kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ナイトクローラー

2015年10月10日 | ★★★☆☆
日時:10月5日
映画館:シネツイン

チラシを見たとき、主演がワタシの好きなクライブ・オーウェンかと思ったのだが、実はジェイク・ギレンホールド。一瞬、躊躇したが、予告編が面白そうだったので、劇場へ。

ロスで屑鉄泥棒とかをやって日々生活をしているチンピラまがい、ルーは、ある日、事故現場を取材する独立系映像取材クルーを見て、一発狙いの真似事で取材を開始。(映像機材の原資は、もちろんコソ泥で稼ぎ出す。)モラルの低い取材で撮影したどぎつい映像を地元CATVに売り込み、その道で仕事をしていくことになる。世間知らずの若者をただ同然に雇い、むちゃくちゃな取材でセンセーショナルなネタを連発。落ち目の契約ディレクター、レネ・ルッソと組んで、取材という名の犯罪がエスカレートしていく。

このルーを演じているのが、ジェイク・ギレンホールド。痩せこけた上にギョロ目のジェイクはほとんど喜怒哀楽を顔に出さず、したり顔でビジネスの心得を知ったげに説教する全然感情移入できないキャラクター。まあ、そこは俳優としての彼の思惑通りだろう。

ただ、成り上がらんとするルーのエネルギーとバイタリティはなかなかのもので、いい画をモノにするためには重傷者を見栄えのいい位置に移しかえることなど意にも介さない。
彼に映像製作者として教育や経験があれば、一定のモラルがあり、職業人として越えてはならない一線があったのだろうが、元々チンピラの彼にはそんなものが一切無く、金になると見れば歯止めがかからなくなっていく。

それを裏支えすることになるのがレネ・ルッソで、視聴率のためなら映像のネタ元や撮影方法には眼をつむる悪のビジネス・パートナー。若い頃からのキツイ顔立ちに加え、年の分、ドスまで効いて、ピッタリの役どころ。

フリーランスの取材クルーが活躍できるのは深夜とあって、ロスの夜景がルーたちの巣くう息づく闇をいい感じで表現している。ところどころだけが煌々と明るい感じと街灯しかない道路の暗さの対比がいい。

ジェイク・ギレンホールドのイヤな奴ぶりが際立っていて、「痛い目に会え」とか「早く死ね」とか心の底から願うのだが、なかなかしぶとく、そこがサスペンスを盛り立ててくれる。

決定的瞬間という名の悪趣味な覗き見映像がある限り、彼のような人間は現実でも生き残り続けるんだろうな。






題名:ナイトクローラー
原題:NIGHTCRAWLER
監督:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホールド、レネ・ルッソ
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