ここは……
成増駅近く。
染色家 仁平幸春さんの、
新しいアトリエにお邪魔しました。
お誂えの帯が染めあがったとの連絡をいただいて。
「このころは、すべて草木染だったんですよ。」
私の「月と わんこ」帯と(おそらく)9年振りに
再会し、懐かしそうに。
-でも、草木でも化学染料でも(仕上がりは)変わらなくて-
今は化学染料を使っているそう。
今回、お願いした帯、
お太鼓の図案はこうでした。
これが、染めあがってこうなりました。
私…… これを見たときの第一声が
「“あたらしい私”な感じ。」でした。
もちろん、いい意味でです。
今まで気づかなかったけれど、私の好きな世界がここにもあった!
という新鮮な発見。
葉や花弁のぼかし具合といい、
花びらの中の小花のデザインや茶の色合いといい、
とても繊細で好き。
仕立て上がって、締めるのが待ち遠しいです。
前帯はこんな図案でした。
これが、このように仕上がりました。
(上半分、関東巻きにしたときに表に出る側)
小さな星がきらめいています。
ハートも、蔦も可愛い
この蔦は
お太鼓とつながっています。
絵巻物のように、時間を超えて。
一番、苦労した点は?
「何と言ってもデザインです。(日記の)文章から
どう図柄を起こそうか…。
お太鼓だけで完結させようとすると、広さも限られているので
説明的になってしまうのですよね。
でも、前柄とお太鼓を(蔦で)つなげるというアイデアが浮かんで
これなら、と」
「もう一つ、月下美人をデザイン化するのにも苦心しました。
月下美人って花びらが細かいじゃないですか、あと真っ白だし。」
と語る仁平さん、今回は作業過程の写真も何枚かくださいました。
ゴム糊で、糸目をひいているところ。
茶色の染料を混ぜているため、仕上がりは白ではなく薄い茶色の線に。
左の写真は、花のめしべの部分をぼかすために
筆を二本持っているそう。
(右の写真の、花の先端部ですね)
「白の胡粉が湿っているうちに赤い染料を挿し、ボカシていきます」(仁平さん)
もちろんこれらは、ブログへの掲載許可をいただいています。
地色も、写真では伝わりにくいのですが、
鉄紺よりもう少し黒に近い、でも黒ではない絶妙な色。
「黒だと粋になりすぎるので…。この色なら、お手持ちの多くのお着物に
合うと思います」(仁平さん)。
最後に、署名を。
お太鼓の裏、見えないところに入ります。
早速、お仕立てに出しました。2月下旬には手元に届くかな。
仕立て上がったらまた、ブログにアップしますね。
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ここでお知らせです。
お弟子さんの甲斐凡子(なみこ)さんが、
目白で初めての個展を開きます。
2月7日(火)~12日(日)
12:00~19:00(最終日は~17:00)
ギャラリー ルヴァン
(東京都豊島区 目白駅より歩3分。地図は上のリンク先にあります)
作品を少し見せていただきましたが、
今風のソリッドで渋めニュアンスがありながら、
図案はポップ。
親方の仁平さんとはずいぶん作風が違います。
工房で培った技術は実に緻密で、素晴らしい!
こーんなに、細かいの
ご興味のある方、ぜひ足を運んでみてくださいね。
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