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縞屋の井上さんと。
産地の活性化と創造意欲に燃える織元さんたちで
運営されている「唯一無二之会」銀座の展示会場です。
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中川さん、関さんの大島。
縞屋さん、龍田屋さんの結城。
この写真は人を避けて撮影しましたが、実際には
平日の午前中にも関わらず、大勢のお客さんでにぎわっていました。
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きもの雑誌からも取材を受けたという、
ひと元の白大島(写真右)。
カタスと並べれば一目瞭然、違いがわかります。
柄は正倉院文様で、私は以前、カタスでこの色違いをいただきました。
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まだ糊がきいているとは思えないほど
やわらかな結城縮。少ししゃりっとした感触もあります。
多種類の、しかも細かい絣が縞屋さんの持ち味。
眺めていると欲しくなってしまうのですが、
いただくなら、自分でアイデアを出した柄をオーダーしたい、なんて
考えもあり、ぐっと我慢。
と、そこに……。
「あなたからは、佐久間良子と多岐川裕美のオーラが出ている!」と、
瞬時に占いの館かどこかに連れて行かれたかのようなお告げが。
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江戸組紐の二代目 平田竹峯さん。
しかも、すかさず
「いや、見た目がそうだ、というんじゃないよ。あくまでオーラだから」と
ぬかりなくエクスキューズ
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「手の脂があるうちは、きつく組めないんよ。
70過ぎてからが、イチバンいい」
とおっしゃる竹峯さん、御年67歳。
会場では56珠(糸)を機に下げて、実演くださいました。
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手際よくやらんと、(組んだ)目が死ぬんよ」
(締めたときのきゅっとした伸縮性がなくなる、という意味のようです)
1万、2万クラスの帯締めを買うなら、実際に締めて(結んで)みて、
キュッといわなかったらやめた方がいい、と竹峯さん。
これなんかいいよ、と勧めてくださったのがコチラ。
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角朝遊玄染 -組み方は昔、朝鮮、中国と伝わってきたもので
染は、150年前の江戸で、(職人が)いろんな色を混ぜたら偶然出た色。
つまり、くろうとがあそんでできた染。……という意味らしいです-
あなたは、このあたりの色から選ぶといいよ、と
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色見本の赤丸をつけた部分を薦めてくださいました。
先に挙げた芸能人のオーラの色だそうです
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オーラ云々の信ぴょう性はさておき、
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確かに、引き締まったいい色合いで、ローズに転んだ色も効いています。
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絹糸は純国産。
竹峯さん、お話がとてもお上手で、
次から次へと話題が途切れず、
かつて天皇だけが身につけることを許されたという、青白橡(あおしろつるばみ)で
染めた糸の束も見せてくださいました。
暗いところでは茶、明るいところでは緑に見える不思議な糸でした。
思わぬ“オーラの泉”攻勢にあい、
いただいてきた帯締め。
私の“唯一無二”になるかしら。
※会期は17日(土)まで(平田竹峯さんの実演は16日(金)まで)
公式サイトはコチラです。