時、音楽の話をしていた人たちに会えたら、山ほど懐かしい話ができるのになあ)
大人になってからはさすがに「好きなアーティスト」が掲載されたりとか、興味ある記事があるから、という理由で購入するから、冊数も限られて、私もどうにか保管してはいるけれど、若い頃は際限なかったからなあ(笑)。
実家の自室のベッドの下に、『ミュージック・ライフ』ほかの音楽雑誌(古本屋で見つけたものも含めて)、相撲関係の雑誌(好きだったんです)、歌舞伎関係の雑誌(これも高校の頃好きだったんだっけ)が溢れかえっていたっけ。
現在、何十年も整理していない天袋に実家から持ってきた(というか、「持って行ってよ!」と母に怒られて持ってきた)雑誌があるはずなんだなあ・・・。今年の大掃除のときに整理しよう。きっと読み始めちゃって、結局整理はできないだろうけど。
すみません、自分の話はここで終わり・・・。
後半第1曲目は、Iron Butterflyというバンドの「In-A-Gadda-Da Viva」(1968年『In-A-Gadda-Da Viva』)。
60年代のアメリカ、サンディエゴ出身のバンド。ヘビメタバンドのルーツの1つと言われる。
草野「ヘビーでサイケな曲が大ヒットミリオン、というのは時代かな、という気がします」
雑誌の真ん中あたりで特集が組まれているそうだ。
草野くん曰く、エリック・キース・ブランというギタリストがベイシティローラーズのメンバーみたいなルックスなので、それで特集に取り上げたのではないか、という見解です。音楽雑誌のミーハーな部分は大事です(笑)。
記事によると、このギタリストはジャズギタリストとして高名なバーニー・ケッセルの指導を受けていたようで「基本はばっちり」らしい。草野氏もバーニー・ケッセルは大好き、と言っています。
本来は17分の長い曲で、ここではラジオエディットをかけたそうだ。あのリフが17分続いたら、結構頭の中それでずっと回っていくかも。
曲終わりで、「このリフ、ついつい弾きたくなるんですよね」とZO-3で演奏。
Nasの「Hiphop is dead」という曲でこのリフがサンプリングされているので、「今はそっちのほうが有名かも」。
次は、Sylvie Vartanの「あなたのとりこ」。
後半の白黒のページで紹介されていたのがシルヴィ。1969年当時は日本でもすでに大人気。
ウルトラマンのバルタン星人の「バルタン」は彼女の名前がルール!という衝撃的な逸話。そうか~、知りませんでした。(ウルトラマン好きの息子に、毎晩、バルタン星人だ! ツインテールだ!と極彩色の絵本を読んでいました)
「あなたのとりこ」はCMや映画「ウォーターボーイズ」でも使われていて、彼女の曲としては「いちばん有名なのでは?」と。好き嫌いではなく、私はやっぱり「アイドルを探せ」かな、シルヴィ・ヴァルタンといえば。
最後は、The Gunの「Race With The Devil」(1968年『The Gun』)。
モノクロの情報ページで、講談調で紹介されていて、「ついつい読みたくなってしまう」と、再現。
当時メンバーはまだ10代。ギタリストのエイドリアンは70年代後半におしゃれなシティポップな曲をヒットさせた。
ZO-3で印象的なフレーズを演奏して、「これは耳にこびりついて離れない」。
ギターがかっこよくて、疾走感が心地よい曲。
曲終わりに、さっきの演奏は「キーが違ってたな」とやり直し。
最後に、この「音楽雑誌を見ながら」という手法は「シリーズ化できるな」。期待しています!
『ロッキンジャパン』や『音楽専科』などのバックナンバーでやってくれそうだ。
個人的には、懐かしい時代のことも思い出したいけれど、なんとなくバタバタしていて音楽にあまり触れられなかった80年代前半とか(まさに草野マサムネ青春時代?)、音楽雑誌で振り返ってほしいなあ。
そして、「ちょっぴりタイムマシーン」のコーナーは、ピロカルピンの「京都」(2009年、HMV限定シングル)。
草野「スピッツリスペクトを表明しているバンドがいる、ときいてCDを買ったら、すごくよかった。こういうミュージシャンに支持してもらえるのはとてもうれしい」
これは、うれしいコメントだろうな、と思ったら、こんなツイート。
https://twitter.com/pirokalpin/status/995677039364472832?s=11
https://twitter.com/pirokalmatsuki/status/995648966199918597?s=11
「最新のアルバムもすごくいいんだけれど、今日はちょっと古めの曲で」と。
いろいろな音が重なり合って、きれいな声を膨らますサウンドがステキな楽曲です。
そして来週は、「ロックな昭和のアニソンで漫遊記」だそうだ!
最近はバンドが関わっているアニソンも多いけれど、草野氏にとっては「アニソンといえば昭和」。サビでタイトル名を連呼するような?
「ロックなフレーバー漂うアニソン」を紹介してくれるそうだ。
「またお会いしますよ、お元気で!」
以上でした!!