大型連休前に駆け込んだ国立近代美術館。
日中の時間帯は外国人観光客の団体も待機しており
かなりの混雑でした。
まずお断りしておきたいのですが
今回は「秘密」とタイトルにあるように
今でこそ重文指定を受けて教科書にも載るような
有名な作品として認知されているものの
発表当時は異色、斬新とされ評価が定まっていないものも
多かったよ、といったメッセージがほぼ全編にわたり
解説されています。
ただ私は今回、混雑もありあまり解説には意識を向けず
感じるままに作品を楽しみたかったので、
ここでもシンプルに、感想を述べるにとどめたいと思います。
驚いたのは
絵画の重要文化財指定が最初に行われたのは
1955年だったということ。
思ったより歴史が浅いんだ・・・。と意外だったのですが
みなさんの感想はいかがでしょうか。
実物を観られてうれしかったのは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/13/d38947a080321257c3b9479c0ef097ec.jpg)
(混んでいたためこのアングルでしか撮れませんでした)
高橋由一「鮭」。
洋画の手法が日本に入ってきたことで、写実的≒図鑑や記録としての価値が
絵画に付加された象徴ともいうべき作品。
思っていたほど生々しさは感じなかったのですが、当時はインパクトあったのだろうなあ。
そしてこちらは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/53/cd39781780e9f7a90f7f8a3bdb0b270f.jpg)
早世の画家 青木繁。
「わだつみのいろこの宮」は神話を題材にした象徴主義的な作品で、
写実とは違う味わい…今でいう「エモさ」が伝わってきます。
私が日本の洋画で特に好きなのは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/d9/2ff0b7709a87803f5452653c0c6d33ec.jpg)
和田三造の「南風」。
色彩にも線にも力や勢いを感じます。
日本画では…
今回、私にとって大きな収穫の一つだったのが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/fa/14a6d4e16b6edf593fb1a841299c3ae3.jpg)
これまでほとんど観る機会のなかった
今村紫紅。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/84/0970d26c692c5beb4a6d2fefc58cb5e5.jpg)
点描のタッチが新鮮で、色合いも優しくて。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/20/816e57a2f0b220a05c46be528390701e.jpg)
こちらは川合玉堂の「行く春」。
昨年だったか、SOMPO美術館で大々的な回顧展があったのですが
そこにはなかったなあ。
春らしい明るい色調の屏風画で、
今村紫紅の作品に続けて展示されており
なんとなく統一性がとれていて、この一角から幸せなオーラを感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/4a/2b863a0d57405593e66079bfeed728ca.jpg)
上村松園。
女性や母子の絵は、私はこの人の作品が一番
表情に優しさがあって好きかなあ。
そしてなんといっても、今回の目玉の一つ
横山大観の「生々流転」、40mにもおよぶ長大な絵巻ですが
私は3往復もしちゃいました。
一滴の雨水が山間を流れ、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/d0/f97bfb8b2ff7c7084f2219876335956f.png)
川となり、海となって
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b2/96d33afa6544fdb888eec669683f5cb0.png)
果てなき大海へ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/06/919199d11ccdc885c8ac899431835e14.png)
そして、やがて空へのぼってふたたび雨の一滴に。。。という
まあ文章で端的に書くとそれだけではあるのですが、
眺めていると、絵が物語ってくるような気がしてくるのです。
こちらは国立近代美術館の公式サイトから
作品を動画で観ることができますので
良かったらぜひ、ご覧になってみてください。
なお、同企画展には工芸作品も展示されています。
以前、近代工芸館で観た作品なども多く、
私は今回、写真を撮りませんでしたが、
初代宮川香山や板谷波山の陶芸作品もあり、良かったです。