2017.4.27
Paul McCartney
“ONE ON ONE”
at Tokyo Dome
2年前のツアーのときは参加しなかったので(だってその前のツアーからあまりにすぐで、気持ちが乗らなかったから)、3年半ぶりのPaulのライブ。
やっぱり独特のワクワクで、行きの電車の中でも「ちょっと楽しみだね」と。
最初にいちばんの感想を書いてしまうと、「元気だー!」(笑)。
1980年代後半には70年代のWingsのライブ映像をよく見ていたので(あのころは、キラキラ度は収まったけど適度な艶っぽさで私にとってはビジュアルOKなポールです)、1990年のワールドツアーで見たポールは「ああ、老けたなあ」だったのだが・・・。
でもあれからずいぶんな年月が過ぎたのに、あれ以降、この人の時間は止まってしまったかのように全く変わっていない気がする。
サービス精神も、日本語を交えてのMCも、キーを変えずに頑張る声も、演奏スタイルも、チャーミングなしぐさも笑顔も。
「See you again」みたいなことを最後に言っていたけど、
「また来るね、きっと」
と、ライブ後に相方と交わした言葉はこれだったのです。すごい74歳です(って、この感想かっ!と言われそう)。
セットリストは以下のとおり。
01 A Hard Day’s Night ☆
02 Junior’s Farm
03 Can’t Buy Me Love ☆
04 Letting Go
05 Temporary Secretary
06 Let Me Roll It
07 I’ve Got a Feeling ☆
08 My Valentine
09 1985
10 Maybe I’m Amazed ☆
11 We Can Work It Out ☆
12 In Spite of All the Danger
13 You Won’t See Me ☆
14 Love Me Do ☆
15 And I Love Her ☆
16 Blackbird ☆
17 Here Today
18 Queenie Eye
19 New
20 The Fool on the Hill ☆
21 Lady Madonna ☆
22 FourFiveSeconds
23 Eleanor Rigby ☆
24 I Wanna Be Your Man ☆
25 Being for the Benefit of Mr. Kite! ☆
26 Something ☆
27 Ob-La-Di, Ob-La-Da ☆
28 Band on the Run
29 Back In The U.S.S.R. ☆
30 Let It Be ☆
31 Live And Let Die
32 Hey Jude ☆
encore
33 Yesterday ☆
34 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band(Reprise) ☆
35 Hi, Hi, Hi
36 Birthday ☆
37 Golden Slumbers ☆
38 Carry That Weight ☆
39 The End ☆
(☆はビートルズの楽曲)
ビートルズ、ウィングス、ソロの曲をベース、エレキギター、アコギ、ピアノで熱く熱く演奏するポール。
ドームの巨大な空間がいとも簡単に1つになるすごさ。
「ビートルズで初めてレコーディングした曲」という紹介で演奏された、クォリーメン時代の楽曲「In Spite Of All The Danger」とか、「ドームで初演奏」という「I Wanna Be Your Man」(ジョンとポールの作品でストーンズに提供された曲だけれど、これを聴くとすぐにリンゴの演奏姿が浮かんできてしまう)、そういう「初めて」はやっぱりうれしい。
ビートルズだけではなくウィングスのアルバムやライブCDも大好きでよく聴いていたので、「Junior’s Farm」や「Band on the Run」は本当にうれしい。
ビートルズの曲は、本当にもっともっと聴きたいのがありすぎて、その数が多すぎて表せないくらい。ジョージも亡くなって、今ビートルズの曲をビートルズとして演奏できるのはポールだけだと思えば(リンゴの立ち位置はちょっと違うし)、この人の枯渇することを知らないかのような活力は救いだ。
だから、私のようなわがままな人間はついつい願うことが増えてきてしまう(恥ずかしいぜ)。
1990年のころは、ビートルズの曲、どのくらいやってくれるの?という半信半疑の気持ちが大方を占めていたから、ラストでポールのピアノから「Golden Slumbers」のイントロが聴こえてきたときの深い感動は忘れられない。そのあとの「Carry That Weight」~「The End」のセッションはライブ映像を何度見返したことだろう。
そういう純粋な喜びや感動だけに浸っていればいいのに、ここまでくるとついつい「あれを聴きたい」とか「その曲はもういいんじゃない?」とか・・・。すみません、ポール。
それでも、もちろん、ジョンへの「Here today」には心が震えたし、「Something」にはジョージの曲の内省的なすばらしさをやっぱりこの人が伝えていってくれるんだなと思ったり。キャッチーは初期の曲には過ぎた時間を忘れるほど躍りだしたくなる。
今回もバンドのメンバーのパフォーマンスはすばらしく、「Blackbird」や「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」のときのバックの映像(前者では影絵の中で飛び立つ鳥、後者ではサイケデリックな極彩色の映像)は印象的だった。
ポールは終始ご機嫌だったし、私たちを盛り上げてくれたし、「Live And Let Die」でのステージ上の爆発、火炎放射器からの炎は迫力だったし、大きな音に耳をふさぐポールはチャーミングだったし。
そうそう、「You Won't See Me」(これが聴ける日が来るなんて)だったか、「よく聞かれるんだ、どうやって曲をつくるの?って」と言ったあとで弾き始めたアコギのイントロは美しかったなあ。
それから最後のわがまま(笑)、アーカイブでリリース(ココ)されるという『Flowers In The Dirt』から1曲だけでも聴きたかった。大好きなアルバムなので。
でも、帰り道と遅い夕食のとき、相方といろいろ話せた昔のこと、好きだった音楽のこと、レコードの針のこととか(笑)・・・。それはこの夜のポールのおかげです。私にも、そういうことだけ考えて生きていられた時代があったということを思い出せた。
ポールに、心からありがとう!
