……をもとに、帯を創るという、無謀ともいえるオーダーを
快く引き受けてくださった染色作家 仁平幸春さん。
工房スタッフの甲斐さんとスリーショット。
お渡ししたのは日記の文章だけ。
そこから仁平さんに自由に発想をふくらませて
図案化していただく、というもの。
最初の打ち合わせが確か4月下旬。
それから工房のお引越しが急に決まったり、
展示会が続いたりして少し、足踏みしていたのですが、
-図案ができました-
仁平さんから11月初旬に、ご連絡をいただきました。
それが、コチラ。
(図案もやりとりも、ブログ掲載の了承を得ています)
-テーマが深いので、非常に悩みました。-と仁平さん。
-最も印象に残ったのは、
「生き別れも、死別も、そんなに悲しい別れじゃない。
一番つらいのは、時間を隔てたために会えない、ということ」という言葉。
とはいえ、(せっかく帯にするのだから)暗くなってもいけませんし……-
いろいろ考えていたら、「ピコーン!」とひらめいたそう。
-帯なのだから、一つの画面にまとめるのではなく
お太鼓と前柄で
そのテーマを表せば良いんだ!-
そこで
「お太鼓の大きな花と、前柄の小さな花を、細い蔦でつなぐ」案が浮かんだのだそう。
つながっています。
……仁平さんの説明を読んで、
私は、まるで絵巻物みたい、と、
そのアイデアをとても好ましく思いました。
手先からお太鼓にかけて時間が流れていって、
前柄とお太鼓は物理的にも四次元的にも、
重なることは決してないのだけど、
どこかでつながっている…と思える安心感、
-のようなものを表現できれば-とも、仁平さんはおっしゃっていました。
地色は、今まで仁平さんに創っていただいた2本がいずれも
白系だったので、
今回は暗めで、と、あらかじめリクエスト。
モチーフについては、
「仁平さんの描く花が好き」と事前に伝えはしたものの、
特にこれを入れて、というような指定はせず。
なのですが、今回も「月」が入っていました。
おそらく地色との関係からだと思います。
仁平さんに今まで創っていただいた帯
「月 と わんこ」
「月影のコンサート」
いずれも月が入っています。
今回の帯の図案は、
花や蔦が物語の主役なのですが、
私は何となく、脇役だけれど
一連の物語を何も言わず見守っている月に
心を寄せてみたくなり。
「優しい月」-まだ仮置きですが、そんなタイトルが
浮かんできました。
さて、いただいた図案に対して、
私が2、3、ご提案やご相談をさせていただいたことは……
長くなってしまったので次に回しますね。
※日記の全文はコチラに掲載しています。
※Foglia工房についてはコチラをご覧ください。
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