kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ガガーリン 世界を変えた108分

2015年03月01日 | ★★★☆☆
日時:3月1日
映画館:イオンシネマ広島
パンフレット:A4版600円。



パブリシティを全然、目にすることがなく、まさかのノーマーク。新聞の劇場案内で最新情報を取るとは思わなかったのが、この映画。

ロシア製のガガーリン映画!旧ソ連の国策映画を彷彿とさせる映画なんて、ぜひとも観たいですよ。広島がスルーされなかったことに感謝。

映画の構造は極めてシンプル。人類史上初めて宇宙飛行を果たした宇宙飛行士ガガーリンの乗ったボストークの打ち上げから帰還までの間に、彼の半生や取り巻く人々がフラッシュバックで語られていく。

いきなりバイコヌール基地にドドーンとソビエトつ・・・もとい、そびえ立つR-7ロケット。無骨でカッコええ~。
そこにおもむろに登場する設計主任。つまりセルゲイ・コロリョフ。コロリョフがスクリーンに登場するだけで感動です。(←特殊)過去には「ライトスタッフ」で悪の黒幕的に描かれていましたが、当時は赤いカーテンの向こうの謎の人物だったので、全然、似てません。

そして、ガガーリンとチトフに加え、カマーニン中将、フルシチョフ、顔こそ出てきませんがアレクセイ・レオーノフも登場。ソ連宇宙開発史の黎明期を観ることができるだけで、もう満足。

宇宙飛行と言っても、そんな派手な事件があったわけではなく、さらに最後にはちゃんと帰還できるのが分かっているので、あとは両親や奥さん、同僚との話が同時進行ということになります。ソ連で人類初の宇宙飛行士に選ばれるような人物が破天荒な半生を送っているはずもなく、人民のお手本のような姿で映画のストーリーとしては全然、面白くありません。

が、他の国とは全然違う広大なロシアの景色やソ連時代のディテールや生活、無骨な父親を見ているだけで何となくうれしくなってしまいます。あと、徹底した秘密主義で事が進んだゆえ、何が起きているのか知っている人がごく僅かという、時代を感じさせる描写が興味深いです。

宇宙飛行をするボストークの映像なんて、CGとはいえ、マーキュリーやアポロとは全く違って、こいつがまたカッコいい。ほとんど手作業のようにアンテナが広がる様なんて、アンティーク感さえ漂います。ガガーリンが人類で初めて観た地球の景色なんて、思いっきり気持ちが入ってしまい、泣きそうになります。

いよいよ大気圏に突入し、乱暴な手法で着陸を果たす様は、パラシュートを空撮して、なかなかの迫力。

映画の趣旨はガガーリンの初宇宙飛行を描くことなので、その後、世界中を回ったことやスキャンダル、事故死などの残り半生は描かれません。

時にはこんな宇宙映画もいいなあ。

ところで、

ワタシのPC壁紙(笑)







題名:ガガーリン 世界を変えた108分
監督:パヴェル・パルホメンコ
出演:ヤロスラフ・ジャルニン、オルガ・イワノワ、ミハイル・フィリポフ
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