日時:1月23日
映画館:シネツイン本通り
パンフレット:B5版700円。最後にネタばらしの解説アリ。
イタリア人監督による新作ジャーロ・・・というのはウソです。
ワタシの好きな俳優の1人がジェフリー・ラッシュ。面長で陰険な顔立ち、ダミ声、演技力、センスある作品セレクト(笑)その彼がエキセントリックで高慢な有名鑑定人兼競売人を演じるミステリー映画。
やっぱりミステリー映画はヨーロッパのもんよ。権謀術数に満ちた歴史、何か隠されていそうな築何百年の建築物、普通にしていてもいわくありげな登場人物たち・・・
同じヨーロッパでロケしても、アメリカの監督とヨーロッパの監督では全然、映画の撮り方や空気感が違う。それだけで充分楽しい。
オークショニアがあんなに儲かる商売なのかどうかは知らないが、金持ち主人公は本業の傍ら自分の気に入った女性の肖像画を秘蔵コレクションしている。日々のお楽しみは大好きな女性の絵に囲まれて、悦に入ること。そんな彼の元に競売の依頼がある。顔を見せない女性依頼人に惹かれて行く主人公。
【以下、ネタばれあり。】
パブリッシングではミステリー調を前面に出しているが、ストーリーは人付き合いをしてこなかった男と人付き合いのできない女の不器用な恋模様を軸に展開する。そして、思いがけないクライマックスとなるのだが、あとで思い返すと仕掛けられたトリックが見えてくる。
ポイントは主人公は「女性」が好きなのではなく、「女性の描かれた高額な絵画」が好きということ。
実際に現実の女性が好きなら、肖像画や裸婦像の見方が変わり、絵画の向こうにある感情が見えたりするのだが、彼からそういった気配が感じられない。この辺の微妙な感覚は、「マレーナ」公開時に「監督はやっぱりエロかった。」と言われたトルナトーレらしさを感じる。
他にもいろいろと伏線が張られており、バラバラの部品からオートマタを再現するくだりなどこの手の話が好きなワタシなどもっと引っ張ってほしいところ。
ドナルド・サザーランドなど最初から怪しい。だいたい彼が温厚な役のわけがない。役柄的に仕事の相棒にすぎず、相談相手でもないのに、やたら出演時間が長いのだから、何かあると疑ってしかるべきだろう。(笑)あとで思い返すと「依頼人」の母親の絵を「美しい」というセリフに、真実が見えなくなっている主人公が表されていた訳だ。
この手のドンデン返し系のハリウッド映画は伏線やトリックが見え見えか、オチが強引すぎるか観客をなめているとしか思えないものもあるのだが、ヨーロッパの映画は見えるものと見えていないもののブレンド具合が上手い。やはり、ノワールやジャーロを生んだ土壌は豊かだ。
最後にこの映画の教訓。
「二次元の女にはまっていると、ロクなことにならない。」(ちょっと違う。)
映画館:シネツイン本通り
パンフレット:B5版700円。最後にネタばらしの解説アリ。
イタリア人監督による新作ジャーロ・・・というのはウソです。
ワタシの好きな俳優の1人がジェフリー・ラッシュ。面長で陰険な顔立ち、ダミ声、演技力、センスある作品セレクト(笑)その彼がエキセントリックで高慢な有名鑑定人兼競売人を演じるミステリー映画。
やっぱりミステリー映画はヨーロッパのもんよ。権謀術数に満ちた歴史、何か隠されていそうな築何百年の建築物、普通にしていてもいわくありげな登場人物たち・・・
同じヨーロッパでロケしても、アメリカの監督とヨーロッパの監督では全然、映画の撮り方や空気感が違う。それだけで充分楽しい。
オークショニアがあんなに儲かる商売なのかどうかは知らないが、金持ち主人公は本業の傍ら自分の気に入った女性の肖像画を秘蔵コレクションしている。日々のお楽しみは大好きな女性の絵に囲まれて、悦に入ること。そんな彼の元に競売の依頼がある。顔を見せない女性依頼人に惹かれて行く主人公。
【以下、ネタばれあり。】
パブリッシングではミステリー調を前面に出しているが、ストーリーは人付き合いをしてこなかった男と人付き合いのできない女の不器用な恋模様を軸に展開する。そして、思いがけないクライマックスとなるのだが、あとで思い返すと仕掛けられたトリックが見えてくる。
ポイントは主人公は「女性」が好きなのではなく、「女性の描かれた高額な絵画」が好きということ。
実際に現実の女性が好きなら、肖像画や裸婦像の見方が変わり、絵画の向こうにある感情が見えたりするのだが、彼からそういった気配が感じられない。この辺の微妙な感覚は、「マレーナ」公開時に「監督はやっぱりエロかった。」と言われたトルナトーレらしさを感じる。
他にもいろいろと伏線が張られており、バラバラの部品からオートマタを再現するくだりなどこの手の話が好きなワタシなどもっと引っ張ってほしいところ。
ドナルド・サザーランドなど最初から怪しい。だいたい彼が温厚な役のわけがない。役柄的に仕事の相棒にすぎず、相談相手でもないのに、やたら出演時間が長いのだから、何かあると疑ってしかるべきだろう。(笑)あとで思い返すと「依頼人」の母親の絵を「美しい」というセリフに、真実が見えなくなっている主人公が表されていた訳だ。
この手のドンデン返し系のハリウッド映画は伏線やトリックが見え見えか、オチが強引すぎるか観客をなめているとしか思えないものもあるのだが、ヨーロッパの映画は見えるものと見えていないもののブレンド具合が上手い。やはり、ノワールやジャーロを生んだ土壌は豊かだ。
最後にこの映画の教訓。
「二次元の女にはまっていると、ロクなことにならない。」(ちょっと違う。)
題名:鑑定人と顔のない依頼人 原題:The Best Offer 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルビア・ホークス、ドナルド・サザーランド |
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