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仕事モードで、今年初の本塩沢に首里花織の八寸。
この一揃いには、シックな紫の小物を合わせることが多かったが
↓
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もう少し初夏っぽくしてみたくて、帯周りを明るくしてみた。
クリーム色の帯揚げに、スカイブルーの帯締め&シルバートーンの帯留め。
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みなさんは、どちらがお好みでしょうか…。
(生地の写りが左右で違いますが、同じ本塩沢です)
お会いした消化器内科の医師は、
どんな質問にも、1秒以内に答えはじめるクレバー&スマートな方。
クールで少しとっつきにくいところもあるのだが、
3年半前に一度、やはり着物で伺ったことを憶えていてくださり※、
目を合わせるなり、「ああ!どうも」と表情が柔らいだ。
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とても実りある取材が終わり、
向かったのは日本橋三越。
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伊賀組紐の第一人者、
伝統工芸展の“常連”、松山好成さんに会いに行った。
(催事は終了しています)
以前、やはり日本橋三越での催事に伺っている。
軽妙洒脱という言葉がしっくりくる、朗らかな方で、
「僕、半年後にまたここで催事やるので、良かったら来てください」
「はい、またお会いしましょう!」
ノリノリでお別れの挨拶を交わしたのに。
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さすがに顔を見ても思い出せなかったようだが、
当時いただいた、貝の口の素晴らしい帯締めの話をしたら、
「ああ!どうも」と顔がほころんだ。
とてもフレンドリーでおしゃべり上手な松山さん。
「コレ、僕の最新作で自信作なの。ちょっと当てて鏡を見てみて」
しゅしゅしゅと前にあった一本を結んで、手渡してくれた。
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アイスブルーに藤色に、ソフトなレモン色。そして白。
複雑な組み方で、聞いても「一口では言えないなあ。うちにあった昔の組見本を
復刻してみたの」と言うばかり。
もう少し白っぽいものや、逆にくすんだ色もあって、
私などはその、くすんだ色の方が、年齢を考えるとしっくりくるかなあと
思ったけれど、
「こっちはもっと年配の…70代くらいの人が締めるものよ」
写真のように、ずらりといろんな帯締めが並ぶ中で、
これだけパステルでまとめた色調は珍しい。
「どうして、この帯締めを選んだのですか?」と聞いたら
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そう言われたら、お嫁にもらわないとね!
もう一本、こちらの帯締めもステキだなと思って。
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「この組み方は、カジュアルでもフォーマルでもいけますよ」
似た組み方に、「浮舟」というもう少し凹凸のある、フォーマル向けが
あるけれど、
「浮舟は、(組む際の)柄の出し方がワンパターンで、決まってしまうんです。
こちらの組み方の方が、柄が自由に出せて動きがある。その分、作り手としては
難しいんだけど」
というわけで、今回2本、いただいてきた。
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手持ちと合わせるのが、とても楽しみだ。
※この消化器内科の医師と、3年半前に会ったときのエピソードはコチラ