昔のブログで、こんなのを見つけた。自分で書いて、すっかり忘れていました。
今と同じようなこと言ってるなあ(-_-;)。
http://blog.goo.ne.jp/kakera1221/e/84dde5b883ae767083876b94c22e3399
http://blog.goo.ne.jp/kakera1221/e/81191a7700ea8859f2e1c95c1c1e411d
ここからは、ちょっと不愉快に感じてしまう方もいらっしゃるかも・・・なので、気をつけて書こう。
私の席はスタンドの前のほう、アリーナ席はダメだったけど、私としては満足できる場所でした。
当然のように、ライブが始まってうれしくて立って聴いていて、ポールがピアノの前に座ったところで私も着席したのです。というのは、ほかのブロックでは立っているお客さんも見えたのですが、私のブロックは前に立っている人がいない!!
後ろもそうなのかな、と思い、少し不安になっていたことも事実です。
でも、ロックライブだし、ピアノを離れたポールが演奏を始めたのは、「We Can Work It Out」! もう気持ちが入ってしまって、立つしかないでしょ!と。
ところがそこで、斜め後ろの男性から背中を軽く叩かれたのです、軽くですよ、ホントに。そして「見えないから座ってください」と。あくまでソフトな口調で。
えっ!っと思って後ろを少しだけ見たら、たしかに誰も立っていない、整然と座って聴いている・・・。慌てて着席しました。
先ほども書きましたけど、ほかのブロックではまばらではあったけれど、立ってノッている人がいないわけではなかったのですが。
アンコールになってから、「立ってもいいですよ」と再び合図してくれたけど、もうそういう気持ちにはなれず。
ポールが退場するときになって、立ち上がって拍手する人もいらしたけど。
終わってから、相方に冗談で、
「『Back In The U.S.S.R.』を座って聴くことになるとは思わなかった」
「74歳のポールが元気にパフォーマンスしているのに、お客さんは座ってたよね~」
とか言って苦笑いされちゃったけど(笑)。
スピッツをはじめ、諸々のバンドのライブではこういうこと経験したことないし、正直戸惑ったのは事実です。立って聴くべき、なんてそんなことはこれっぽっちも思ってはいないけれど、そこのところは自由に、かな、くらいの認識でした。
だけど、帰ってからツイッターを見ると、
「スタンド?って思ったけど、アリーナと違ってゆっくり座っていられるからよかったかも」
というようなTLをいくつか見つけて、ああ、そうなのか・・・と。それなら「見えない」のは苦痛だし、不愉快だろうな、と。
以前のポールのライブではスタンド席でもこんなことはなかったし、やっぱり自然に、訪れる私たちのほうが確実に年を重ねて、状況も変わってきたのかもしれない、そう感じました。
少し寂しかったけど、立って暴れたかったら(暴れはしませんけど(笑))、アリーナ席をとれ!ということか?
ま、どうでもいいことかもしれないけれど、疲労感もなく終わってしまったライブで、でも納得しなければとも思ったのです。
ひょっとして、スピッツのライブも20年後にはそうなっているかもしれない?
当たり前じゃないの、と思われる方もいらっしゃるでしょう。配慮がないわねって。
でも、私にとっては初めての経験だったので、ちょっと書いてしまった・・・。失礼しました。
この話題は、これでおしまい!ってことで。
あ・・・、でも、そんなことは関係なく、ポールが見せてくれたのが心地よい熱いロックな夜だったことは間違いありません、悪しからず。