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先日、平置きでご紹介した一揃いを……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/0b/6581c68893c4d7b8857adb503ea3ceb7.jpg)
さっそく、着てみた。
このとき、午前7時前。
いくら着物好きな私でも、朝5時台に起きてまで
着物で仕事に行こうとはなかなか思わない。
でも、この日は張り切るだけの、ちょっとした理由があった。
先方とは約4年ぶり。
前回取材でお会いしたとき、彼女は嬉しそうに
「結婚することになったの」とサプライズの報告をしてくださった。
その後まもなく、新橋の名のある料亭を借り切って
新郎新婦とも着物姿で披露パーティをする、と案内までいただいていた。
その日はどうしても都合がつかず、失礼してしまったのだが
一連の会話から、彼女が着物好きであることはわかっていたから……。
でも。
とても久しぶりの再会となったその医師は
朝なのに乱れ気味の髪もそのままで、やせて、疲れているようだった。
「あ、…お着物、普段から着ているの?」
最初に一言、声をかけてくださったけれど、
反応は薄く。
聞けば彼女は震災以降、岩手のある町に診療所を開き
東京との間を往復しながら、ずっと被災地の方の治療を続けているそう。
この日も、その町から直接きたと言っていた。
「そうでしたか…現地は、どうですか?」
「復興はぜんぜんですね…。(その町は)まだほとんど手つかずのようなもの」
もちろん、疲労の色はあっても、
私たち取材班のインタビューに明快、丁寧に答えてくださり、
和やかなうちに仕事は終わったのだけど、
“そういう状況”をここ関東圏にいる私たちは
忘れていたり、実感できていなかったり、しているのではないだろうか。
張り切って、着物を着てきた私の胸に、小さな痛みが走った。
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ランチは丸ビル内の「ななは」という日本料理店で。
サバ味噌煮と温野菜のセット。
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その後、次の取材との空き時間で
三菱一号館美術館にて開催中の、ルドン展へ。
これが、今の私の生活だ。
でも、何か他の選択はないのだろうか?