日時:4月17日
映画館:バルト11
パンフレット:A4変形横版700円。監督ほかのインタビュー掲載。この手の映画にしては、内容が浅く割高感。
はてさて、これは困った映画だぞ。ものすごくものすごく楽しい反面、かなり喰いたりない。評価カテゴリーは「良かった、面白かった、気に入った」と「観た私が悪かった・・・」の双方を付けたいくらいなので、とりあえず中間をとって「普通、まあまあ、及第点」。
まず予告編どおり、ミニスカ・網タイツの女の子戦士、日本刀に武者ロボット、塹壕戦にドイツ兵、パワードスーツに阻塞気球と飛行船、リベレーター爆撃機にドラゴン、未来都市にメタルガンマンと、ワタシたちの世代が思春期に見てきたような映像が盛りだくさん。
「爆撃機からぶん投げる発炎筒+ガスボンベ爆弾(好きだねえ。)」とか「ドイツ人の医者と科学者が、死人を蘇らせて蒸気とゼンマイで動くようにした兵隊」なんて、もう冗談としか思えない設定を大まじめに出してくるのだから、うれしくなってしまう。ザック・シュナイダーの脳内書庫には25年前の「ホビージャパン」や「モデルグラフィックス」が山積みになっているに違いない。(笑)
配役的にも、ショートカットで口元にちょっと特徴のある女の子なんてワタシの永遠のアイドル像(例をあげると、キャサリン・ウィルホートとか、フランセス・マクドーマンドとか、フェリシティ・ハフマンとか・・・。)だし、相対的にいつも妙にエロいカーラ・グギーノ(ゴルるるるスキー)も監督の好みに入っているのだろう。
このゴチャゴチャさ加減がいい具合で、想像力次第でいくらでも広がるボードゲームのRPGを彷彿とさせてくれる。
その派手派手しい外見と裏腹に、込み入ったストーリーは大人の自分としては満足なのだが、精神年齢の低いワタシの方は、正直「いいじゃん、そんな話。もっと見せ場を続けろよ。」とちょっと不満。広島では上映館全館が吹き替え版なのだが、オープニングとエンディングのクサいナレーションは、オリジナルでも入っていたんだろうか?
案外、拍子抜けしてしまうのは、ディテールに対するこだわりが感じられないこと。種類だけは多い銃器の描写はあくまでも背景だし、ベイビードールたちのアクションには腰が入っておらず、棒きれとオモチャの銃を振り回しているようにしか見えない。
「プライベートライアン」で20ミリFLAKの空薬莢が吐き出される、ほんの数秒のシーンに絶大なインパクトがあったが、そんなシーンは全くといっていいほど無い。「神は細部に宿る」はずなのに。
つまり監督の画面づくりに対するこだわりと細部に対するそれの乖離を激しく感じるのだ。思うに、これまでザック・シュナイダー作品は何かしら原作があって、そこには見えようが見えまいが、細かいこだわりが含包されていたんじゃないだろうか。初のオリジナル作品で思わぬ一面が出てしまい、ここで監督の才能の底が見えたのか?
ところで、日本刀を差し出すスコット・グレンを見て、京都国際会館でロケした「最後のサムライ/ザ・チャレンジ」って映画を思い出した人ってどれぐらいいるんだろう?
映画館:バルト11
パンフレット:A4変形横版700円。監督ほかのインタビュー掲載。この手の映画にしては、内容が浅く割高感。
はてさて、これは困った映画だぞ。ものすごくものすごく楽しい反面、かなり喰いたりない。評価カテゴリーは「良かった、面白かった、気に入った」と「観た私が悪かった・・・」の双方を付けたいくらいなので、とりあえず中間をとって「普通、まあまあ、及第点」。
まず予告編どおり、ミニスカ・網タイツの女の子戦士、日本刀に武者ロボット、塹壕戦にドイツ兵、パワードスーツに阻塞気球と飛行船、リベレーター爆撃機にドラゴン、未来都市にメタルガンマンと、ワタシたちの世代が思春期に見てきたような映像が盛りだくさん。
「爆撃機からぶん投げる発炎筒+ガスボンベ爆弾(好きだねえ。)」とか「ドイツ人の医者と科学者が、死人を蘇らせて蒸気とゼンマイで動くようにした兵隊」なんて、もう冗談としか思えない設定を大まじめに出してくるのだから、うれしくなってしまう。ザック・シュナイダーの脳内書庫には25年前の「ホビージャパン」や「モデルグラフィックス」が山積みになっているに違いない。(笑)
配役的にも、ショートカットで口元にちょっと特徴のある女の子なんてワタシの永遠のアイドル像(例をあげると、キャサリン・ウィルホートとか、フランセス・マクドーマンドとか、フェリシティ・ハフマンとか・・・。)だし、相対的にいつも妙にエロいカーラ・グギーノ(ゴルるるるスキー)も監督の好みに入っているのだろう。
このゴチャゴチャさ加減がいい具合で、想像力次第でいくらでも広がるボードゲームのRPGを彷彿とさせてくれる。
その派手派手しい外見と裏腹に、込み入ったストーリーは大人の自分としては満足なのだが、精神年齢の低いワタシの方は、正直「いいじゃん、そんな話。もっと見せ場を続けろよ。」とちょっと不満。広島では上映館全館が吹き替え版なのだが、オープニングとエンディングのクサいナレーションは、オリジナルでも入っていたんだろうか?
案外、拍子抜けしてしまうのは、ディテールに対するこだわりが感じられないこと。種類だけは多い銃器の描写はあくまでも背景だし、ベイビードールたちのアクションには腰が入っておらず、棒きれとオモチャの銃を振り回しているようにしか見えない。
「プライベートライアン」で20ミリFLAKの空薬莢が吐き出される、ほんの数秒のシーンに絶大なインパクトがあったが、そんなシーンは全くといっていいほど無い。「神は細部に宿る」はずなのに。
つまり監督の画面づくりに対するこだわりと細部に対するそれの乖離を激しく感じるのだ。思うに、これまでザック・シュナイダー作品は何かしら原作があって、そこには見えようが見えまいが、細かいこだわりが含包されていたんじゃないだろうか。初のオリジナル作品で思わぬ一面が出てしまい、ここで監督の才能の底が見えたのか?
ところで、日本刀を差し出すスコット・グレンを見て、京都国際会館でロケした「最後のサムライ/ザ・チャレンジ」って映画を思い出した人ってどれぐらいいるんだろう?
題名:エンジェル・ウォーズ 原題:Sucker Punch 監督:ザック・シュナイダー 出演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン、カーラ・グギーノ、スコット・グレン |