2017年は前年の「この世界の片隅に」のように圧倒的な作品がなかった反面、良い映画も多い一年でした。裏を返せばシネコンでヒット映画はロングランするけど、クセのある作品やツマラナイ作品は上映回数が減ったからでしょう。(上映期間1週間、上映回数1日1回、日中の作品など、そもそも観るのがかなり大変。)
広島について言えば、八丁座・サロンシネマがロードショー系中心になったことを受けて、イオンシネマがマイナー作品を積極的に上映するようになったのは大きな変化。「お嬢さん」とか「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」「ありがとうトニー・エルドマン」「ハイドリヒを撃て」なんて、かってはサロンシネマでかかる映画でしたよ。
ベスト映画
■ベイビードライバー
新しい映画ジャンルの誕生。どこを切り取っても面白い映画ってなかなか無いです。
■皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
イタリア映画、ダークなヒーローアクション、日本アニメ。いいですねー
■ハクソー・リッジ、ダンケルク、ハイドリヒを撃て、ヒトラーの忘れ物、戦争のはらわた、激動の昭和史沖縄決戦、ワルシャワ44
映像文化ライブラリーを含め、第二次世界大戦モノがこれだけあったんだ。と改めて感じる充実ぶり。他にも「チリの闘い」「アルジェの戦い」も観ましたが、善悪の境目のテーマが多く、非人間性というものがなぜ、どこから生じるのか考えさせられました。
その他、「ザ・コンサルタント」「キングコング/骸骨島の巨神(ポスター最高!!)」「アトミック・ブロンド」「IT/それが見えたら終わり(ついに上映期間2ヶ月)」「女神の見えざる手」なども面白かった。
「ラ・ラ・ランド」や「ブレードランナー2049」「エイリアン・コヴェナント」などはあえて入れる気がしませんでした。面白くないワケじゃないんですが、事前情報が多すぎて、本編のインパクトが弱くなった感は否めません。
がっかり映画
■エルネスト
最初の広島パートは目を剥くほど素晴らしいんだけど、キューバ、ボリビア編になると全然面白くなく、がっかり度数も高かった。若々しい理想主義と荒々しさ、暑苦しいメッセージ性、金儲けと興行師魂に満ちた70年代の同テーマ映画を観てきた身としては食い足りないことこの上なかった。今世紀の描き方としてはこうなのかも知れないけど、パワー不足。
さて、2018年も気になる映画が多数あります。楽しみ。