人間国宝の豊竹嶋太夫さんがお亡くなりになりました。
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私が初めて文楽を観たのが2012年。
そのころ住太夫さん、源太夫さんはご体調のこともあり
あまりおでましにならなかったので、
私にとって切場語りといえば、嶋太夫さんと
今もご活躍なさっている咲太夫さんのお二方。
上の写真は有名な“あほぼん”、吉田屋ですが、
このときの夕霧で聴いたのが初めてでした。
そして2016年、引退公演のときの
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関取千両幟のおとわ役。
蓑助さんのお人形でとてもいじらしく、かつ凛とした
泣きの語りを聴かせていただきました。
声を張り上げるタイプではなく、
私が聴いていたときは御歳のこともあり
どちらかといえば枯れた、しわがれた声なのに
女性役の語りがとても艶で、情念がこもっていて
とても好きでした。
下に、引退公演時のブログ記事のリンクを貼りますが、
途中、12年もブランクがあり、戻ってきたという
異色の経歴。
それでも芸を磨き、人間国宝にまでなられたとのことで
その才能、努力ともに人並みはずれていたのであろうと
思いを馳せています。
心より、お悔み申し上げます。
豊竹嶋太夫さんの引退公演時(2016年2月)のブログ記事はこちらです。
(当時のお名前の表記は「大夫」でした)