作詞家活動40年以上、今や押しも押されぬ大御所となった
売野雅勇さんとは、ささやかなご縁があり
前にも少し書きましたが、私の父と出身高校が同じで
私も同市内の女子高出身、そして弟が同じ大学卒。
FB上のお友達関係になっており、たまーにメッセージのやりとりも。
週末に開催された、40周年記念コンサートの前日にも
「明日、お伺いしますね」とメッセージしたところ 10分と経たないうちに
「ワオ ありがとうございます!」
-最高のコンサートになりますので、楽しんでくださいねーと
丁寧なお返事が(きっときっと、まめな方なのでしょうね)。
というワケで
ライブ友のBちゃんと、ミッドタウン日比谷で待ち合わせし
行ってきました。
東京国際フォーラムへ!
この日、Bちゃんは紫陽花を思わせる薄紫色の夏着物でしたが
私は……
ふと、思ったのです。
(きものも着ないともったいないけれど
もう何十年も着ていないソワレも、今着ないともう一生着ないだろう)
そこで、とても暑かったこともあり
こんな装いにしました。
ナザレロカブリエリという確かイタリアブランドの、
ひきずりそうなロングドレス。
(結局、写真に全身、おさまらなかった…)
マダムイシグロのシルクショールに、中村純子さんの夏帽子。
さて会場はこんな風に
舞台両脇に大きなモニタがあったので、
オペラグラスはほぼ使わずにすみました。
前の一列が東京パフォーマンスドールの親衛隊のみなさまで、
彼女らの歌唱時にはおそろいの赤いTシャツ団がばっと立ち上がり、壁となりましたが
まあそういうのも微笑ましかったです。
開演前には、山本達彦さんのファンの方と新たにお知り合いになり
10月の45周年コンサートでもまた!とご挨拶。
今回の記念コンサートは、10数人(組)の歌手が登場し、
売野さん作詞の歌を次々に披露するという進行で、4時間近くにもわたりました。
その、記念すべきトップバッターは……
どっぶりバブル世代、バブル脳の私とBちゃんは
「往年のアイドルで景気よく始まるのかなー♪」なんてきゃっきゃしていたのですが
そんな浮ついた気持ちを(いい意味で)えぐった、こちらでした。
↓
さかいゆう「崇高な果実」Lyric Video
-虐げられた人の悔しさを想え
失くした誇りを想えーと、
戦争をテーマにした歌ですが、それだけではない、国内外で
くすぶるさまざまな、理不尽な出来事を思わずにいられない歌詞。
この後、売野さんご本人が登場して述べた挨拶の最後に
「みんな、祝福されて生まれてきたんです」
この言葉は、コンサートの時間を幸せな気分で過ごさせてくれるのに
十分すぎるほどのパワーがありました。
ご出演歌手について一人ひとり感想を書きたいのはやまやまなのですが
とても長くなってしまうので、印象に残ったことだけ書くとすれば
イチバン嬉しかったのは
初めて中村雅俊さんを生で観たこと。(やっぱりミーハー)
何が嬉しいって、白いパーカにブラックデニムっぽいショートJKという
「夕陽丘…」のころのイメージそのまんまでご登場されたこと。
風貌も背格好もそう変わらず、一気に子ども時代にタイムスリップできました。
イメージを壊さない、といえば
杉山清貴さん(わたせせいぞうワールドな、薄青のインナーに白ジャケ)
荻野目洋子ちゃん(キラキラ衣裳で「六本木純情派」を熱唱)
森口博子さん(お顔もスタイルもまーったく変わっていない)
いやもう80年代からそのままきたでしょ!?と思うほどでした。
歌唱力で圧倒されたのは
HEROを唄った麻倉未稀さん(オーラ出まくり)
Womanの中西圭三さん(日本屈指のボーカリストと私は思っていて、
生で聴けて本当に嬉しかったです)
ノセ上手なのは
横山剣さん(永ちゃん作曲の歌を披露しましたが、とてもパワフルだし楽しい)
そして新発見でしたが山内恵介さん(会場にファンがたくさんきていて、
💛のサイリウムがカラフルに踊っていました)
でもやっぱり誰か一人…といえば、私はさかいゆうさんに一番
心打たれたかな…
坂本龍一作曲の「砂の果実」も唄ったのですが、
何か聴き手に、自身との対峙を促すような凛とした
でもピュアでやさしさもあるヴォーカルがとても印象的でした。
会場がボルテージマックスになったのは
ラストに藤井フミヤ&尚之さんが登場したとき。
「星屑のステージ」「ジュリアに傷心」「涙のリクエスト」
そして「Song for U.S.A.」
こちら全部、売野さんの作詞だったのですね。
もう会場総立ちで、大盛り上がり。やっぱり、往年のヒットソングは
何年、何十年たっても、みなの心をかきたてる力がありますね。
「ぼくや(作曲家で長くコンビを組んだ)芹澤廣明さんがいなくても
チェッカーズは売れていたでしょう。才能あるグループだから。
でもね、ぼくらがいなかったら「星屑‥」も「ジュリア…」も
「涙の…」も存在しなかったわけだから、それじゃさびしいじゃないですか」
本当にこの方は、聞き手(会場)の気持ちに寄り添う言葉を
選べる人だなあ、だからこそこれだけの成功をおさめたのだろうな、と
つくづく、思いました。
オーラスは「2億4千万の瞳」を出演者全員で大合唱。
これがこの日の40曲目でした。
曲の一つひとつに、その曲の中で息づく人生がある、というような
ことも、売野さんはおっしゃっていて、
だからこの日、私たちは40の、さまざまな人生のストーリーを
なぞったわけで、
それは同時に、私たちの40年にわたるそれぞれの人生のシーンを
振り返ることにもなったかも知れない。
少なくとも私はそうでした。
それが、誇り高きというとどうなのか、自分のこととなると口ごもって
しまいますが、でもやってきたことには自信をもって、誇りももって
それが世の理不尽さに屈しない力になっていくのだろう、とも思いました。
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