神奈川絵美の「えみごのみ」

吉右衛門さんを偲んで

中村吉右衛門さんの訃報をネット速報で目にしてから
昨晩は、かなり長い時間
自宅にある歌舞伎のプログラムを眺めながら
故人を偲んでいました。

最初に吉右衛門さんを舞台で拝見したのはいつだったか…
思い出せないのですが
まだビギナーといっていい時期に、深く感銘を受けたのが

2010年、以前の歌舞伎座が改装にともない閉鎖される前の
さよなら公演。


これ以降、何度も観ることになった「熊谷陣屋」の直実のお役でした。

当時のブログに私
話の筋が哀しすぎて、涙にくれた…というような
ことを書いていました。
直実の、忠義と親心のはざまを揺れ動く、実に人間らしく
生々しい様子に、胸を打たれたものでした。

そして、もう一つ

(こちらはイメージです)

確か2015年に観た、義経千本桜の渡海屋・大物浦。
もちろん吉右衛門さんは銀平・知盛のお役で
なんというか、今でも思い出すと息が詰まるほど
ただただ…銀平にも、知盛にも、感情移入してしまいました。
この後しばらく、「知盛最期」をお能で観たり、文楽でも観たのでは
ないのかな。ともかく「マイブーム」になりました。

春先の、ご病気のことは心配していましたが、
コロナが落ち着いて、安心して歌舞伎座へ行けるようになったら
またお顔を拝見できるものと、思っていました。
ただ…先の、11年前のプログラムを見ても、
何人もの方が鬼籍に入られていて…寂しいばかり。
心からお悔やみ申し上げます。

コメント一覧

kanagawa_emi
香子さん、こんにちは。
もう何だか気持ちが沈んでしまって…また拝見したかったです。
過去の映像を観て、偲ぶことにします。
そういえば、持病をお持ちでしたね…。77歳は今の時代、
若いといえますが、たいへん過酷であろう舞台をずっと第一線でおつとめになられて、本当にお疲れ様でしたと
今は申し上げたいです。
香子
77は若い部類ですのにね、残念でなりません。
もっとも味覚障害ほかいろいろ持病をお持ちで満身創痍でしたものね。
ホント、舞台はナマモノですよね。
同じ演目・同じ役者さんでも2度と同じ舞台は見られませんもの。
kanagawa_emi
原田さん、こんにちは。
琴平歌舞伎! 友人が以前行って、話を聞いたことがあります。
昔を思わせる風情で、観客もぎゅうぎゅうとすし詰めになって
観るとか…、今、修理中なのですね。
伝統や文化を遺していくという意味でも、吉右衛門さんの
功績は大きいですよね。
本当に、歌舞伎界にとって大きな柱を喪った…そんな
気持ちでいます。
原田
吉右衛門丈に最後にお目にかかったのは、平成24年に香川県琴平町にある重要文化財「金丸座」(旧金毘羅大芝居)の修復の時だったと記憶しています。

芝居小屋としては、全国でも最も古く伝統ある建物でしたが、かなり傷みが激しく、吉右衛門さんたちの応援や協力がなければ立ち行かなかったと思っています。

小さなころから養子に出されて、苦労されたと聞いていましたので、地元の人々にも優しく経済的にも随分応援していただいたと、町長もおっしゃっていました。

現在もコロナ禍での定期点検修理中のようですが、もう舞台上で拝見できないのが残念でたまりません。
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