■迷い子
甘い汁が口の中に広がって
乾いた風の向きが 突き刺さる午後
いくら眠っても寝足りない 幼子のように
僕らは黙って 肩を寄せ合う
数百メートル先に 夢のトビラがあっても
今はもう 一歩も歩けない
キミの口からさっき洩れた
あのため息が 翳をつくる
見えないものしか信じられない
この因果な尖った癖が
僕とキミの霞んだ道筋から
声も色も 隠してしまうのだろう
もう少し こうしてまどろんで
喉の渇きをそのままにして
キミが昔教えてくれた 下品なギャグで
あのときみたいに なれるかな