こんなコーデで行きました(ちなみものはありません💦)。
詳しくは次回、紹介しますね。
この日は3階席の半分くらいが、
中学生の団体で埋まっていて、いつもとちょっと違う雰囲気?
でも、終わってから私、思いました…
今回の昼の部は、子どもも観やすい演目だったな、と。
その演目は…
「傾城反魂香」より
土佐将監閑居 と、浮世又平住家。
(写真は昔のパンフより。片岡孝太郎のおとくと、6代目片岡愛之助の又平)
土佐-は私、文楽では観たことがあったのですが
歌舞伎はまたぜんぜん、受ける印象が違いました。
今回は澤瀉屋演出とのことで、イヤホンガイドによれば
主人公の又平は、発話が不自由なだけではなく、
それがために生きづらさを抱え卑屈になっている、という、
より細かな性格設定だそう。
市川中車さんは巧みに、そんなパーソナリティを表現していたとは
思うのですが、、、。
これは私個人の感想なので異論はあると思いますが
生きづらさ、というよりも、社会適応性に欠けていて年齢よりも
幼い感じに見えてしまいました。
その点、文楽は淡々としていて、
ああ、又平は腕はあるが弁が立たないので忸怩たる思いを
しているんだな、と素直に伝わってきたのですが
今回の歌舞伎は、何だかちょっと「土佐の名前を!」と師匠へ訴える場面に
共感ができませんでした。
でも、それは却って、現代にはマッチしていて
なぜかというと、発話が不自由なことに対し差別的ととらえられる危険性が
今回のお芝居を見る限り、なかったからです。
ああ、又平は絵の実力を(発話の不自由さとは関係なく)師匠に
認めさせることができていないんだな
それなのに、土佐の名前をくださいとただ要求するだけじゃ
筋が通らないよね。
との解釈が自然にできてしまう、そういう演出でした。
ただ…又平が石の鉢に絵を描き終わった直後、
一瞬、顔つきが変わって、きりっとした精気ある表情に見えたのですが、
気のせいでしょうか…(その一瞬だけ、香川照之に見えた)。
もし意図してのことでしたらすごいな、と思います。
もともとこの演目、理不尽に女、子どもが犠牲になる内容でもないし
男女の生々しいシーンもないし、心中もしないし(やりかけましたが)
そしてハッピーエンドなので
中学生が観る演目として、とても適しているなあと、後から思いましたが
もしかしたらこういう人物設定も、結果的に今のご時世、
ハラスメント的な要素が薄くて、
よかったのかも知れないなあと思いました。
さて浮世又平住家の方は、あまりかからないレア演目とのことですが
こちらはとーっても面白かったです。
襖絵に描かれた藤娘や座頭、ナマズ女(!)といった絵に
次々と魂が宿り、リアルキャラとなって敵と戦う、という
これまた子どもにもわかりやすい、ゲーム要素満載。
踊りで見せるので軽妙洒脱、エンターテイメント性豊かな舞台。
日本のロールプレイングゲームが海外でも人気なのって
近松門左衛門をルーツに持つからではないのかなあ、と
真面目に考えてしまいました。
昼の演目はほかに2つ
黙阿弥の児雷也と、扇獅子。
こちらも台詞は児雷也の冒頭のみで、ほぼ踊り。
私、初めて歌舞伎で「大薩摩」を聴いたのですが
かっこいいですね! 江戸浄瑠璃の威勢の良さにすっかり
魅了されてしまいました。
児雷也も、山賊ながら貧しい民を助ける善キャラに
妖術や力を授けるとか、味方につくとか
シンプルでゲーム的要素があるし、
扇獅子は何も考えずとも、美しい芸者衆の踊りと
獅子回しを楽しめばよいし、
ともかくわかりやすい演目ぞろいでした。
個人的には、扇獅子で福助さんが、芸者の長として
超然と舞台中央の高いところにお出ましになったときに
うるうるきました…。
夜はニザさまがいらっしゃるけれど、昼はすみません
これぞ!な役者さんが…(芝翫さんも、微妙…むしろ
松緑さんで観たかった)ですが、
傾城-でほんの少しだけお出ましになった歌昇さんは
さすが、大きく見えましたし、
扇獅子の芸者衆、米吉さんや児太郎さんは愛らしく
眼福でした。
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