神奈川絵美の「えみごのみ」

伝芸ワンダーランド@上野

やや軽薄なタイトルで申し訳ありませんが…。

先週行ってきた国立博物館、その表慶館では


吹き抜けから見たエントランスホール。
このように歌舞伎、文楽、能・狂言、組踊、雅楽の世界を
体感しながら鑑賞できる、といったコンセプトで
舞台再現や衣裳、小道具、資料映像などが展示されています。

日本美術、文化を国内外に発信していくことを目的とした
官民連携「紡ぐプロジェクト」の取り組みの一環で、
「ユネスコ無形文化遺産 特別展」との副題がついています。

コチラは歌舞伎。

南総里見八犬伝 犬山道節の衣裳。


菅原伝授手習鑑 松王丸。

そして

京鹿の子娘道成寺 白拍子花子と、藤娘 藤の精。


ふだんは観られない舞台裏、黒御簾の様子も。
雨団扇にオルゴール、締太鼓。

文楽のコーナーは…

年末に日本女子大で桐竹勘十郎さんが
お人形の衣裳の衿付けで苦労なさった話を披露していたので
思わずじっと観てしまいました。


こちらもなかなか間近では観られない見台。
螺鈿細工が見事です。

そして

勘十郎さんといえば狐…これは展示用なのでしょうけれど
模擬舞台がつくってあり、あがることができます。
主遣いが履く高下駄もありました。

能・狂言は

こちらにはあがることはできなかったのですが
本物の舞台を目の前にしているよう。


この模様が美しくて思わずパチリ。
紺地帆丸模様肩衣。帆丸はきものや帯の柄にもなっているのでは…。

そして、紅型の鮮やかな色彩が心揺さぶる

組踊。琉球王国時代の歌舞劇です。


模擬舞台の前でスリーショット(?)


格調高く、ため息が出ます。


こちらも、紅型の迫力を感じます。

最後の雅楽も…

重厚感ある衣裳が並び、目を奪われました。

というワケで、
ぐるっと回ればどっぷり、伝芸の世界に浸ることができ
とても楽しかったです。
そうそう、写真は撮らなかったのですが、
歌舞伎のコーナーに歌川国豊の錦絵もありましたし
隈取のプロセスなども紹介されていて、舞台裏もたくさん
知ることができます。

展示は3月13日までだそうです。公式サイトはコチラ
伝芸ファンも楽しめるし、なじみのない人もこの機会に
日本の文化をまとめて知ることができる良い展示だと思いました。

コメント一覧

kanagawa_emi
香子さん、こんにちは。
感染状況に一喜一憂な状況は変わりませんね・・・。
>六代目菊五郎は銀鼠地
おおお、詳しいご解説をありがとうございます!
そうだったのですね。
地の色がこれだけ違うと、
ずいぶん、舞台での見え方も違うでしょうね。
kanagawa_emi
まるたけさん、こんにちは!
ね、目が喜びますよねー特に歌舞伎やお能の衣裳。
重厚感や、迫力もありますよね。
日本に限らずでしょうけれど、長年伝承されてきたものは
普遍的な美しさがあるのか、心にずんと響くものがありますね。
香子
レポありがとうございます。
ワタシは特に松王丸の衣装が2種出ていたのが嬉しいです♪
通常は黒地に雪持ち笹ですが、六代目菊五郎は銀鼠地にしたそうです。
その流れで十七代と十八代の勘三郎さんは銀鼠の方の衣装でした。

感染者爆増中で動物園は休園ですが、
美術館なども休館が出てくるかもしれませんね。
エンタメも休演や中止になったものも出てきましたし…
まるたけ
ほうほう、目が喜んでいます。見たことがあるような意匠の
衣装もあって興味津々。私は絵美さんのブログで行ったきになる
ことにしました。いつもレポありがとう!次はどこへ行っていただけるのかな、と内心楽しみにしています。
それにしても絵美さんの装い、この展にぴったりでしたね。
kanagawa_emi
K@ブラックジャックさん、こんにちは!
このチケットで、本館の「初詣」展も入れるので
結構、お値段以上に楽しめると思います。
何といっても白拍子や藤娘の衣裳を目の前で観られたのが
嬉しくて、隣にいた見知らぬご婦人と、小声で
「きれいですよねー」なんて思わず、言葉を交わしてしまいました…^^;
資料映像も(こちらは撮影NGなんですが)良かったですよ。
咲太夫さんや燕三さん、清治さん等々のちょっと若いころの
映像が流れていて、つい見入ってしまいました。
K@ブラックジャック
どうしようか迷っていましたが、
このブログを見てやっぱり行きたいと行くのを決意(笑)
とーちゃんも大阪出張中なので予定が空いてる来週末にでも
久しぶりに一人で着物着て上野公園プラプラしてみようと思います。
会社帰りにチケット買いに行こう~。
背中を押して頂きありがとうございます(笑)
kanagawa_emi
原田さん、こんにちは。
ブログには載せなかったのですが、丸天井もしっかり、写真におさめてきました^^ まあ今まで何度も訪れていて、その度に
写しているような気もするのですが^^;
明治~大正初期の西洋建築は、素人の私が見ても重厚感あり、
かつ、華美になりすぎない装飾性にも好感を持っています。
原田
もちろん衣装等も素晴らしいのですが、仕事柄どうしても建物の方に関心が言ってしまいますね。

写真でははっきりとは写っていないのですが、重要文化財・表慶館は、緑青色の丸屋根を載せた西洋建築であるところも素晴らしいと思います。たしか大正天皇のご成婚を祝って建てられたんですよね。

平成18年(2006年)の大規模補修の後に見学したと記憶しています。あの国立博物館の一帯が、時代のワンダーランドのような気がしています。
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